JR線·約4分で読めます

鞍馬線

Kurama Line

鞍馬線(くらません)は、京都府京都市左京区において叡山電鉄が運営する営業キロ8.8キロメートルの鉄道路線で、宝ケ池駅を起点に北の鞍馬駅までを結ぶ。軌間は1,435ミリメートルの標準軌で、直流600ボルト・架空電車線方式により電化されており、途中に10の駅を有する。この路線は、京都市中心部から市原駅付近までの住民の生活路線であると同時に、北の山中へと向かう観光・参詣路線でもあり、鞍馬寺や貴船神社への参拝客を運んでいる。列車は宝ケ池駅から叡山本線に直通して出町柳駅まで運行され、秋の「もみじのトンネル」と展望列車「きらら」で広く知られている。

京都2 km
鞍馬線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は、京都の初期の電気事業に由来する。建設したのは、1927年12月1日に京都電燈と京阪電気鉄道の合弁会社として設立された鞍馬電気鉄道である。電力会社であった京都電燈は、すでに隣接する叡山線を開業させており、鞍馬の計画は鞍馬・貴船方面へと延びる支線として構想された。1928年12月1日、鞍馬電気鉄道は最初の区間である山端駅(現在の宝ケ池駅)から市原間駅までを開業し、叡山線との直通運転は開業当初から行われた。この連絡は中断することなく現在に至るまで続いている。

翌年には建設が山中へと進んだ。1929年10月20日に市原駅から鞍馬仮駅までが延伸され、1929年12月20日に最終区間である鞍馬駅までが開業して全通し、鞍馬仮駅は廃止された。この時点から、列車は京都電燈の叡山線を経由して出町柳駅まで直通するようになった。1930年2月には集電方式が架空単線式に変更された。開業まもない1935年6月、鴨川水害により全線が不通となるという早期の打撃を受けたが、運行は段階的に再開され、岩倉駅 - 山端駅間が7月2日に、残り区間が7月末までに復旧した。

この路線は、戦中・戦後の日本の鉄道の再編に伴い、いくつかの会社の手を経た。1939年9月には二軒茶屋駅 - 市原駅間が単線化され、1942年8月1日には、同年に京都電燈が鉄軌道部門を分離して設立した京福電気鉄道に鞍馬電気鉄道が合併され、この時に路線は正式に「鞍馬線」となった。戦時下の資材不足はさらに進み、1944年11月10日には山端駅 - 二軒茶屋駅間が単線化され、撤去された線路は戦争のために供出された。

戦後の数十年は、改称・再複線化・近代化をもたらした。1954年6月10日に山端駅が宝ケ池駅へと改称され、1958年4月9日には宝ケ池駅 - 岩倉駅間が再複線化された。1964年1月5日には二ノ瀬駅 - 貴船口駅間で列車衝突事故が発生し、69人が負傷する重大な事故となった。集電技術も着実に更新され、1973年にトロリーホイールからスライダーシューへと変更され、1978年10月19日には、日本国内最後のトロリーポール集電方式が廃止されてパンタグラフ集電に変更された。これは小さいながらも全国的に注目すべき節目であった。

叡山電鉄のもとで、路線は徹底的に近代化された。1986年4月1日、鞍馬線は京福電気鉄道から、新たに分離した叡山電鉄へと譲渡された。列車運行管理システム(PTC)と列車無線は1983年12月に導入されており、自動列車制御装置(ATS)は1988年11月28日に設置され、ワンマン運転は1988年12月25日に開始された。1989年9月21日には京都精華大前駅が開業し、これは中心部への直通の鉄道連絡を回復させた1989年10月の京阪鴨東線開業に先立つものであった。岩倉駅 - 二軒茶屋駅間は1990年9月28日に再複線化され、1994年3月には大規模な増発が行われ、2004年1月までには原則として全列車がワンマン運転となった。

山中の区間において、鞍馬線は何よりもまず観光鉄道である。市原駅 - 二ノ瀬駅間では、線路が頭上に張り出すモミジの名高い「もみじのトンネル」を抜ける。秋の紅葉の時期には貴船もみじ灯篭の催しのため木々がライトアップされ、夜間(17時から21時頃)にこの区間を走行する際には、車内灯を消して徐行することにより乗客がその眺望を楽しめるようにしている。眺望に向けて大きな窓を傾けて配した900系展望車「きらら」は、この体験と深く結びついている。近年は自然災害が繰り返しこの路線を試練にさらしており、2018年9月には台風21号で全線が運休し、2020年7月の豪雨では市原駅 - 鞍馬駅間が不通となって2021年9月にようやく全線が復旧したが、この路線は今なお鞍馬・貴船への人気の玄関口であり続けている。

年表

  • 192712月1日:京都電燈と京阪電気鉄道の合弁会社として鞍馬電気鉄道が設立される。
  • 192812月1日:鞍馬電気鉄道が山端駅(現・宝ケ池駅) - 市原間駅を開業。叡山線との直通運転を開業当初から実施。
  • 192910月20日:市原駅 - 鞍馬仮駅間が開業。12月20日:鞍馬仮駅 - 鞍馬駅間が開業して全通、鞍馬仮駅廃止。叡山線を経由して出町柳駅まで直通運転を開始。
  • 19302月:集電方式を架空単線式に変更。
  • 19356月29日:鴨川水害で全線不通。7月2日に岩倉駅 - 山端駅間が運転再開、残り区間は7月末に復旧。
  • 19399月:二軒茶屋駅 - 市原駅間が単線化される。
  • 19428月1日:京福電気鉄道(同年に京都電燈の鉄軌道部門を分離して設立)に合併され、鞍馬線となる。
  • 194411月10日:山端駅 - 二軒茶屋駅間が単線化され、資材が供出される。
  • 19546月10日:山端駅を宝ケ池駅に改称。
  • 19584月9日:宝ケ池駅 - 岩倉駅間が再複線化される。
  • 19641月5日:二ノ瀬駅 - 貴船口駅間で列車衝突事故が発生し、69人が負傷。
  • 197810月19日:日本国内最後のトロリーポール集電方式が廃止され、パンタグラフ集電方式に変更。
  • 198312月1日:列車運行管理システム(PTC)を導入し、列車無線装置の使用を開始。
  • 19864月1日:鞍馬線が京福電気鉄道から新設の叡山電鉄へ譲渡される。
  • 198811月28日:自動列車制御装置(ATS)を設置。12月25日:ワンマン運転を開始。
  • 19899月21日:京都精華大前駅が開業(10月の京阪鴨東線開業を見越したもの)。
  • 19909月28日:岩倉駅 - 二軒茶屋駅間が再複線化され、折り返し運行を岩倉駅から二軒茶屋駅へ全面的に変更。
  • 20189月4日:台風21号により全線が運休。段階的に復旧し、10月27日に全線復旧。
  • 20207月8日:令和2年7月豪雨の影響で市原駅 - 鞍馬駅間が不通となる。
  • 20219月18日:市原駅 - 鞍馬駅間が運転再開し、全線復旧。

出典