歴史
この路線は弘南鉄道自身によって建設され、同社は1926年に設立された。1926年2月18日に和徳村 - 尾上村間の鉄道免許状が下付され、約1年半の建設を経て、最初の区間である弘南弘前(現在の弘前)- 津軽尾上間が1927年9月7日に開業した。一番列車は津軽尾上を12時05分に出て弘南弘前へ向かい、路線は当初から弘前南東部の農地を貫いて旅客と貨物を運んだ。
1930年代を通じて、鉄道は動力の併用を試みた。1932年4月に瓦斯倫(ガソリン)動力の併用が認可され、同年5月にはガソリンカー専用の小さな停留所である小比内・石郷・荒田の三駅が路線上に開業した。三駅はいずれも戦時下の状況が厳しさを増した1943年2月に再び廃止された。蒸気とガソリンによる運転は第二次世界大戦後まで続き、その後同社は電気運転へと本格的に舵を切った。
電化は1948年7月1日に行われ、全線が直流600ボルトで電化された。これは青森県内で初めての鉄道電化であった。路線はその後東へ向けて完成し、1950年7月1日に津軽尾上 - 弘南黒石(現在の黒石)間が開業して、弘前から黒石まで16.8キロメートルの全線が全通した。架線電圧はその後二段階で昇圧され、1954年4月1日に750ボルト、1961年9月1日に現在も使われている1,500ボルトとなった。
1960年代から1970年代にかけて、路線は着実に近代化された。自動閉塞化は1970年から1978年にかけて区間ごとに行われ、快速列車の運行が1975年11月1日に始まり、貨物営業は1984年7月1日に廃止された。1986年4月1日には終端駅の弘南弘前と弘南黒石がそれぞれ単に弘前・黒石へと改称され、1991年ではなく1993年4月1日にワンマン運転が始まった。途中駅も年を追って増設され、1977年の運動公園前、1980年の柏農高校前、1999年の尾上高校前などがあり、その多くは沿線の学校に対応するものであった。
路線では二つの注目すべき事故が起きている。1997年8月25日には館田駅構内で電車二本が正面衝突し、32人が負傷した。2007年6月12日には黒石発弘前行の電車が平賀駅で脱線したが、負傷者はなかった。8月1日に通常運転が再開されるまで暫定ダイヤが組まれたが、1975年以来運行されてきた快速列車はこの事故の影響で運休し、事実上廃止となった。自動列車停止装置(ATS)は1999年11月に使用が開始されていた。
近年の弘南線は、交通手段であると同時に地域の観光名所ともなっている。田舎館村の有名な田んぼアートに対応する田んぼアート駅は2013年7月27日に開業し、生育期のみ使用される。4両編成での運転は2019年に廃止され、2021年からは沿線の市町村が路線維持のための支援計画を策定した。路線記号「KK」による駅ナンバリングは2021年4月12日に発表された。また、この路線は冬の除雪作業でも知られ、津軽平野の豪雪に備えてラッセル車を保有している。
2023年9月25日に黒石 - 境松間でレールの異常が見つかり、全線が運休した。10月2日からバス代行が行われ、10月26日に弘前 - 田んぼアート間が再開、11月7日に全線で運転が再開されたが、変電所設備の更新のため2024年3月まで減便ダイヤが続いた。今日の弘南線は、元東急7000系の車両を用いた2両編成・ワンマンの列車で弘前 - 黒石間の各駅停車を運行し、弘前のりんごと米の里の通勤客・通学生・観光客を運んでいる。
年表
- 19262月18日:弘南鉄道に和徳村 - 尾上村間の鉄道免許状が下付される。同社はこの年に設立。
- 19279月7日:弘南弘前(現・弘前)- 津軽尾上間が開業。一番列車は津軽尾上12時05分発。
- 19324月7日:瓦斯倫(ガソリン)動力併用認可。5月21日:ガソリンカー専用の小比内・石郷・荒田の三駅が開業。
- 19432月25日:小比内・石郷・荒田の三駅を廃止。
- 19487月1日:全線を600V電化。青森県内初の電化。
- 19507月1日:津軽尾上 - 弘南黒石(現・黒石)間が開業し、全通。
- 19544月1日:全線の架線電圧を750Vに昇圧。
- 19619月1日:全線の架線電圧を1500Vに昇圧(現在の電圧)。
- 197511月1日:快速列車の運行を開始。
- 19847月1日:貨物営業を廃止。
- 19864月1日:弘南弘前駅を弘前駅に、弘南黒石駅を黒石駅に改称。
- 19934月1日:ワンマン運転を開始。
- 19978月25日:館田駅構内で電車が正面衝突する事故が発生し、32人が重軽傷。
- 199911月1日:自動列車停止装置(ATS)の使用を開始(4月1日に尾上高校前駅が開業)。
- 20076月12日:平賀駅構内で黒石発弘前行電車が脱線(負傷者なし)。8月1日に通常ダイヤに戻るが、快速列車は運休(事実上の廃止)となる。
- 20137月27日:田んぼアート駅が開業(生育期のみ営業)。
- 20214月12日:路線記号「KK」による駅ナンバリング導入を発表(1月に沿線市町村が維持活性化支援計画を策定)。
- 20239月25日:黒石 - 境松間でレール異常が見つかり全線運休。10月2日からバス代行、11月7日に全線で運転再開(変電所設備更新のため2024年3月まで減便ダイヤ)。
出典
事実確認日:2026年6月14日