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鞍馬山鋼索鉄道

Kurama-dera Cable

鞍馬山鋼索鉄道(くらまやまこうさくてつどう)は、京都市左京区にある短いケーブルカーで、鞍馬寺の山門付近から、森に覆われた鞍馬山の斜面を本殿側へと登る。総延長は191メートル(約0.2キロメートル)で、鉄道事業法による許可を受けた鉄道としては日本一短く、またこの種の鉄道としては唯一、宗教法人である鞍馬寺自身によって運営されている点で特異な路線である。重錘とつり合う1両の車両が2つの駅をおよそ2分で結び、徒歩ではおよそ30分を要する斜面を、参詣者や来訪者を乗せて登る。

京都北区2 km
鞍馬山鋼索鉄道の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

路線は、寺の山門にある山門駅と、山上の多宝塔駅との間を、途中駅も行き違い設備もなく結んでおり、1両の車両が単線をただ往復するだけである。軌間は800ミリメートルで、89メートルの高低差を最急勾配499パーミル(約26度)で克服しており、日本のケーブルカーの中でも急な勾配のひとつである。駅は寺の伽藍と一体になっており、山門駅は1992年に完成した「普明殿」に納められ、多宝塔駅は路線の開業当時に建てられた「多宝塔礼堂」と駅舎を共にしている。

鞍馬寺は、足の弱い人や年配の参詣者の登山の負担を軽くするためにこのケーブルカーを敷設し、路線は1957年1月1日に山門 - 多宝塔間で開業した。当初は軌間762ミリメートルの線路に2両を走らせる、普通の鉄車輪式のケーブルカーであった。1970年代半ばには当初の設備が著しく老朽化し、定期点検の際にほぼ廃止寸前の状態であることが判明したため、路線は造り直され、1976年1月に、ゴムタイヤ式へと改められた軌間800ミリメートルの2代目車両で運行を再開した。

車両はその後も数回にわたって更新されており、車両には、伝承によれば若き日に鞍馬寺で修行したとされる武将・源義経の幼名「牛若丸」にちなんで「牛若號」の愛称がつけられている。3代目車両「牛若號III」は1996年8月8日に運行を開始し、これに伴って架線が廃止され、軌道脇から集電する方式へと改められた。その後、路線は設備と車両の全面的な更新のため2015年5月11日に運休し、2016年5月20日に4代目車両「牛若號IV」で運行を再開した。路線は山の天候にも試されており、英語の資料によれば、2018年の台風21号(ジェビ)で約180本の倒木が路線をふさいで甚大な被害を受け、およそ50日後に運行を再開したとされる。

鞍馬山鋼索鉄道を最も特徴づけているのは、通常の意味での運賃を取らないことであり、鉄道事業法による許可を受けた鉄道としては、現在唯一の運賃が無料の鉄道である(かつては箕面鋼索鉄道も無料であった)。来訪者は寺の諸堂の維持のために寄付(1口200円、小学生は100円)を行い、鞍馬寺はそのお礼として無料で乗車させる形をとっているため、200円の寄付が事実上の運賃となっている。寺はこの路線を営利事業ではなく、登るのが難しい人のための便宜と位置づけており、この支払いを運賃ではなく寄付として扱うことで、課税対象となる営利事業ではなく、寺院の非課税の宗教活動の一環にとどめている。

寺は、歩ける来訪者にはケーブルカーを使わず昔ながらの参道を歩くことをむしろ勧めており、その理由として、山を自らの足で歩いてこそ、その聖なる存在をより強く感じられることを挙げている。参道は由岐神社や「魔王の滝」などの見どころを通り、かつて若き義経も歩いた道である。ケーブルカーの山上側の終点は徒歩で寺の他の伽藍へとつながり、麓では山門駅が、叡山電鉄鞍馬線の鞍馬駅から徒歩約5分の位置にある。鞍馬線は、京都中心部から山の麓まで多くの来訪者を運ぶ在来線である。

年表

  • 19571月1日:山門 - 多宝塔間が開業。当初は軌間762ミリメートルの鉄車輪式・2両のケーブルカーであった。
  • 1974定期点検で設備の老朽化が判明し、路線はほぼ廃止寸前の状態となる(英語版ウィキペディアによる)。
  • 19761月:ゴムタイヤ式に改められた軌間800ミリメートルの2代目車両で運行を再開。
  • 19968月8日:3代目車両「牛若號III」が運行開始。架線が廃止され、軌道脇からの集電方式に改められる。
  • 20155月11日:設備・車両の全面更新(改修工事)のため運休。
  • 20165月20日:4代目車両「牛若號IV」で運行を再開。
  • 2018台風21号(ジェビ)により約180本の倒木が路線をふさぎ甚大な被害を受け、約50日後に運行を再開(英語版ウィキペディアによる)。

出典