歴史
この鉄道は、両端から別々に建設された二つの路線が、数十年を経てようやくつながって成立したものである。秋田側では、官設鉄道が最初の区間として能代(初代、のちの機織)と能代町貨物取扱所の間を1908年7月1日に開業し、能代 - 能代町間の旅客営業は1908年10月15日に始まった。国有鉄道の線路名称が1909年10月12日に制定された際、この短い区間は能代線と名づけられた。その翌月の1909年11月1日には、能代駅(初代)が機織駅に、能代町駅が能代駅(2代)に改称された。
この拠点から、能代線は海岸沿いを段階的に北へ延ばされていった。1926年4月26日に椿まで、同年11月24日に岩館まで、1930年12月26日に大間越まで、1932年10月14日に陸奥岩崎まで延伸された。各延伸はいずれも、今日この路線に独特の性格を与えている険しい日本海の海岸線に沿って線路をさらに先へと進めるものであった。
青森側は私鉄として始まった。陸奥鉄道が川部 - 五所川原間を1918年9月25日に開業した。続いて鉄道省が五所川原から陸奥森田まで五所川原線として1924年10月21日に開業し、1925年5月15日に鰺ケ沢まで延伸した。1927年6月1日には陸奥鉄道が買収されて五所川原線に編入され、青森側の全区間が国有となった。
その後、鰺ケ沢から海岸沿いに建設が続けられ、1929年11月26日に陸奥赤石まで、1931年10月20日に北金ケ沢まで、1933年11月5日に大戸瀬まで、1934年12月13日に深浦まで延伸された。1935年4月15日にはガソリンカーの運転が始まった。二つの路線は、陸奥岩崎 - 深浦間が1936年7月30日に開業したことでようやく結ばれた。この開業により全線が貫通し、統合された路線は五能線と改称され、その名称が現在まで使われている。線名は、路線が結んだ二つの主要な町である五所川原と能代の文字を組み合わせたものである。
この路線は、海沿いの露出した線形のため、これまで何度も自然災害に見舞われてきた。1983年5月26日の日本海中部地震では運転が中止され、各区間は同年の5月下旬から6月中旬にかけて順次運転を再開した。大雨による不通も繰り返し発生しており、2014年8月6日には岩館 - 大間越間の路盤盛り土が流出し、2022年8月9日の大雨では能代 - 弘前間が運休、2023年7月15日の大雨では東能代 - 鰺ケ沢間が終日運休となった。
日本国有鉄道時代の1986年には列車集中制御装置(CTC)が導入され、1987年4月1日の国鉄分割民営化により五能線はJR東日本に承継され、同社秋田支社が管轄している。この路線でもっともよく知られた列車は観光列車「リゾートしらかみ」で、1997年4月1日に運転を開始した。東能代を経由して秋田と青森・弘前の間を五能線経由で走り、海岸の風景や、その名の由来となった白神山地の一帯を巡る。リゾートしらかみは、青池編成・くまげら編成・橅(ブナ)編成という設備の異なる3編成で運行され、このうち青池編成と橅編成にはハイブリッド気動車のHB-E300系が、くまげら編成にはキハ40系が使用されている。普通列車は気動車で運行され、キハ40・キハ48形は2021年に五能線の定期運用を終え、2020年12月12日から営業運転を始めたGV-E400系が、リゾートしらかみに使われるHB-E300系・キハ40系とともに運行されている。
年表
- 19087月1日:官設鉄道が能代(初代)- 能代町貨物取扱所間を開業。10月15日に能代 - 能代町間の旅客営業を開始。
- 190910月12日:国有鉄道線路名称制定により能代線とする。11月1日、能代駅(初代)を機織駅に、能代町駅を能代駅(2代)に改称。
- 19189月25日:青森側で、私鉄の陸奥鉄道が川部 - 五所川原間を開業。
- 192410月21日:鉄道省が五所川原 - 陸奥森田間を五所川原線として開業。
- 19255月15日:五所川原線が陸奥森田 - 鰺ケ沢間を延伸開業。
- 19264月26日:能代線が椿まで延伸開業。11月24日に岩館まで延伸開業。
- 19276月1日:陸奥鉄道を買収し五所川原線に編入。
- 192911月26日:五所川原線が鰺ケ沢 - 陸奥赤石間を延伸開業。
- 193012月26日:能代線が岩館 - 大間越間を延伸開業。
- 193110月20日:五所川原線が陸奥赤石 - 北金ケ沢間を延伸開業。
- 193210月14日:能代線が大間越 - 陸奥岩崎間を延伸開業。
- 193311月5日:五所川原線が北金ケ沢 - 大戸瀬間を延伸開業。
- 193412月13日:五所川原線が大戸瀬 - 深浦間を延伸開業。
- 19354月15日:ガソリンカー運転開始。
- 19367月30日:陸奥岩崎 - 深浦間を延伸開業し全通、五能線と線名改称。
- 19835月26日:日本海中部地震により運転中止。各区間は5月下旬から6月中旬にかけて順次運転を再開。
- 1986列車集中制御装置(CTC)を導入。
- 19874月1日:国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道(JR東日本、秋田支社管轄)が承継。
- 19974月1日:観光列車「リゾートしらかみ」運転開始(秋田 - 青森・弘前間)。
- 202012月12日:GV-E400系気動車が当線で営業運転を開始。
- 2021キハ40・キハ48形気動車が当線の定期運用を終了。
出典
事実確認日:2026年6月14日