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明知線

Akechi Line

明知線(あけちせん)は、岐阜県恵那市の恵那駅から明智駅に至る、明知鉄道が運営する営業キロ25.1キロメートルの鉄道路線である。恵那駅で中央本線と接続し、東濃の丘陵を南へ進む。全線単線、軌間1,067ミリメートルの狭軌で、全線非電化であり、気動車により最高速度60キロメートル毎時で運行される。わずか25キロメートルあまりの区間で2つの峠を越えるため、急勾配・急曲線・トンネルが連続する路線で、明知鉄道が運営する唯一の路線でもある。旧日本国有鉄道(国鉄)の路線で、1985年に第三セクター会社へ引き継がれ、現在は通学・通勤輸送を担う日常の役割とともに、寒天やきのこを用いた「グルメ」観光列車でもよく知られている。

5 km
明知線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この鉄道は、もっと長大な計画線の一部として始まった。改正鉄道敷設法別表第63号に掲げられたいわゆる遠美線は、静岡県の掛川から二俣・大野・浦川・武節を経て岐阜県の大井に至る予定線であった。実際に建設されたのはそのうち大井(現・恵那) - 明知間のみで、その建設は主に岐阜県選出の衆議院議員・古屋慶隆の活動によって実現した。工事は1933年から1934年にかけて段階的に行われた。

最初の区間である大井 - 阿木間は1933年5月24日に開業し、東野駅と阿木駅が新設された。1934年1月26日には阿木 - 岩村間が、同年6月24日には岩村 - 明知間が延伸開業して全線が開通し、遠山駅と明知駅が新設された。路線は、先に開業していた岩村電気軌道(1906年に岩村 - 大井間で開業した岐阜県初の私鉄)が経由しなかった阿木村を通すため、意図的に東へ迂回した。大井 - 飯羽間間が急カーブ・急勾配・トンネルだらけなのはこの迂回が理由である。岩村電気軌道は明知線の開業後の1935年に廃止された。

利用の少ない支線であったため、この路線は繰り返し廃止の候補に挙げられた。1957 - 58年、国鉄は戦時中に休止していた白棚線をバス専用道路として再開させたのを機に、営業成績の悪い明知線も同様にバス転換することを検討したが、勾配の問題などから中止した。1968年には国鉄諮問委員会がいわゆる「赤字83線」の一つとして廃止を提言したが、この取り組みが頓挫し路線は存続した。しかし国鉄再建法の成立後、1981年に第1次廃止対象の特定地方交通線に指定され、1981年9月18日に廃止が承認された。

路線は廃止される代わりに、新たな第三セクター事業者へ転換された。1985年11月16日、営業キロ25.2キロメートルの国鉄明知線が廃止され、同日に明知鉄道明知線(恵那 - 明智間、25.1キロメートル)として開業した。このとき明知駅は、町名に合わせて「明智」という少し異なる表記に改称された。民営化後、同社は飯沼駅(1991年)、野志駅(1994年)、極楽駅(2008年)と複数の新駅を設け、2011年には花白駅を花白温泉駅に改称した。

この路線は古い設備を徐々に手放し、運行形態も変えていった。貨物営業はすでに1981年2月1日に廃止されていた。2004年3月には閉塞方式が特殊自動閉塞式に変更され、中部地方に残っていた最後の腕木式信号機が使用を停止した。2011年3月12日からは急行「大正ロマン号」が1日1往復運転されるようになり、月曜を除く毎日運行されている。下り明智行きでは食堂車を連結し、乗客が車窓を楽しめるよう各駅停車よりもあえて遅い時間設定とされている。

この食堂車の営業は、いまや路線の象徴となっている。明知鉄道は1日1往復、食堂車を連結して季節の郷土料理を提供しており、その料理は寒天(山岡の特産品である寒天)、自然薯、きのこといった食材を中心に組み立てられる。「寒天列車」や「きのこ列車」がその例である。あわせて、地酒を味わう列車、子どもや大人が気動車の運転を体験できる月例イベント、蒸気機関車の運行や貸切列車なども企画されている。テレビを通じて訪れる客もあり、気動車にはNHKの2018年の連続テレビ小説『半分、青い。』や、2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』にちなんだラッピングが施された。後者は、終点の駅名と同じ名を持つ武将・明智光秀を主人公としている。

年表

  • 19335月24日:最初の区間である大井(現・恵那) - 阿木間(10.0km)が開業。東野駅・阿木駅を新設。
  • 19341月26日:阿木 - 岩村間(5.0km)が延伸開業。岩村駅を新設。
  • 19346月24日:岩村 - 明知間(10.2km)が延伸開業して全通。遠山駅・明知駅を新設。
  • 195612月20日:遠山駅を山岡駅に改称。
  • 19591月10日:飯羽間駅を新設。
  • 196311月1日:大井駅を恵那駅に改称。
  • 196711月15日:花白駅を新設。
  • 1968国鉄諮問委員会が「赤字83線」の一つとして廃止を提言するが、取り組みが頓挫し路線は存続。
  • 19812月1日:貨物営業を廃止。9月18日:第1次廃止対象特定地方交通線として廃止が承認される。
  • 198511月16日:国鉄明知線(25.2km)が廃止され、同日に明知鉄道明知線(恵那 - 明智間、25.1km)として開業。町名に合わせ明知駅を明智駅に改称。
  • 199110月28日:明知鉄道転換後の新駅として飯沼駅を新設。
  • 199412月15日:野志駅を新設。
  • 20043月25日:閉塞方式を特殊自動閉塞式に変更し、中部地方に残った最後の腕木式信号機の使用を停止。
  • 200812月25日:極楽駅を新設。
  • 20113月12日:花白駅を花白温泉駅に改称。急行「大正ロマン号」の運転を開始。

出典