JR線·約3分で読めます

羽島線

Meitetsu Hashima Line

羽島線(はしません)は、名古屋鉄道(名鉄)が運営する、岐阜県羽島市内を走る全長1.3キロメートルの短い鉄道路線である。江吉良駅から新羽島駅までを結び、軌間1,067ミリメートルの狭軌、直流1,500ボルトで電化された全線単線・2駅の通勤路線で、名鉄の路線網と東海道新幹線とを結ぶことを主たる存在意義としている。終点の新羽島駅は岐阜羽島駅に隣接しており、路線は竹鼻線の延長として運行される。最高速度は70キロメートル毎時で、日常的にはほとんどの列車が江吉良駅止まりではなく竹鼻線と直通運転している。

羽島市輪之内町安八町2 km
羽島線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は、JR(および前身の国鉄)の在来線や他の私鉄が乗り入れていなかった新幹線の岐阜羽島駅と岐阜市方面とを連絡する目的で建設された。さらに競争上の動機もあり、この計画は近畿日本鉄道(近鉄)による羽島・岐阜方面への進出計画に対抗する意味合いも持っていた。近鉄は1961年(昭和36年)、養老線を岐阜へ延伸する構想を応用した、大垣と岐阜羽島駅を結ぶ新線を発表し、将来的には岐阜市内への延伸も視野に入れていた。

一方の名鉄は、岐阜市内と羽島・大垣・養老を結ぶモノレールを構想しており、近鉄の動きを察知して計画の具体化を進めた。このモノレール構想とは別に、竹鼻線の江吉良駅(当時は休止中の駅)から岐阜羽島駅へ至る普通鉄道による連絡線が「羽島新線」として計画され、1963年(昭和38年)5月に免許を取得した。近鉄の計画は羽島新線の認可によって申請見送りとなり、これと競合した岐阜市のモノレール計画も1975年(昭和50年)に凍結されたため、岐阜羽島駅と岐阜市方面を結ぶ路線は羽島新線一本に絞られた。

当初は1964年(昭和39年)の岐阜羽島駅開業に合わせて建設される予定だった。しかし新駅の開業に伴って沿線の開発が計画されていたため、名鉄による用地買収と自治体の土地区画整理事業が競合し、交渉は難航した。名鉄自身も豊田新線、知多新線、栄乗り入れのための瀬戸線改良といった複数の計画を同時に進めており、それらと比べて優先度の低かった羽島新線の建設は遅れていった。

結局、この路線は免許取得から12年後に着工し、建設に7年の歳月を要した。工事は1975年(昭和50年)12月に始まったが、用地買収が難航したため本格的な工事が始まったのは1978年(昭和53年)3月のことであり、路線がようやく開業したのは1982年(昭和57年)12月11日であった。正式名称は開業時より羽島線だったが、その後しばらくは羽島新線とも称されていた。新線であるため、距離に基づく運賃に加えて別途わずかな加算運賃が徴収される。

運行面では、羽島線はすべて竹鼻線と一体的に運行されており、列車は笠松駅と新羽島駅の間をおおむね30分間隔(朝夕は毎時3本)で運行している。もともとは名古屋本線へ直通する列車もあったが、名鉄岐阜への直通運転はのちに朝のごく一部の列車にまで減り、利用客は一般に笠松駅で乗り換える。2001年に竹鼻線の江吉良駅以南の区間が廃止されると、かつての分岐は解消され、竹鼻線のほぼ全列車が羽島線へ直通するようになった。江吉良駅・新羽島駅はいずれも列車交換設備のない無人駅で、路線は江吉良駅を出るとすぐ高架に上がり新羽島駅まで高架区間が続くため、踏切は江吉良駅付近にしか存在しない。

開業後はいくつかの変化があった。2002年(平成14年)1月3日には新羽島駅で電車衝突事故が発生した。2005年(平成17年)1月29日には1時間あたりの運行本数が2本から4本に増発され、2007年(平成19年)12月14日にはトランパスが導入された。2019年(平成31年)4月1日には新羽島駅にエレベーターと多目的トイレが設置され、バリアフリー化された。なお、この路線は新幹線へのアクセス路線として構想されたものの、岐阜羽島駅は「のぞみ」が通過し発着本数も比較的少ないため、羽島線は新幹線利用者よりも地元の通勤・通学客に多く利用されているとされる。

年表

  • 19621月、名鉄が羽島新線の建設計画を指示する。
  • 19635月、名鉄が羽島新線の免許を取得する。
  • 197512月、着工する。同年、競合していた岐阜市のモノレール計画が凍結される。
  • 19783月、用地買収の難航を経て、本格的な工事がようやく始まる。
  • 198212月11日、江吉良 - 新羽島間で羽島線が開業する(同年10月に完成)。
  • 20021月3日、新羽島駅で電車衝突事故が発生する。
  • 20051月29日、1時間あたりの運行本数が2本から4本に増発される。
  • 200712月14日、トランパスが導入される。
  • 20194月1日、新羽島駅にエレベーターと多目的トイレが設置され、バリアフリー化される。

出典