歴史
この路線は大津電車軌道の事業として始まった。最初の区間である大津駅(現・びわ湖浜大津駅) - 膳所駅(現・膳所本町駅)間が1913年3月1日に開業し、大津駅から馬場駅までの区間は国鉄貨物線と共用していた。続いて1913年5月1日に膳所駅 - 別保駅(現・粟津駅)間が開業した。その後、1914年前半にかけて段階的に南へ延伸され、2月に螢谷駅に達し、最後に1914年6月4日に石山駅(現・石山寺駅)まで開通して、当初の大津 - 石山間が単線の軌道として全通した。
1920年代には北への延伸が続いた。浜大津駅 - 三井寺駅間が1922年5月7日に開業した。1927年1月21日には大津電車軌道が湖上の汽船事業者である太湖汽船と合併し、琵琶湖鉄道汽船となった。同社は湖岸沿いに坂本方面へ路線を延ばし、1927年中に各区間を順次開業させ、1927年9月10日に兵営前駅 - 山上駅間が開業して、石山駅 - 坂本駅間の直通が実現した。
京阪電気鉄道は1929年4月11日に琵琶湖鉄道汽船を合併し、汽船部を太湖汽船に譲渡して鉄道事業を引き継いだ。京阪のもとで路線は石山線と坂本線として運営され、1931年10月5日からは石山 - 坂本間で直通運転が始まり、三井寺駅での乗り換えが解消された。1939年6月20日には浜大津駅で京阪京津線との連絡線が完成し、大津線の路線網が結び付けられた。
戦時下の出来事は路線の複線化に長く影を落とした。石山駅前駅 - 粟津駅間は1943年8月20日に複線化されたが、1945年3月30日には滋賀里駅 - 坂本駅間が戦時の金属供出のため単線化され、もう一方のレールが供出された。再複線化は段階的にしか進まず、滋賀里駅 - 穴太駅間は1947年3月に複線へ戻されたものの、最後の区間である穴太駅 - 坂本駅間が再複線化されたのは52年後の1997年9月30日のことで、これにより京阪電気鉄道全線の複線化が完成した。
この路線の経営主体は戦争前後に繰り返し変わった。1943年10月1日には会社合併により京阪神急行電鉄(現・阪急電鉄)の路線となり、1949年12月1日には会社分離によって改めて京阪電気鉄道の路線となった。1956年1月10日には石山線と坂本線が統合・改称されて一本の石山坂本線となり、この名称が現在まで用いられている。
この路線の電化方式は、京津線に歩調を合わせて世紀末に近代化された。1997年中に試運転を行ったうえで、同年10月12日に架線電圧が直流600ボルトから1,500ボルトへ昇圧された。これは京津線が京都市営地下鉄東西線への直通運転のために実施した昇圧と併せて行われたもので、これにより新しい冷房・回生ブレーキ付きの車両への置き換えが可能となり、旧型車両の運用が終了した。
現在の石山坂本線は、全列車が2両編成の普通列車で運行される大津の通勤・観光路線である。沿線には東レや日本電気硝子などの企業の工場が並び、住宅地や工業地区を大津市役所や多数の学校と結ぶとともに、石山寺・三井寺・近江神宮・日吉大社などの神社仏閣を訪れる行楽客も運んでいる。2003年10月4日にワンマン運転が始まり、2018年3月17日には4駅が改称されて、浜大津駅がびわ湖浜大津駅に、北の終点である坂本駅が坂本比叡山口駅となった。
年表
- 19133月1日:大津電車軌道が最初の区間、大津駅(現・びわ湖浜大津駅) - 膳所駅(現・膳所本町駅)間を開業。大津 - 馬場間は国鉄貨物線と共用。5月1日には膳所駅 - 別保駅(現・粟津駅)間が開業。
- 1914段階的に南へ延伸され、2月15日に螢谷駅、6月4日に石山駅(現・石山寺駅)まで開通。当初の大津 - 石山間が単線で全通。
- 19225月7日:浜大津駅(現・びわ湖浜大津駅) - 三井寺駅間が開業。
- 19271月21日:大津電車軌道が太湖汽船と合併し琵琶湖鉄道汽船となる。9月10日:兵営前駅 - 山上駅間が開業し、石山駅 - 坂本駅間が全通。
- 19294月11日:京阪電気鉄道が琵琶湖鉄道汽船を合併。汽船部は太湖汽船に譲渡。
- 193110月5日:石山線石山駅 - 坂本線坂本駅間で直通運転を開始し、三井寺駅での乗り換えを解消。
- 19378月20日:螢谷駅を石山駅に統合し石山寺駅に、膳所駅を膳所本町駅に改称。
- 19396月20日:浜大津駅で京津線との連絡線が完成。
- 19438月20日:石山駅前駅 - 粟津駅間が複線化。10月1日:会社合併により京阪神急行電鉄(現・阪急電鉄)の路線となる。
- 19453月30日:滋賀里駅 - 坂本駅間が金属供出のため単線化。
- 19473月:滋賀里駅 - 穴太駅間が再複線化。
- 194912月1日:会社分離により、改めて京阪電気鉄道の路線となる。
- 19561月10日:石山線と坂本線を統合・改称し石山坂本線とする。
- 19979月30日:穴太駅 - 坂本駅間が52年ぶりに再複線化され、京阪電気鉄道全線の複線化が完成。10月12日:架線電圧を600Vから1,500Vに昇圧。
- 200310月4日:ワンマン運転を開始。
- 20183月17日:浜大津駅を「びわ湖浜大津駅」に、別所駅を「大津市役所前駅」に、皇子山駅を「京阪大津京駅」に、坂本駅を「坂本比叡山口駅」にそれぞれ改称。
出典
事実確認日:2026年6月14日