JR線·約3分で読めます

上熊本線

Kami-Kumamoto Line

上熊本線(かみくまもとせん)は、九州の熊本市を走る熊本市交通局の路面電車網「熊本市電」の、営業キロ2.9キロメートルの軌道路線である。熊本市中央区にあって熊本市電の幹線から分かれる辛島町停留場を起点に、北西へ向かって熊本市西区の上熊本駅に隣接する上熊本停留場に至る。軌間1,435ミリメートルの標準軌で全線複線、直流600ボルトの架空電車線方式で電化されており、起終点を含めて10の停留場がある。比較的閑静な街を通り、熊本市電網の西側へ二股に延びる支線をなしている。

熊本西区中央区2 km
上熊本線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線が属する路面電車網は、市によって運営されている。運営者である熊本市交通局は1921年11月16日の設立にさかのぼり、前身は熊本電車と呼ばれる事業で、現在は熊本市の地方公営企業として軌道事業(路面電車)を公営で営んでいる。同局は歴史の多くの時期において熊本市営バスも運営していたが、そのバス事業は2015年3月31日をもって廃止されて熊本都市バスに移管され、路面電車が同局の中心事業として残っている。

上熊本線そのものは二段階に分けて開業した。最初の区間である辛島町 - 段山町間は1929年6月20日に開業し、その途中に洗馬橋・塩屋町・新町・新細工町・蔚山町・新桶屋町・段山町の各停留場が開業した。路線は1935年3月24日に段山町 - 上熊本駅前間が開業して全通し、島崎町・杉塘・本妙寺前・上熊本駅前の各停留場が加わった。段山町 - 上熊本間は路面電車を敷設するために開削・整備された道路上に建設されたもので、地域は路面電車によって発展した。洗馬橋 - 新町間は当線唯一の新設軌道(専用軌道)区間である。

網の停留場は、開業から間もない数十年のあいだ繰り返し再編された。1936年8月28日には辛島町停留場の上熊本線乗り場が西辛島町停留場として分離された。戦時下の1943年12月28日には、洗馬橋・新細工町・新桶屋町・島崎町・杉塘の各停留場がいずれも廃止されたが、杉塘は後に再開業している。1948年5月には塩屋町・蔚山町護国神社前(後に蔚山町と改称)の両停留場が開業したが、それらと同名の初代の停留場は、これ以前にすでに廃止されていた。

戦後から現代にかけては、新たな停留場の開設といくつかの改称が続いた。1983年1月20日には県立体育館前停留場が開業した。2011年3月1日には本妙寺前停留場が本妙寺入口停留場に改称され、2019年10月1日、令和最初の本格的な運行年度の初日には、上熊本駅前停留場が単に上熊本停留場へと改称された。2024年1月から3月にかけては、段山町 - 上熊本間の各停留場でホームの延長と上屋の設置工事が行われ、杉塘については上屋の工事のみが実施された。

現在、上熊本線は熊本市電のB系統として運行されており、網の東端にあたる健軍町と上熊本との間を、おおむね7分から15分間隔で通し運転している。熊本市交通局の車両基地は上熊本停留場のすぐそばにあって同局の上熊本営業所を兼ねており、このため当線は通常の通し運転に加えて車庫への入出庫運用も担っている。

年表

  • 192111月16日:当線を運営することになる熊本市交通局(前身は熊本電車)が設立される。
  • 19296月20日:最初の区間、辛島町 - 段山町間が開業。洗馬橋・塩屋町・新町・新細工町・蔚山町・新桶屋町・段山町各停留場が開業。
  • 19353月24日:段山町 - 上熊本駅前間が開業して全通。島崎町・杉塘・本妙寺前・上熊本駅前各停留場が開業。
  • 19368月28日:辛島町停留場の上熊本線乗り場が西辛島町停留場として分離。
  • 194312月28日:洗馬橋・新細工町・新桶屋町・島崎町・杉塘各停留場が廃止(杉塘停留場は後に再開業)。
  • 19485月:塩屋町・蔚山町護国神社前(後に蔚山町)両停留場が開業。前身となる初代の塩屋町・蔚山町両停留場はこれ以前に廃止されている。
  • 19831月20日:県立体育館前停留場が開業。
  • 20113月1日:本妙寺前停留場を本妙寺入口停留場に改称。
  • 20153月31日:熊本市交通局の市営バス事業が廃止され、熊本都市バスに移管。路面電車が同局の中心事業として残る。
  • 201910月1日:上熊本駅前停留場を上熊本停留場に改称。
  • 20241月 - 3月:段山町 - 上熊本間の各停留場でホーム延長・上屋の設置工事(杉塘は上屋の工事のみ)。

出典

事実確認日:2026年6月14日