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8号線(今里筋線)

Imazatosuji Line

今里筋線(いまざとすじせん)は、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)が運営する大阪市の地下鉄路線である。大阪市東部を南北に縦断し、東淀川区の井高野駅から東成区の今里駅までの約11.9キロメートルを結び、途中に11の駅を置く。今里筋や複数の国道の地下を走る。正式名称は大阪市高速電気軌道第8号線で、国土交通省の『鉄道要覧』では「8号線(今里筋線)」と記載され、駅番号を表す路線記号には「I(アイ)」が用いられる。2006年に開業した大阪市営地下鉄として最も新しい路線であり、大阪環状線の内側を一切通らない唯一の地下鉄路線でもある。

大阪旭区門真市北区鶴見区中央区都島区2 km
8号線(今里筋線)の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線が通る今里筋は、古くから大阪市東部の交通の動脈であった。1957年からは今里筋にトロリーバスが運行され、大阪市電と連携して市内東部と都心部を結んでいたが、自動車交通量の増加に伴い1969年に廃止された。その役割は市バスが引き継いだものの渋滞に悩まされたため、放射状の鉄道路線を補完し、かつ道路交通に左右されない地下鉄の建設が構想された。

計画は1989年の運輸政策審議会第10号答申で具体化し、上新庄 - 湯里六丁目間が今後整備を検討すべき路線として示された。その後、計画ルート上で地下埋設物が見つかったことから、1996年には起点が上新庄から、住宅開発により人口が急増していた東淀川区の井高野へ変更された。1999年に井高野 - 今里間の軌道事業特許を受け、2000年3月に建設工事が始まった。

この路線は「鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄」として建設された。先行する長堀鶴見緑地線と同じく、標準軌(1,435ミリメートル)ながら従来の車両より断面積を2割ほど小さくしたリニアモーター駆動の車両を用い、直流1,500ボルト・架空電車線方式で電化し、ワンマン運転を行っている。小さな断面は建設費の圧縮を狙ったもので、駅やホームの設計も極力共通化されており、各駅ごとに異なる装飾を施したバブル期建設の長堀鶴見緑地線とは対照的である。ホームには、大阪市営地下鉄で初めてとなる、高さ約1.3メートルで車両扉と連動する可動式ホーム柵が設置された。

建設は非常に難航した。既設の地下鉄や地下埋設物を避けるため、ほぼ全線にわたって地下10メートル以上の深さを走り、寝屋川や第二寝屋川を横切る箇所では30メートルを超える。最深部は第二寝屋川の下をくぐる鴫野 - 緑橋間の地下約37メートルで、大阪市営地下鉄全線で最も深い。また同線は、JR東西線に次いで淀川を地下トンネルでくぐる2番目の鉄道であり、地下鉄としては初であった。地盤は水分の多い軟らかな「超軟弱粘土層」で、ブルドーザーが身動きできなくなることも多く、清水 - 新森古市間には半径わずか83メートルという、大阪市営地下鉄の本線上で最も急なカーブがある。その結果、ミニ地下鉄の採用で工事全体の費用を3分の1近く圧縮したとはいえ、井高野 - 今里間の建設費は当初見込みの約3,156億円に対し、約2,718億円(1キロメートルあたり約225億円)に上った。

井高野 - 今里間(11.9キロメートル)は2006年12月24日正午に開業し、路線は現在の長さで全通して、大阪市営地下鉄で最も新しい路線となった。これは2期に分けて計画された建設の第1期にあたり、今里から東住吉区の湯里六丁目までの南への延伸が第2期とされていた。延伸にはさらに1,320億円程度を要すると見込まれ、市長の關淳一は2005年の市長選でこの延伸の見直しを公約に掲げ、再選後の同年11月28日、今里 - 湯里六丁目間について予定していた着工と2016年度の開業を凍結した。利用者数が予測を大きく下回るなか、この延伸はその後も事実上凍結されたままとなっている。

2018年4月1日、大阪市営地下鉄は民営化され、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)が大阪市交通局を継承して、今里筋線は同社の路線となった。凍結された鉄道延伸に代わり、大阪市と大阪市高速電気軌道は、南側延伸部の需要喚起と鉄道代替の可能性を検証する社会実験として、BRT「いまざとライナー」を導入した。2018年に公募投票で愛称が決まり、2019年4月1日から、今里と市内南東部を結ぶ5年間の社会実験として運行を開始した。今里筋線は現在も一日およそ68,000人を運んでいるが、これは加わった路線網の中で最も少ない利用者数である。

年表

  • 1957今里筋にトロリーバスの運行が始まり、大阪市電と連携して市内東部と都心部を結ぶ。
  • 1969自動車交通量の増加によりトロリーバスが廃止され、市バスがその役割を引き継ぐ。
  • 1989運輸政策審議会第10号答申で、上新庄 - 湯里六丁目間が今後整備を検討すべき路線として示される。
  • 1996地下埋設物が見つかったことから、起点が上新庄から井高野へ変更される。
  • 1999井高野 - 今里間の軌道事業特許を受ける。
  • 20003月8日:今里筋線の建設工事に着手する。
  • 200411月10日:路線カラー(柑子色)と車両のデザインが決定する。
  • 200511月28日:再選された關淳一市長が、財政上の理由から今里 - 湯里六丁目間延伸の着工と2016年度開業の予定を凍結する。
  • 20067月6日:路線の愛称・駅名が正式決定。12月24日:井高野 - 今里間(11.9km)が正午に開業し、路線が全通する。
  • 20184月1日:大阪市営地下鉄の民営化により、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)が大阪市交通局を継承し、当線はその路線となる。
  • 20194月1日:凍結された南側延伸に代わる5年間の社会実験として、今里と市内南東部を結ぶBRT「いまざとライナー」の運行が始まる。

出典