JR線·約3分で読めます

西名古屋港線

Aonami Line

あおなみ線(あおなみせん)は、正式名称を西名古屋港線(にしなごやこうせん)という、愛知県名古屋市を走る営業キロ15.2キロメートルの第三セクター方式の通勤鉄道で、名古屋臨海高速鉄道(なごやりんかいこうそくてつどう)が運営している。名古屋駅を起点に同市港区を南下し、臨海部の金城ふ頭駅に至り、軌間1,067ミリメートルの狭軌・複線、直流1,500ボルトで電化された全11駅の路線である。旅客路線は、既存の日本国有鉄道の貨物支線を再利用し、名古屋港地区の埋立地まで延伸して2004年に誕生した。その名称は会社の路線色「青(あお)」、名古屋の「名(な)」、港区の「港(み)」を組み合わせたもので、二語に分けて「青波(あおなみ)」と読むこともできる。

名古屋中川区中村区飛島村南区蟹江町瑞穂区2 km
西名古屋港線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線はもともと貨物用の施設として始まった。1947年10月に国鉄岐阜工事局が路線の測量を実施したのち、西名古屋港線は1950年6月1日に東海道本線の貨物支線として開業し、笹島(貨物駅)から西名古屋港までの12.6キロメートルを日本国有鉄道(国鉄)が運営した。1971年4月25日には同支線での蒸気機関車の使用が停止された(無煙化)。1980年10月1日に名古屋貨物ターミナル駅が開業し、1986年11月1日の国鉄ダイヤ改正で笹島駅が廃止されると、路線の名目上の起点は距離の変更を伴わずに名古屋駅へと移った。

1987年4月1日の国鉄分割民営化により、この路線は第一種鉄道事業者として東海旅客鉄道(JR東海)に引き継がれ、貨物列車を運行する第二種鉄道事業者として日本貨物鉄道(JR貨物)が加わった。旅客営業を加える計画は1990年代に具体化し、1997年12月2日には名古屋市が出資する第三セクター会社・名古屋臨海高速鉄道が設立され、その10日後に第一種鉄道事業免許を取得した。この旅客計画では既存の貨物線およそ12キロメートルを再利用し、金城ふ頭駅へ向けて新たに約4キロメートルの延伸区間を建設した。

貨物用の線路は、その後数年をかけて旅客用に造り替えられた。名古屋 - 名古屋貨物ターミナル間は1998年3月30日に電化され、不要となった名古屋貨物ターミナル - 西名古屋港間は2001年に廃止され、名古屋 - 中島間には新駅が設けられて路線が改良されるとともに、中島から先の線路は踏切を除却するため高架化された。愛称「あおなみ線」は2003年11月17日に公募の選考で決まり、試運転は2004年4月に始まった。建設費は約93億円であった。

あおなみ線は2004年10月6日に旅客営業を開始し、名古屋臨海高速鉄道の西名古屋港線として名古屋 - 金城ふ頭間の15.2キロメートルを運行することとなった。同じ日にJR東海による名古屋 - 名古屋貨物ターミナル間の第一種鉄道事業(貨物)が廃止されたが、JR貨物は引き続き路線の名古屋寄りで貨物列車を運行しており、名古屋 - 荒子間は旅客と貨物の双方が走る区間となっている。2008年10月23日には、朝に名古屋を出発した直後の列車が脱線し、22時30分頃まで上下線とも運転が見合わせられた。

名古屋国際展示場などの施設に接続していたにもかかわらず、利用者数は開業時に見込まれた数字を大きく下回った。2010年7月、運営会社はおよそ46億円の負債を抱えていることを表明し、破綻を避けるため事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を申請した。その後この路線は、金城ふ頭の終点付近に集まる新しい臨海部の集客施設への主要な鉄道アクセスとして、より確かな足場を得ていった。

JR東海の鉄道博物館であるリニア・鉄道館が2011年に近隣に開館し、2017年のレゴランド・ジャパン開業に合わせて、運営会社は2017年3月10日に名古屋 - 金城ふ頭間のノンストップ列車を導入し、3月27日にはレゴランドをテーマとしたラッピング列車を運行した。2022年には、隣接する競馬場の移転に伴い、途中駅の名古屋競馬場前駅が港北駅に改称された。今日のあおなみ線は、名古屋の中心部と港湾地区、そしてその展示場・博物館・テーマパークといった目的地とを結ぶ、通勤・行楽路線として主に機能している。

年表

  • 194710月:国鉄岐阜工事局が貨物線建設に向けて測量を実施。
  • 19506月1日:国鉄の東海道本線貨物支線(西名古屋港線)として(貨)笹島 - 西名古屋港間 (12.6 km) が開業。
  • 19714月25日:蒸気機関車の使用を停止(無煙化)。
  • 198010月1日:名古屋貨物ターミナル駅が開業。
  • 198611月1日:国鉄ダイヤ改正で笹島駅が廃止され、起点が名古屋駅となる(改キロなし)。
  • 19874月1日:国鉄分割民営化により、東海旅客鉄道(JR東海)が第一種鉄道事業者、日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者となる。
  • 199712月2日:名古屋臨海高速鉄道が設立される(名古屋市出資の第三セクター)。12月12日に第一種鉄道事業免許を取得。
  • 19983月30日:名古屋 - 名古屋貨物ターミナル間 (3.9 km) が電化。
  • 20013月31日:名古屋貨物ターミナル - 西名古屋港間 (8.7 km) が廃止。
  • 200311月17日:公募の選考により愛称が「あおなみ線」に決まる。
  • 200410月6日:名古屋臨海高速鉄道の西名古屋港線(愛称:あおなみ線)として名古屋 - 金城ふ頭間 (15.2 km) が開業。同日、東海旅客鉄道の名古屋 - 名古屋貨物ターミナル間の第一種鉄道事業(貨物)が廃止。
  • 200810月23日:名古屋発の始発列車が出発直後に脱線事故を起こし、22時30分まで上下全線で運転を見合わせ。
  • 20107月:運営会社が約46億円の負債を表明し、破綻を避けるため事業再生ADRを申請。
  • 20173月10日:レゴランド・ジャパンの開業に合わせ、名古屋 - 金城ふ頭間でノンストップ列車の運行を開始。3月27日にはレゴランドをテーマとしたラッピング列車を運行。
  • 20223月12日:名古屋競馬場前駅を港北駅に改称(隣接する競馬場の移転に伴う)。

出典