歴史
この路線の起源は、1920年代の戦前の地下鉄計画にさかのぼる。1925年、内務省告示第56号により計画された5路線の一つとして、当時「2号線」と称する路線が、目黒 - 南千住間をおよそ16.1キロメートルの地下線で結ぶものとして構想された。東京市は路線免許を取得したが、多額の公債を抱えていたため建設の認可を得られず、その後の工事は行われなかった。1941年には、東京市の地下鉄免許は新たに設立された帝都高速度交通営団(営団)に引き継がれた。
第二次世界大戦後、計画は改訂された。1946年12月、戦災復興院が2号線の計画を改めて告示し、これを受けて営団は1949年に事業免許を変更した。1957年の都市交通審議会答申に基づき、営団は1957年5月18日に、計画中の2号線(日比谷線)と計画中の4号線(現在の丸ノ内線の一部)を建設することを決定した。基本計画は南西部の中目黒と北東部の北越谷を結ぶものであったが、北東側の全区間は建設されなかった。並行する東武鉄道が輸送力増強のために複々線化を行ったためである。
日比谷線は、銀座線・丸ノ内線・都営浅草線に次ぐ、東京で4番目に建設された地下鉄路線であった。建設は1959年に始まり、路線は段階的に開業した。最初の区間である南千住 - 仲御徒町間(3.7キロメートル)が1961年3月28日に開業した。1962年5月31日には北千住 - 南千住間(2.1キロメートル)と仲御徒町 - 人形町間(2.5キロメートル)が開業し、東武伊勢崎線の北越谷駅まで相互直通運転が始まった。人形町 - 東銀座間(3.0キロメートル)は1963年2月28日に続いた。
南西側の半分は1964年に開業した。霞ケ関 - 恵比寿間(6.0キロメートル)が3月25日に、恵比寿 - 中目黒間(1.0キロメートル)が7月22日に開業した。最後の都心部の区間である東銀座 - 霞ケ関間(1.9キロメートル)は1964年8月29日に開業して全線が開通し、1964年の東京オリンピックのわずか数週間前に直通運転路線が完成した。東急東横線の日吉駅までの相互直通運転も同日に始まった。これは営団にとって大きな成功であった。同じくオリンピックに間に合わせる予定であった都営浅草線が工期に遅れ、大会期間中ずっと建設中のままであったからである。
日比谷線は、1995年3月20日の地下鉄サリン事件で被害を受けた路線の一つであり、営団路線の中で最も大きな被害を受け、終日運休となった。2000年3月8日には、中目黒駅付近で日比谷線の列車が脱線して対向列車と衝突し、乗客5人が死亡した。これは営団時代に発生した事故の中で唯一、乗客に死者が出た事故であり、ほかにも多数の負傷者を出した。路線・駅・車両は、2004年4月1日に帝都高速度交通営団が民営化された際に東京地下鉄へ引き継がれた。
東急東横線との相互直通運転は2013年3月16日に終了し、同日から東武側の直通運転区間が東武日光線を経て南栗橋駅まで延長された。20メートル級・片側4ドア・7両編成の新型車両である東京メトロ13000系が2017年3月25日から本格的に営業運転を開始した。2020年6月6日には、神谷町 - 霞ケ関間に新たな中間駅である虎ノ門ヒルズ駅が開業し、これは1964年8月以来56年ぶりの当線の新駅となり、同日に座席指定列車「THライナー」の運行も始まった。
年表
- 19255月16日:路線免許を取得。内務省告示第56号により、目黒 - 南千住間のおよそ16.1kmの地下鉄「2号線」として計画される。
- 19575月18日:帝都高速度交通営団が、計画中の2号線(日比谷線)と4号線の建設を決定する。
- 19595月1日:建設工事に着手する。
- 19613月28日:最初の区間である南千住 - 仲御徒町間(3.7km)が開業。
- 19625月31日:北千住 - 南千住間(2.1km)および仲御徒町 - 人形町間(2.5km)が開業、東武伊勢崎線北越谷駅まで相互直通運転を開始。
- 19632月28日:人形町 - 東銀座間(3.0km)が開業。
- 19643月25日:霞ケ関 - 恵比寿間(6.0km)が開業。
- 19647月22日:恵比寿 - 中目黒間(1.0km)が開業。
- 19648月29日:東銀座 - 霞ケ関間(1.9km)の開業により全線開通。東急東横線日吉駅まで相互直通運転を開始。
- 19953月20日:地下鉄サリン事件が発生。当線は営団路線の中で最も大きな被害が発生し、終日運休となる。
- 20003月8日:中目黒駅付近で列車脱線事故が発生し、対向列車と衝突して乗客5人が死亡。営団時代に発生した事故の中で唯一、乗客に死者が出た事故となる。
- 20044月1日:帝都高速度交通営団が民営化し、東京地下鉄(東京メトロ)となる。路線と資産は新会社へ引き継がれる。
- 20133月16日:東急東横線との相互直通運転を終了。同時に東武線への直通運転区間を日光線の南栗橋駅まで延長。
- 20173月25日:20m級片側4ドア7両編成の東京メトロ13000系が本格営業運転を開始。
- 20206月6日:神谷町 - 霞ケ関間に虎ノ門ヒルズ駅が開業。1964年8月以来56年ぶりの当線の新駅となり、座席指定列車「THライナー」の運行も開始。
出典
事実確認日:2026年6月14日