歴史
この路線そのものは、現在運行する会社よりはるかに古い。日本初の私設鉄道である日本鉄道によって建設され、(盛岡 -)目時 - 青森間が1891年9月1日に開業して、東京から青森までの直通経路が完成した。新線沿いには続く数年間で各駅が設けられ、1891年12月には下田駅が、1894年には三沢駅の前身である古間木駅が開業した。1906年11月1日に日本鉄道が国有化されると路線は国の手に移り、1909年10月12日には国鉄の線路名称制定により正式に東北本線の一部とされた。
官設鉄道、そして日本国有鉄道(国鉄)の所有のもとで、路線は段階的に改良されていった。20世紀前半を通じて新駅や信号場が開設され、青森周辺の経路は1920年代以降に順次複線化された。1960年代には大規模な近代化が進められ、区間ごとに複線化が行われて、1968年8月5日には目時 - 青森間の全線複線化が完成した。同年7月21日には野内 - 青森間が新線に経路変更されて東青森駅が開業し、旧線上の浪打駅・浦町駅は廃止された。交流20,000ボルト・50ヘルツによる電化は1968年8月22日に達成され、列車集中制御装置(CTC)化は1976年12月27日に行われた。
1987年4月1日の国鉄分割民営化に伴い、路線は東日本旅客鉄道(JR東日本)に承継された。しかしその将来は、すでに東北新幹線と結び付けられていた。1990年の政府・与党申し合わせでは、新たに着工が認められた新幹線区間に並行する在来線は、新幹線開業時にJRから経営分離することが条件とされた。青森県知事は1991年に東北本線の八戸までの経営分離に同意し、1998年には八戸以北の沿線市町村と協議のうえ、八戸 - 青森間の経営分離にも同意した。青い森鉄道株式会社は2001年5月30日に設立された。
経営移管は、東北新幹線の北への延伸に合わせて二段階で行われた。2002年12月1日に新幹線が八戸まで延伸されると、並行する在来線がJR東日本から分離され、岩手県内の区間はIGRいわて銀河鉄道線となり、青森県境の目時から八戸までの25.9キロメートルが青い森鉄道線として開業した。新区間の運賃はJR東日本時代の約1.49倍に設定され、青い森701系電車が営業運転を開始した。いわて銀河鉄道との資産上の境界は、目時駅のすぐ南側にある県境分界点である。
第二段階は、2010年12月4日の新幹線新青森延伸に伴って行われ、残る八戸 - 青森間の96.0キロメートルがJR東日本から移管されて青い森鉄道線に編入され、現在の121.9キロメートルの路線が完成した。この区間の運賃はJR東日本時代の約1.37倍に引き上げられた。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では全線で運転を見合わせ、翌12日には近隣の県立工業高校の移転に合わせて野内駅が移転し、3月17日に全線で運転を再開した。
移管後、路線は小規模な拡張と長距離輸送の喪失を経験している。2014年3月15日には青い森703系が営業運転を開始し、東青森 - 青森間に筒井駅が開業した。2016年3月26日の北海道新幹線開業により、当線を走っていた最後の寝台特急が姿を消し、「カシオペア」はその月をもって最終運行を迎えた。現在、青い森鉄道の列車はすべて各駅停車の普通列車であり、目時駅で始発・終着となる列車はなく、いわて銀河鉄道線を介して盛岡まで直通している。JR東日本は八戸 - 野辺地間を自社の直通列車にも使用しており、大湊線へ直通する快速「しもきた」や、2023年まで運行された観光列車「リゾートあすなろ」がこれにあたる。JR貨物も引き続き当線で貨物輸送を行っている。
年表
- 18919月1日:日本鉄道が(盛岡 -)目時 - 青森間を開業し、東京 - 青森間の直通経路が完成(当時、目時駅は未開業)。
- 190611月1日:日本鉄道が国有化され、官設鉄道の一部となる。
- 190910月12日:線路名称制定により、正式に東北本線の一部とされる。
- 194810月1日:目時信号場を駅に変更し、目時駅が開業(のちの当線の起点)。
- 19496月1日:日本国有鉄道法の施行に伴い、日本国有鉄道(国鉄)に移管。
- 19688月5日:目時 - 青森間の全線複線化が完成(7月21日に野内 - 青森間を経路変更し東青森駅開業)。8月22日:交流20,000V・50Hzで電化。
- 197612月27日:(盛岡 -)目時 - 青森間がCTC化される。
- 19874月1日:国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道(JR東日本)に承継。
- 19917月9日:青森県知事が、東北本線の八戸駅までの経営分離に同意する旨を回答。
- 20015月30日:青い森鉄道株式会社が設立(登記)。
- 200212月1日:東北新幹線八戸延伸に伴い、目時 - 八戸間 (25.9km) が青い森鉄道線として開業。岩手県内はIGRいわて銀河鉄道線となる。運賃をJR東日本時代の約1.49倍に引き上げ、青い森701系が営業運転を開始。
- 201012月4日:東北新幹線新青森延伸に伴い、八戸 - 青森間 (96.0km) がJR東日本から移管され青い森鉄道線に編入、現在の121.9kmが完成。同区間の運賃をJR東日本時代の約1.37倍に引き上げ。
- 20113月11日:東北地方太平洋沖地震で全線運転見合わせ。3月12日に野内駅が移転し、3月17日に全線運転再開。
- 20143月15日:青い森703系が営業運転を開始。東青森 - 青森間に筒井駅が開業。
- 20163月26日:北海道新幹線開業に伴い、当線を通過していた寝台特急が全廃(「カシオペア」は同月で最終運行)。
出典
事実確認日:2026年6月14日