歴史
この路線は鉄道としてではなく、軽便な軌道として始まった。1909年(明治42年)12月6日、大日本軌道浜松支社が浜松 - 鹿島間を軌間762ミリメートルで開業した。地元の事業者が再編されるなかで経営は移り変わり、1919年(大正8年)10月12日に路線は遠州軌道へ譲渡され、1921年(大正10年)8月23日には遠州軌道が遠州電気鉄道へと社名を変更した。
決定的な改良は1920年代に訪れた。1923年(大正12年)4月1日、浜松 - 鹿島間の軌道線は廃止され、地方鉄道法に基づく鉄道線として開業し、軌間は762ミリメートルから1,067ミリメートルに変更されて電化された(当初は直流600ボルト)。同年7月には旧来の軌道線路の撤去工事が完了した。続いて市街地側で延伸が行われ、1924年(大正13年)2月1日に遠州馬込 - 遠州浜松間が貨物運輸として開業し、1927年(昭和2年)9月1日には旭町(のちに新浜松と改称され、現在も南側の起点である駅)まで達した。
北側の終点と会社そのものは、その後の数年で現在の形を整えていった。1938年(昭和13年)3月1日、遠州二俣駅が移転して西鹿島駅と改称され、路線の北端が定まった。1943年(昭和18年)11月1日には、遠州電気鉄道など6社の合併によって現在の遠州鉄道が発足した。路線名はその後も繰り返し変わり、1947年(昭和22年)5月1日に二俣電車線、1964年(昭和39年)11月1日に西鹿島線となり、やがて単に鉄道線と称されるようになった。
1950年代から1960年代にかけて、路線は運行面で近代化した。1953年(昭和28年)1月8日に急行の運転が始まり、同年8月1日には旭町駅が新浜松駅と改称された。1958年(昭和33年)11月1日からは同鉄道の気動車が国鉄二俣線への直通運転を開始し、この直通は1961年(昭和36年)5月16日に遠州森駅まで延長されたのち、1966年(昭和41年)10月1日に廃止された。1961年(昭和36年)11月21日には架線電圧が600ボルトから750ボルトに昇圧され、これが現在も用いられている。
信号設備と施設は1960年代後半以降に更新されていった。集中列車制御(CTC)は1967年(昭和42年)12月22日に遠州八幡 - 西鹿島間で導入され、1974年(昭和49年)3月20日には新浜松 - 遠州八幡間にも拡大された。貨物営業は1976年(昭和51年)4月1日に廃止され、遠州浜松駅は信号場へと格下げされた。大規模な連続立体交差事業は1980年(昭和55年)12月11日に着工し、1985年(昭和60年)12月1日には新浜松 - 遠鉄浜松間の高架新線が開業した。さらに2011年(平成23年)10月、2012年(平成24年)11月にも高架化が進められた。
近年の赤電は、運賃収受の技術と旅客サービスに力を注いできた。1979年(昭和54年)4月には音声合成装置による自動放送とBGMサービスが導入され、同鉄道はプリペイドやICによる運賃方式を次々と取り入れて、2004年(平成16年)8月20日にはICカード「ナイスパス」を全駅で本格導入した。2025年(令和7年)には非接触決済を加え、3月1日からクレジットカードのタッチ決済を、6月11日からはMastercardの利用を可能とした。今日も路線は高頻度で全駅に停車する都市鉄道として浜松の市街を北へ貫いており、その赤い電車は長年にわたって街の風物となっている。
年表
- 190912月6日:大日本軌道浜松支社が浜松 - 鹿島間を軌間762mmの軌道として開業。
- 191910月12日:路線が遠州軌道へ譲渡される。
- 19218月23日:遠州軌道が遠州電気鉄道に社名変更。
- 19234月1日:浜松 - 鹿島間の軌道線を廃止し、地方鉄道法に基づく鉄道線として開業。軌間を1,067mmに変更し電化(当初は直流600V)。
- 19242月1日:遠州馬込 - 遠州浜松間が貨物運輸として開業。
- 19279月1日:旭町(のちの新浜松)- 遠州馬込間が開業し、現在の南側の起点に達する。
- 19383月1日:遠州二俣駅を移転し西鹿島駅と改称(現在の北側の終点)。
- 194311月1日:遠州電気鉄道など6社の合併で現在の遠州鉄道が発足。
- 19475月1日:二俣電車線に改称。
- 19531月8日:急行の運転を開始。8月1日には旭町駅を新浜松駅に改称。
- 195811月1日:気動車が国鉄二俣線への直通運転を開始(1961年5月16日に遠州森駅まで延長、1966年10月1日に廃止)。
- 196111月21日:架線電圧を600Vから750Vに昇圧。
- 196411月1日:西鹿島線に改称。
- 196712月22日:遠州八幡 - 西鹿島間でCTCを導入(1974年3月20日に新浜松 - 遠州八幡間へ拡大)。
- 19764月1日:貨物営業を廃止し、遠州浜松駅を信号場に変更。
- 198512月1日:新浜松 - 遠鉄浜松間の高架新線が開業(連続立体交差事業は1980年12月11日着工)。2011年10月・2012年11月にも高架化。
- 20048月20日:ICカード「ナイスパス」を全駅で本格導入。
- 20253月1日:クレジットカードのタッチ決済に対応。6月11日からMastercardが利用可能に。
出典
事実確認日:2026年6月15日