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越美南線

Etsumi-Nan Line

越美南線(えつみなんせん)は、岐阜県美濃加茂市の美濃太田駅から岐阜県郡上市の北濃駅に至る、営業キロ72.1キロメートルのローカル鉄道路線で、第三セクターの長良川鉄道(ながらがわてつどう)が運営している。美濃加茂市の美濃太田駅を起点に北上して郡上市の北濃駅へ至り、38の駅を有し、その大半の区間で長良川の谷沿いを走る。全線が単線、軌間は1,067ミリメートルの狭軌で、非電化、最高速度は80キロメートル毎時である。長良川鉄道が運営する唯一の鉄道路線であり、もとは日本国有鉄道(国鉄)の路線であった。

越美南線の路線図 · 県境: 国土数値情報(国交省)

歴史

この路線は、全通を果たせなかった幹線・越美線の南半分として始まった。越美線は、岐阜県の美濃地方と福井県の越前地方とを結び、長良川の谷を通って日本海側に達することを目指した路線であった。建設は美濃太田側から始められ、最初の区間である美濃太田駅 - 美濃町駅(現在の美濃市駅)間が1923年(大正12年)10月5日に開業した。その後、鉄道省は数年をかけて段階的に路線を北へと延ばしていった。

鉄道は1920年代から1930年代初頭にかけて短い区間ごとに谷を遡って延伸され、1926年に板取口駅(現在の湯の洞温泉口駅)、1929年に郡上八幡駅、1933年に美濃白鳥駅へと達し、1934年8月16日に美濃白鳥駅 - 北濃駅間が開業して現行の越美南線が全通した。北濃駅から先にも短い線路が敷かれたものの、それ以上の工事は行われず、福井県側から建設された対となる路線である越美北線(「越美北線」)との接続は実現せず、両線は今日に至るまで結ばれていない。

国鉄時代には、その後の数十年で途中駅が増設されていった。1950年代には、のちに八坂・福野・赤池と改称される各駅をはじめ、加茂野・関口の各駅が1952年に、徳永・万場・大島の各駅が1955年に開業し、のちに洲原と改称される駅が1957年に開業した。1930年にはマイル表示からキロメートル表示への変更が行われた。1966年からは名古屋へ直通する急行「おくみの」が、名古屋 - 美濃太田間で高山本線の急行に併結されて運行されたが、1969年に越美南線内では普通列車に格下げされ、1982年には名古屋直通が廃止された。全線の貨物営業は1974年10月1日に廃止された。

国鉄の分割民営化を控え、越美南線は、輸送量が少ないために廃止または転換の対象とされる特定地方交通線に指定され、1984年6月22日に第2次特定地方交通線として廃止が承認された。しかし地元自治体は、路線を廃止せず新たな第三セクター会社のもとで存続させることを決めた。1986年8月28日に長良川鉄道が設立され、同年12月11日に国鉄越美南線(72.2キロメートル)が廃止されて、同日、長良川鉄道越美南線(72.1キロメートル)として開業した。営業キロがわずかに短くなったのは、二日町 - 北濃間の再測定によるものである。

転換に際しては、多くの駅の改称と新駅の開業が行われた。前平公園・関富岡・自然園前など6駅が転換当日に開業し、既存の多くの駅が現在の名称に改められた。長良川鉄道のもとでも途中駅の増設は続き、1987年に梅山・上万場、1988年に白山長滝、1999年に関市役所前・松森、2002年にみなみ子宝温泉の各駅が開業して、駅数は転換時の26から38へと増えた。並行する名鉄美濃町線の新関 - 美濃間が1999年に廃止された後は、越美南線が関 - 美濃市間に駅を増設し、同線の地域輸送の一部を肩代わりするようになった。

長良川沿いの車窓の美しいこの路線は、観光客に人気を集めている。開放的なトロッコ列車が1992年から運転されたが、2003年に牽引する機関車が脱線事故を起こして以降は廃止された。2016年4月27日からは、水戸岡鋭治がデザインした観光列車「ながら」が運転され、美濃太田駅 - 北濃駅間の列車で沿線の食材を使った料理を提供している。今日では、区間運転を含めると1日24往復以上が運行されており、これは国鉄時代よりも多く、越美南線は長良川上流の谷を貫く生活の足であり続けている。

年表

  • 192310月5日:鉄道省(国鉄)が越美南線の最初の区間、美濃太田駅 - 美濃町駅(現在の美濃市駅)間(約17.7km)を開業。
  • 19267月15日:美濃町駅 - 板取口駅(現在の湯の洞温泉口駅)間が開業。
  • 192912月8日:深戸駅 - 郡上八幡駅間が開業し、郡上八幡に到達。
  • 19327月9日:郡上八幡駅 - 美濃弥富駅(現在の郡上大和駅)間が開業。
  • 19337月5日:美濃弥富駅 - 美濃白鳥駅間が開業。
  • 19348月16日:最終区間の美濃白鳥駅 - 北濃駅間が開業し、現行の越美南線が全通。
  • 1952途中駅が増設され、のちに八坂・福野・赤池と改称される各駅、および加茂野・関口の各駅が開業。
  • 197410月1日:全線の貨物営業が廃止される。
  • 19846月22日:第2次特定地方交通線として廃止が承認される。
  • 198612月11日:国鉄越美南線(72.2km)が廃止され、同日に長良川鉄道越美南線(72.1km)として開業。多くの駅が改称され、新駅も複数開業(長良川鉄道は同年8月28日に設立)。
  • 19879月21日:梅山駅・上万場駅が開業。
  • 19888月6日:白山長滝駅が開業。
  • 19924月29日:トロッコ列車の運転を開始(2003年の脱線事故後に廃止)。
  • 19994月1日:関市役所前駅・松森駅が開業。同年、並行する名鉄美濃町線の新関 - 美濃間が廃止される。
  • 20024月4日:みなみ子宝温泉駅が開業し、路線は38駅となる。
  • 20164月27日:水戸岡鋭治がデザインした観光列車「ながら」が美濃太田駅 - 北濃駅間で運転を開始。

出典