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筑豊電気鉄道線

Chikuhō Electric Railroad Line

筑豊電気鉄道線(ちくほうでんきてつどうせん)は、福岡県の北九州市にある黒崎駅前駅と直方市の筑豊直方駅とを結ぶ、営業キロ16.0キロメートルのインターアーバン(都市間電車)である。運営するのは「筑鉄(ちくてつ)」の愛称で知られる筑豊電気鉄道で、西日本鉄道(西鉄)グループの子会社にあたる。日本の鉄道としては珍しく、軌間1,435ミリメートルの標準軌で建設され、電化方式は直流600ボルトと低く、全線が複線で、車両はすべて路面電車型である。これは、この路線が北九州の路面電車網を延長する形で生まれたことの名残である。

北九州直方市鞍手町遠賀町水巻町2 km
筑豊電気鉄道線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は、北九州の黒崎から筑豊の炭鉱地帯を経て福岡市へ至る鉄道を建設するという西鉄の構想の一部として計画された。西鉄はこの計画を実行するため、1951年2月15日に専業の会社として筑豊電気鉄道を設立した。直流600ボルトという低い電化方式と標準軌の線路が選ばれたのは、新線を既存の西鉄北九州線(同社の北九州市内の路面電車網)に直通させ、路面電車が市街を越えて筑豊地方へ乗り入れられるようにするためであった。

建設は北九州側から段階的に進められた。最初の区間である貞元(後に熊西と改称される駅)- 筑豊中間間が1956年3月21日に開業し、当初から西鉄北九州線の電車がこの区間に乗り入れた。路線は1958年4月29日に木屋瀬まで延伸され、1959年9月18日には現在の終点である筑豊直方に達して、会社が第1工区と定めた区間が竣工した。その後、沿線の発展に伴って途中駅が追加され、1963年に萩原、1964年に通谷、1965年に西山、1970年に今池の各駅が開業した。

直方から先、飯塚を経て福岡へ至る西への延伸計画は、ついに実現しなかった。八木山峠が大きな地形上の障害となり、必要となるトンネル建設は会社の資力を超えるものであったうえ、筑豊炭田の衰退とともにこの路線が本来もっていた目的も薄れていった。1971年7月、筑豊電気鉄道は未成区間である直方 - 飯塚 - 福岡市新堀町間の鉄道運輸営業の廃止を申請し、その免許は失効して、路線は筑豊直方を終点とすることが確定した。既存区間の貨物営業は、それに先立つ1968年7月に廃止されており、その際に貞元駅は熊西駅と改称されている。

開業からの最初の40年ほど、筑豊電気鉄道線は北九州の路面電車網の郊外側の末端として機能し、市内の街路から専用軌道の鉄道へと電車が直通していた。その仕組みは、西鉄北九州線が縮小され、最終的に廃止されることで終わりを迎えた。2000年11月26日に西鉄が北九州線の熊西 - 折尾間を廃止し、同じ日に筑豊電気鉄道が黒崎駅前 - 熊西間を第二種鉄道事業として自社で運営し始めたことで、筑鉄の電車は引き続き黒崎の終点まで乗り入れられるようになった。路面電車網との直通運転がこの路線の設計を規定してきたため、以後も一貫して路面電車型の車両が使われている。

その後の年月、鉄道は需要の減少に対応しつつ近代化を進めた。2013年1月から全線で駅ナンバリングが導入され、2015年3月1日には西鉄が保有していた第三種鉄道事業の区間が筑豊電気鉄道に譲渡されて事業主体が一本化され、同年3月14日には非接触式ICカードnimocaが全線に導入された。2016年3月12日のダイヤ改正からはワンマン運転が始まった。利用者の減少を反映して、日中の運転間隔は2021年3月に12分から15分へ、2023年11月にはさらに20分へと広げられ、また西黒崎駅は国道3号黒崎バイパスの建設に伴い2021年10月1日から営業を休止している。

今日、この路線は路面電車型の車両で運行されているにもかかわらず、軌道法による軌道ではなく鉄道事業法による鉄道として扱われ、公道と共用する区間はまったくない。にぎやかな黒崎の乗換駅から筑豊直方へと走るこの路線は、かつては福岡まで達することを意図された経路をたどりながら、今なお北九州西部と筑豊地方を結ぶ主要な鉄道として、地域輸送と通勤輸送を担っている。

年表

  • 19512月15日:黒崎 - 筑豊 - 福岡間の鉄道建設のため、西鉄の子会社として筑豊電気鉄道が設立される。
  • 19563月21日:最初の区間、貞元(現:熊西) - 筑豊中間間が開業し、西鉄北九州線の電車が乗り入れる。
  • 195610月15日:森下駅・東中間駅が開業。
  • 19584月29日:筑豊中間 - 木屋瀬間が延伸開業。
  • 19599月18日:木屋瀬 - 筑豊直方間が延伸開業し、第1工区が竣工する。
  • 19687月:貞元 - 筑豊直方間の貨物営業を廃止し、貞元駅を熊西駅に改称。
  • 19717月:未成線の筑豊直方 - 福岡間の運輸営業廃止を申請し、免許が失効する。
  • 19908月1日:ダイヤ改正により、日中の楠橋折り返しを筑豊直方まで延伸する。
  • 200011月26日:西鉄が北九州線熊西 - 折尾間を廃止し、同日、筑豊電気鉄道が黒崎駅前 - 熊西間を第二種鉄道事業として開業する。
  • 20131月28日:全駅で駅ナンバリングを順次導入する。
  • 20153月1日:西鉄の第三種鉄道事業区間が筑豊電気鉄道に譲渡される。3月14日:全線にnimocaを導入。
  • 20163月12日:ダイヤ改正により、ワンマン運転を開始する。
  • 20213月13日:日中の運行間隔を12分から15分に変更。10月1日:国道3号黒崎バイパス工事のため西黒崎駅の営業を休止する。
  • 202311月11日:日中の運転間隔を15分から20分に変更する。

出典