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生駒線

Ikoma Line

近鉄生駒線(きんてついこません)は、近畿日本鉄道(近鉄)が運営する営業キロ12.4キロメートルの鉄道路線で、奈良県北葛城郡王寺町の王寺駅から奈良県生駒市の生駒駅までを、生駒山地の東麓に沿って結ぶ。同程度の規模の旧私鉄路線としては珍しく軌間1,435ミリメートルの標準軌で建設されており、全線が直流1,500ボルトで電化され、駅数は12駅、最高速度は65キロメートル毎時である。複線化されているのは一部の区間にとどまる。今日では、生駒駅で近鉄奈良線に、王寺駅でJR・近鉄の乗換拠点に接続する、短く運転本数の多い通勤連絡路線となっている。

平群町三郷町斑鳩町安堵町2 km
生駒線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は近鉄の路線として始まったわけではない。もともとは信貴山への参詣客輸送を目的とした私鉄、信貴生駒電気鉄道によって開業したものである。同社は1922年5月16日に最初の区間である王寺 - 山下(現在の信貴山下)間を、山下から信貴山へ上る鋼索線(ケーブルカー)とともに開業し、山上の寺院への足を提供した。(路線の情報欄では開業日を1922年5月26日とするが、沿革節および開業100周年の記念行事はいずれも最初の開業を5月16日としている。)

その後、鉄道は段階的に生駒方面へと延伸した。山下 - 元山上口間が1926年10月21日に、元山上口 - 仮新生駒間が1926年12月28日に開業し、1927年4月1日には仮駅から生駒までの最後の区間が完成して、新線が奈良線の終点に接続するとともに菜畑駅が開業した。最初の列車から5年のうちに、路線は現在の王寺 - 生駒間の姿に達していた。

路線を担う会社の主体は早くに変わった。建設がなお進行中の1925年11月6日、信貴生駒電気鉄道の路線全線が、後継会社である信貴生駒電鉄へ譲渡された。以後40年近くにわたり、この路線と付随する東信貴鋼索線は同社の名のもとで運営され、関西一円の私鉄を再編した戦時・戦後の鉄道統合の波をくぐり抜けた。

路線が近鉄のものとなったのは1964年10月1日で、近畿日本鉄道が信貴生駒電鉄を合併した。これ以降、路線は近鉄生駒線として運営され、鋼索線は東信貴鋼索線となった。近鉄はその後数年で路線を近代化し、架線電圧は1969年9月21日に600ボルトから直流1,500ボルトへ昇圧され、同年11月には自動列車停止装置(ATS)が導入されて、近鉄の広域ネットワークの水準に引き上げられた。

1970年代から1980年代、1990年代にかけて、路線は段階的に改良され一部が複線化された。菜畑 - 南生駒間は1977年に複線化され、1980年には萩の台駅が開業した。会社のもともとの参詣輸送事業の名残であった、利用の少ない東信貴鋼索線は1983年9月1日に廃止された。1990年代初頭には菜畑付近が高架化され、元山上口 - 萩の台間が1993年1月に線路移設されて(路線が0.2キロメートル短縮され、東山駅が移設された)、さらに東山 - 萩の台間および菜畑 - 生駒間で1993年・1994年に複線が追加された。

現代の役割において、生駒線は直通路線というより独立した通勤路線である。ワンマン運転は2004年3月18日に始まり、ICカードも2000年代に導入された。2017年10月には台風21号により竜田川 - 勢野北口間で土砂災害が発生して路線が不通となり、その後数日かけて段階的に運転を再開した。2022年5月17日、近鉄は生駒線および旧東信貴鋼索線の開業100周年を王寺駅での式典で記念し、王寺 - 大阪上本町間に臨時急行を運行して、生駒山麓の町々に尽くしてきた一世紀の歩みを印象づけた。

年表

  • 19225月16日:信貴生駒電気鉄道が最初の区間、王寺 - 山下(現在の信貴山下)間を、山下 - 信貴山間の鋼索線とともに開業。
  • 192511月6日:信貴生駒電鉄に信貴生駒電気鉄道の路線全線を譲渡。
  • 192610月21日:山下 - 元山上口間が開業(12月28日には元山上口 - 仮新生駒間が開業)。
  • 19274月1日:仮新生駒 - 生駒間が開業し、生駒で奈良線に至る全区間が完成。仮新生駒駅が廃止され、菜畑駅が開業。
  • 19519月10日:山下駅が信貴山口駅に改称、茸山駅が常設駅となり東山駅に改称(11月20日に勢野北口駅が開業)。
  • 196410月1日:近畿日本鉄道が信貴生駒電鉄を合併。生駒線・東信貴鋼索線となる。
  • 19699月21日:架線電圧が600Vから1500Vに昇圧(11月7日にATS使用開始)。
  • 19777月31日:菜畑 - 南生駒間が複線化。
  • 19804月23日:萩の台駅が開業。
  • 19839月1日:東信貴鋼索線 信貴山下 - 信貴山間が廃止。
  • 19931月29日:元山上口 - 萩の台間が線路移設され0.2km短縮、東山駅が移設(3月17日に東山 - 萩の台間が複線化)。
  • 19942月10日:菜畑 - 生駒間が複線化。
  • 20043月18日:ワンマン運転開始。
  • 201710月22日:台風21号による竜田川 - 勢野北口間の土砂災害で全線が運転見合わせ(10月23日・25日に段階的に運転再開)。
  • 20225月17日:王寺駅で生駒線・旧東信貴鋼索線の開業100周年記念式典が行われ、王寺 - 大阪上本町間に臨時急行を運行。

出典