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智頭線

Chizu Line

智頭線(ちずせん)は、智頭急行(ちずきゅうこう)が運営する営業キロ56.1キロメートルの鉄道路線で、兵庫県の上郡駅から岡山県の一角を経て鳥取県の智頭駅までの3県にまたがって走る。智頭急行唯一の路線であり、軌間1,067ミリメートルの単線・非電化で、自動閉塞式により信号され、最高速度130キロメートル毎時で走れるよう建設されている。智頭急行自身は普通列車のみを運行しているが、この高規格の路線によって西日本旅客鉄道(JR西日本)が高速の特急列車を直通させることができ、智頭線は関西地方と鳥取を結ぶ重要な短絡路となっている。

美作市宍粟市和気町奈義町10 km
智頭線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線の構想は長い歴史を持つ。1922年の改正鉄道敷設法に予定線として記載され、1961年に調査線、1962年に工事線として採択された。1964年には運輸大臣が建設の基本計画を定めて日本鉄道建設公団に工事の実施を指示し、1966年に工事実施計画が認可されると、同年5月29日に起工式が行われ、6月21日に智頭線の建設が始まった。当時の日本国有鉄道(国鉄)の建設線として手厚い規格で造られ、5,592メートルの志戸坂トンネルをはじめとする長大トンネルを擁して、険しい地形を貫いて建設された。

工事は完成を前に中断された。国鉄再建法の施行に伴い、1980年12月27日に建設が凍結された。英語版ウィキペディアの記述によれば、この時点で用地の約95%が取得され、土工の約93%が完成していたという。ほぼ完成していた路線を放棄せず、地元の関係者は第三セクター鉄道として完成させる方向に動いた。鳥取県が運営会社の設立を後押しし、1986年5月31日に智頭鉄道株式会社として設立された。同年12月に運輸大臣が地方鉄道事業の免許を交付し、再建法の特例規定に基づいて1987年1月27日に建設が再開された。

完成に近づくにつれ、計画は高速運転対応へと格上げされた。1991年11月に高速化対応の事業基本計画変更が認可され、接続するJR西日本因美線区間の関連改良も認可されて、1992年3月12日に高速化対応工事が始まった。工事には代償も伴った。1992年4月2日、平福駅付近で6両編成の工事用列車に別の工事用列車が衝突し、作業員3名が圧死した。全線のレール敷設は、1994年6月23日に大原駅構内で行われたレール締結式をもって完了した。会社自体も開業の直前、1994年6月17日に智頭急行株式会社へと商号を変更した。

智頭線は1994年12月3日に開業した。開業初日からJR西日本の新しい特急「スーパーはくと」が当線を走り、開業時は3往復に加えて臨時の「はくと」1往復と普通17往復が設定され、この路線を高速の短絡路として用いることで関西の諸都市と鳥取の間の所要時間を大幅に短縮した。開業は他所での混乱と重なった。1995年1月17日の阪神・淡路大震災によりすべての特急列車が運休となり、姫路 - 鳥取間の運転は1月23日に再開、東海道本線・山陽本線が復旧した1995年4月1日に通常運転が再開された。

その後、直通運転は当線の関西 - 山陰を結ぶ動脈としての役割をいっそう深めた。1996年3月16日のダイヤ改正から「スーパーはくと」「はくと」が京都発着となり、1997年11月29日には京阪神方面の特急がすべてHOT7000系使用の「スーパーはくと」となって、1日6往復・全車にグリーン車を連結する形となった。同じ改正で岡山 - 鳥取間に当線経由の特急「いなば」が新設され、2003年10月1日にはキハ187系に置き換えられて「スーパーいなば」と改称、5往復に増発された。

現在も智頭線は智頭急行の屋台骨であり、重要な高速連絡路として、JR西日本の「スーパーはくと」を京都・大阪方面と鳥取の間で、「スーパーいなば」を岡山と鳥取の間で運び、あわせて智頭急行自身の普通列車も走らせている。荒天により路線が分断されることもあり、2009年8月の台風第9号による豪雨で一部区間が不通となり、2009年8月29日に通常運転が再開された。また、ICカード乗車券ICOCAが2027年春に上郡・佐用・大原・智頭の各駅へ導入される予定である。

年表

  • 1922改正鉄道敷設法第85号に予定線として記載される。
  • 1962鉄道建設審議会により工事線として採択される(1961年に調査線として採択)。
  • 19665月29日:起工式を開催。6月21日:日本鉄道建設公団により智頭線の建設に着工。
  • 198012月27日:国鉄再建法施行に伴い工事凍結。
  • 19865月31日:鳥取県の後押しにより智頭鉄道株式会社として設立。12月25日:運輸大臣から地方鉄道事業の免許状を交付。
  • 19871月27日:再建法の特例に基づき智頭線建設工事を再開。
  • 199111月19日:高速化対応の事業基本計画変更を認可。JR西日本因美線区間の鉄道施設変更も認可。
  • 19923月12日:高速化対応工事に着手。4月2日:平福駅付近で6両編成の工事用列車に別の工事用列車が衝突し、作業員3名が圧死。
  • 19946月17日:智頭急行株式会社に商号変更。6月23日:大原駅で全線のレール敷設を完了。12月3日:智頭線が開業し、初日からJR西日本の特急「スーパーはくと」3往復・普通17往復が運転。
  • 19951月17日:阪神・淡路大震災で全特急が運休。1月23日に姫路 - 鳥取間で運転再開、4月1日に東海道・山陽本線復旧で通常運転再開。
  • 19963月16日:ダイヤ改正により「スーパーはくと」「はくと」が京都駅発着となる。
  • 199711月29日:京阪神方面の特急がすべてHOT7000系「スーパーはくと」6往復・全車グリーン車連結となる。岡山 - 鳥取間にキハ181系特急「いなば」が運転開始(2003年10月1日にキハ187系化のうえ「スーパーいなば」と改称、5往復に増発)。
  • 20098月10日:平成21年台風第9号の豪雨で一部区間が不通となる。8月29日に通常運転再開。

出典