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花輪線

Hanawa Line

花輪線(はなわせん)は、岩手県盛岡市にある好摩駅から秋田県大館市にある大館駅を結ぶ、営業キロ106.9キロメートルの東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線である。駅数は27、軌間1,067ミリメートルの狭軌で、全線単線・全線非電化であり、気動車によって最高速度85キロメートル毎時で運転される。八幡平・十和田の高原に近い本州北部の山地を横断し、「十和田八幡平四季彩ライン」の愛称を持ち、JR東日本では地方交通線に区分されている。松尾八幡平 - 安比高原間には33.3パーミルの最急勾配があり、奥羽山脈を越える急勾配の景勝路線である。

花輪線の路線図 · 県境: 国土数値情報(国交省)

歴史

この路線は一つの事業として建設されたのではなく、両端から建設が進められて後に接続したという珍しい成り立ちを持つ。先に開業したのは大館側で、私鉄の秋田鉄道が1912年に最初の免許を得たのち、1914年7月1日に大館から扇田までを開業し、その後年を追って内陸へと延ばしていった。一方、好摩側は国が軽便鉄道法により計画した区間で、官設の「花輪線」として1922年から順次開業し、西へと進んで1931年に陸中花輪で秋田鉄道に接続した。

秋田鉄道は大館から東へ段階的に線路を延ばした。1915年1月19日に扇田 - 大滝温泉間、同年末までに毛馬内方面まで貨物で延伸し旅客営業は1916年1月5日に開始、そして1923年11月10日に毛馬内 - 陸中花輪間を開業して私鉄線を全通させた。官設の花輪線は好摩側から建設を進め、1922年8月27日に好摩 - 平館間、続いて平館 - 赤坂田間(1926年)、赤坂田 - 荒屋新町間(1927年)、荒屋新町 - 田山間(1929年)を開業した。

二つの区間は1931年10月17日に結ばれた。この日、官設線が田山から、秋田鉄道が既に駅を設けていた陸中花輪まで延伸されたのである。これにより路線は一本の直通ルートとなり、1934年6月1日には秋田鉄道が買収・国有化のうえ花輪線に編入され、東北地方を横断する東西の鉄道として完成した。国はこの旧私鉄会社の車両、すなわち機関車5両・ガソリンカー6両・客車16両・貨車23両を引き継いだ。

国有化後、路線は次第に近代化され、列車も改称されていった。気動車(ディーゼルカー)の運転は1959年3月1日に始まり、蒸気運転は1971年9月30日の8620形の運用終了をもって終わり、全線が無煙化された。1960年代から1970年代にかけては「よねしろ」「はちまんたい」「みちのく」などの急行・準急列車が当線を走り、また並行する東北本線が不通となった際には特急「はつかり」などの迂回路としても使われ、1968年の十勝沖地震の際にもその措置がとられた。

全線の貨物営業は1984年2月1日に廃止された。1987年4月1日の国鉄分割民営化により、花輪線は東日本旅客鉄道に承継された。その後数年のうちにいくつかの駅が改称され、1988年3月13日に岩手松尾駅が松尾八幡平駅に、龍ヶ森駅が安比高原駅に、1995年12月1日に湯瀬駅が湯瀬温泉駅に、陸中花輪駅が鹿角花輪駅に改められた。

東端の接続は2002年12月1日に変化した。東北本線の盛岡 - 目時間が第三セクターのIGRいわて銀河鉄道に移管されたことに伴い、それまで東北本線へ直通していた花輪線の列車はいわて銀河鉄道線への直通運転に変更され、急行「よねしろ」は廃止された。路線は1999年末までに特殊自動閉塞化とCTC化が順次進められた。

この地域の多くのローカル線と同様に、花輪線も自然災害によってたびたび分断されてきた。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震で運転が止まり、2013年8月の豪雨でも再び不通となった。2022年8月13日の大雨では鹿角花輪 - 大館間で計54箇所の被害が発生して同区間が不通となり、全線の運転再開は2023年5月14日であった。さらに2025年8月20日の豪雨で同区間が再び不通となり、直通運転は2025年9月26日に再開された。花輪線は今なお利用の少ない地方路線であり、その存続は沿線自治体による利用促進の取り組みの対象となっている。

年表

  • 19147月1日:私鉄の秋田鉄道が、後の花輪線の大館(秋田)側で最初の区間である大館 - 扇田間を開業。
  • 19151月19日:秋田鉄道が扇田 - 大滝温泉間を延伸開業。12月25日には毛馬内まで(貨物)延伸。
  • 19161月5日:秋田鉄道の大滝温泉 - 毛馬内間で旅客営業を開始。
  • 19228月27日:好摩(岩手)側で、官設の花輪線として好摩 - 平館間が新規開業。
  • 192311月10日:秋田鉄道が毛馬内 - 陸中花輪間を延伸開業し、私鉄線が全通。
  • 192910月25日:官設花輪線が荒屋新町 - 田山間を延伸開業(1926年の平館 - 赤坂田間、1927年の赤坂田 - 荒屋新町間に続く)。
  • 193110月17日:田山 - 陸中花輪間が延伸開業して秋田鉄道と接続し、好摩 - 大館間の直通ルートが完成。
  • 19346月1日:秋田鉄道を買収・国有化し花輪線に編入。東北横断ルートとして完成し、機関車5両・ガソリンカー6両・客車16両・貨車23両を引き継ぐ。
  • 19593月1日:気動車(ディーゼルカー)の運転を開始。
  • 19719月30日:8620形蒸気機関車の運用終了にともない無煙化。
  • 19842月1日:全線の貨物営業を廃止。
  • 19874月1日:国鉄分割民営化にともない東日本旅客鉄道が承継。
  • 19883月13日:岩手松尾駅を松尾八幡平駅に、龍ヶ森駅を安比高原駅に改称。
  • 199512月1日:湯瀬駅を湯瀬温泉駅に、陸中花輪駅を鹿角花輪駅に改称。
  • 200212月1日:東北本線盛岡 - 目時間がIGRいわて銀河鉄道に移管され、花輪線の列車は東北本線との直通からいわて銀河鉄道線への直通に変更。急行「よねしろ」廃止。
  • 20228月13日:大雨により鹿角花輪 - 大館間で計54箇所の被害が発生し不通。全線運転再開は2023年5月14日。
  • 20258月20日:大雨により鹿角花輪 - 大館間で線路設備が流出し不通。同区間の運転再開は9月26日。

出典