歴史
この路線は、既存の西神・山手線では直接結ばれていなかった、神戸市中心部から西部にかけての人口が密集する臨海地帯を結ぶ計画から生まれた。神戸市交通局は1993年2月16日に新長田 - 三宮間の第一種鉄道事業免許を申請し、同年4月26日に取得した。1994年1月7日には都市計画が決定され、同年3月29日に和田岬工区で建設工事に着手、4月19日に起工式が行われた。この時点では、路線は1999年初頭の完成を予定していた。
その予定は災害によって覆された。1995年1月17日に阪神・淡路大震災が神戸を襲い、路線の建設工事は中断された。工事は同年5月9日に再開されたが、この中断と市全体の復興事業とが重なり、開業時期は2年以上後ろにずれ込んだ。
混雑する神戸の街路の下で建設費とトンネル断面を抑えるため、この路線はリニアモーターで駆動する小断面の「ミニ地下鉄」として建設された。これは大阪・東京の同種のシステムに続く、日本で3番目の鉄輪式リニアモーター方式の都市鉄道であった。リニアモーター方式は、専用の車両を必要とする代わりに、通常の地下鉄より小さなトンネル断面や急なカーブ・勾配を可能にした。路線は御崎車両基地に所属する専用の5000形電車によって運行されている。
建設は世紀の変わり目に主要な節目を迎えた。2000年2月14日にトンネルが掘り抜かれて全線が貫通し、2月28日には正式な駅名が決定され、7月には「夢かもめ」の愛称が選ばれた。8月10日のレール締結式を経て、8月22日に新長田 - 御崎公園間で試運転が始まり、11月15日には全線に拡大、2001年2月1日からは習熟運転、6月17日には試乗会が行われた。7月6日の開業記念式典を経て、海岸線は2001年7月7日に営業運転を開始した。
この路線は開業当初から、予測を大きく下回る利用者しか集められなかった。開業前の予測では2001年度に1日約8万人、2005年度には13万人への増加が見込まれていたが、実績は2001年度に34,446人、2005年度に39,004人、2011年度に42,396人にとどまり、当初見込みのわずか3分の1ほどであった。利用者数は2019年度に1日平均約51,400人まで回復したものの、その後の旅行需要の落ち込みのなかで2020年度には約42,000人へと再び減少した。
低迷する利用者数は、路線を慢性的な赤字に陥らせた。開業からの20年間、単年度でも黒字となったことは一度もなく、2020年度には累積赤字が約1,069億円に達した。初めて単年度のランニング黒字を計上したのは2024年度の決算であった。その改善をもってしても、海岸線はしばしば、建設費と輸送力が最終的に集めた需要を大きく上回った都市地下鉄の戒めの例として引き合いに出される。
年表
- 19932月16日:神戸市交通局が新長田 - 三宮間の第一種鉄道事業免許を申請。4月26日に免許を取得。
- 19941月7日:都市計画が決定。3月29日に和田岬工区で建設工事に着手し、4月19日に起工式を開催。当初は1999年完成予定。
- 19951月17日:阪神・淡路大震災により建設工事が中断。5月9日に工事を再開。
- 20002月14日:トンネルが貫通し全線が開通状態に。2月28日に正式駅名を決定、7月に「夢かもめ」の愛称を決定。8月10日のレール締結式を経て、8月22日に新長田 - 御崎公園間で、11月15日に全線で試運転を開始。
- 20012月1日:習熟運転を開始。6月17日に試乗会を開催。7月6日の開業記念式典を経て、7月7日に神戸市営地下鉄の2路線目として海岸線が開業。
- 20012001年度の輸送実績は1日34,446人で、開業前予測の約8万人を大きく下回る。
- 200212月16日:終日の女性専用車両を導入(西神・山手線と同時)。
- 20052005年度の輸送実績は1日39,004人で、同年度に見込まれていた13万人には遠く及ばない。
- 20112011年度の輸送実績は1日42,396人で、なお当初見込みの約3分の1にとどまる。
- 20192019年度の輸送実績は1日平均約51,400人まで回復し、路線の最高水準となる。
- 20202020年度の輸送実績は1日平均約42,000人に減少。この時点で累積赤字は約1,069億円に達し、単年度でも黒字となったことは一度もなかった。
- 20242024年度決算で、路線として初めての単年度ランニング黒字を計上。
出典
事実確認日:2026年6月14日