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けいはんな線

Keihanna Line

けいはんな線(けいはんなせん)は、近畿日本鉄道(近鉄)が運営する営業キロ18.8キロメートルの都市鉄道で、大阪府東大阪市の長田駅を起点に、生駒山地を貫いて奈良県の関西文化学術研究都市にある学研奈良登美ヶ丘駅へと東へ向かう。全線が複線で、駅数は8駅である。近鉄の路線としては珍しく軌間1,435ミリメートルの標準軌で建設され、架線ではなく第三軌条による直流750ボルトで電化されている――第三軌条方式を採用する近鉄唯一の路線である。この路線は本質的にOsaka Metro中央線を東へ延長するものであり、列車は中央線へ直通して大阪都心への一本の移動を実現している。路線名そのものも、京都・大阪・奈良の三文字をひらがなで表したものである。

大阪東大阪市四條畷市大東市門真市鶴見区5 km
けいはんな線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

路線の起源は、大阪の地下鉄網を生駒方面へ東へ延ばす構想にある。1977年3月23日、近鉄は長田駅 - 鉄軌分界点間の軌道事業特許と、鉄軌分界点 - 生駒駅間の鉄道事業免許を取得し、同年9月16日には路線建設のための専業会社・東大阪生駒電鉄が設立されて、特許・免許はその年のうちに同社へ譲渡された。当時「東大阪線」と呼ばれたこの路線の建設は、1982年9月16日の起工式をもって始まった。既存の地下鉄に合わせるため、新線は近鉄通常の狭軌・架線方式ではなく、標準軌で敷設され第三軌条による集電が採用された。

1986年4月1日、近鉄は東大阪生駒電鉄を合併し、同年10月1日に東大阪線が長田駅 - 生駒駅間で開業して、ただちに大阪市営地下鉄(現・Osaka Metro)中央線と大阪港駅までの相互直通運転を開始した。東生駒の東生駒車庫も同日開設された。新線は生駒山地を貫き、かつて近鉄の古い山越え区間が担っていた役割に代わって、東部郊外と大阪都心とを地下鉄で直結した。

開業から1年足らずの1987年9月21日、この路線は最悪の事故に見舞われた。生駒トンネル内で漏電によるケーブル火災が発生し、通過中の電車がトンネル内で立往生して、1人が死亡、48人が負傷した。その後、運行体系は段階的に強化されていった。1990年3月15日には、それまで地下鉄内で折り返していた昼間の中央線列車が延長され、全列車が東大阪線へ直通するようになり、1997年12月18日には大阪港トランスポートシステムのテクノポート線開業に伴って、直通区間がコスモスクエア駅まで西へ延長された。

次に焦点となったのは、新たな関西文化学術研究都市へ向けた路線自体の東への延伸であった。延伸区間を保有する第二の会社・奈良生駒高速鉄道が1998年7月28日に設立され、同年9月には生駒 - 登美ヶ丘間について同社が第三種鉄道事業免許を、近鉄が第二種鉄道事業免許をそれぞれ取得した。この事業は「京阪奈新線」と呼ばれた。工事は2000年10月に着工した。工事は大規模なもので、延長3,600メートルの東生駒トンネルは2004年8月26日に貫通し、開業に先立つ2004年12月1日には新型の7020系が営業運転を開始した。

2005年1月31日、近鉄は正式な路線名「けいはんな線」と新設3駅の正式駅名を発表し、のちにけいはんな線・中央線を合わせた区間の統一愛称として「ゆめはんな」が採用された。延伸は2006年3月27日に開業した。生駒駅 - 学研奈良登美ヶ丘駅間が開業し、旧東大阪線は長田駅 - 学研奈良登美ヶ丘駅間の全区間にわたって「けいはんな線」に改称され、近鉄線内ではワンマン運転が開始された。登美ヶ丘車庫と新設の信号場も同時に開設された。

その後、この路線は関西の非接触式運賃システムに組み込まれ、2007年4月1日からPiTaPa・ICOCAが利用できるようになり、ダイヤは学研奈良登美ヶ丘方面の朝ラッシュ時の列車を増発するため繰り返し改正された。路線の強靭さが試されたのは2024年6月28日で、大雨により生駒 - 白庭台間で土砂災害が発生して全線が運転を見合わせたが、運転は段階的に再開され、長田 - 新石切間が6月29日に、残りの区間が7月1日に再開した。

この路線を特徴づける中央線との直通運転は、その到達範囲を広げ続けている。2025年1月19日には、Osaka Metro中央線の人工島・夢洲への延伸に歩調を合わせて直通区間が新たに開業した夢洲駅まで延長され、奈良の山並みから大阪湾を越える先まで、一本で乗り通せる旅が長くなった。今日のけいはんな線は、近鉄の7000系・7020系とOsaka Metro自社の車両をともに用いて学術研究都市と大阪都心とを結ぶ、小規模ながら戦略的に重要な通勤路線であり続けている。

年表

  • 19779月16日:路線建設のため東大阪生駒電鉄が設立される(近鉄は3月23日に長田 - 生駒間の軌道特許・鉄道免許を取得)。
  • 19829月16日:東大阪線建設の起工式が行われる。
  • 19864月1日:近畿日本鉄道が東大阪生駒電鉄を合併する。
  • 198610月1日:東大阪線が長田 - 生駒間で開業し、大阪市営地下鉄中央線の大阪港駅まで相互直通運転を開始。東生駒車庫が開設される。
  • 19879月21日:生駒トンネル内で漏電によるケーブル火災が発生し電車が立往生、1人が死亡、48人が負傷する。
  • 19903月15日:地下鉄内で折り返していた昼間の中央線列車を延長し、全列車を東大阪線直通とする。
  • 199712月18日:大阪港トランスポートシステムテクノポート線の開業に伴い、相互直通運転区間をコスモスクエア駅まで延長する。
  • 19987月28日:延伸区間を保有する奈良生駒高速鉄道が設立される。9月には生駒 - 登美ヶ丘間の第三種鉄道事業免許を取得(京阪奈新線)。
  • 200010月:京阪奈新線(生駒 - 登美ヶ丘間の延伸)が着工する。
  • 20048月26日:延長3,600mの東生駒トンネルが貫通。12月1日には7020系が営業運転を開始する。
  • 20051月31日:正式路線名「けいはんな線」と新設3駅の正式駅名を発表する。
  • 20063月27日:生駒 - 学研奈良登美ヶ丘間が開業。東大阪線を全区間にわたりけいはんな線に改称し、近鉄線内でワンマン運転を開始する。
  • 20074月1日:各駅でPiTaPa・ICOCAの取り扱いを開始する。
  • 20246月28日:大雨により生駒 - 白庭台間で土砂災害が発生し全線が運転を見合わせる。6月29日に新石切まで、7月1日に全線で運転を再開する。
  • 20251月19日:Osaka Metro中央線の夢洲延伸に伴い、相互直通運転区間が夢洲駅まで延長される。

出典