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西九州線

Matsuura Railway Nishi-Kyūshū Line

西九州線(にしきゅうしゅうせん)は、九州北西部を走る松浦鉄道が保有・運営する非電化・単線の地方鉄道で、佐賀県・長崎県にまたがる第三セクター鉄道である。佐賀県有田町の有田駅から、伊万里駅・たびら平戸口駅を経て、北松浦半島を回る形で長崎県佐世保市の佐世保駅に至る。日本語版資料では路線距離(営業キロ)93.8キロメートル、駅数57駅とされる(英語版のインフォボックスは93.9キロメートルとするが、英語版・日本語版双方の駅一覧は佐世保まで93.8キロメートルで一致する)。軌間は1,067ミリメートル、全線単線・全線非電化で、最高速度は85キロメートル毎時である。英語版資料は本線を日本最西端の鉄道路線とし、たびら平戸口駅が最西端の駅であると記す。

波佐見町10 km
西九州線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

本線は、特定地方交通線であったJR九州の地方路線を引き継いだもので、旧日本国有鉄道・JR九州の松浦線を1988年4月1日に第三セクター鉄道へ転換して成立した。鉱産物や陶磁器の輸送のために別々に建設された二つの鉄道、すなわち東側の伊万里鉄道(のちの国鉄伊万里線)を起源とする区間と、南側の佐世保軽便鉄道(のちの国鉄松浦線)を起源とする区間からなる。現在は北松浦半島を回る形で沿線市町を結んでおり、日本語版資料によれば路線の約半分は国道204号と並行して走る。

東側の区間は伊万里鉄道に始まる。同社は陶磁器運搬のため1898年8月7日に有田駅 - 伊万里駅間を開業し、同年12月に九州鉄道に合併した。1907年の鉄道国有法により九州鉄道は国有化され、1909年の国有鉄道線路名称制定にともない有田駅 - 伊万里駅間は伊万里線となった。伊万里線はその後、楠久(1930年)、今福(1930年)、志佐(現・松浦、1933年)、平戸口(現・たびら平戸口、1935年)、潜竜(現・潜竜ヶ滝、1939年)、そして肥前吉井(現・吉井、1944年)へと順次延伸され、南から建設された松浦線とつながった。

南側の区間は佐世保軽便鉄道に始まる。同社は石炭運搬のため、1920年3月27日に軌間762ミリメートルの軽便鉄道として相浦駅から大野駅(現・左石駅)を経て柚木駅までを開業した。英語版資料も、孤立していた左石 - 相浦間の石炭輸送線を同日の開業とする。1923年に佐世保鉄道へ社名を変えた同社は、北松浦の炭田一帯へ路線を広げ、1931年までに佐々へ達し、関西炭鉱の世知原方面の路線も買収したのち、1936年10月に国有化され、その諸線は松浦線とされた。佐世保方面への連絡(佐世保線の佐世保 - 北佐世保間)は1935年に開業した。

南側の路線網は狭軌で孤立していたため、国有化後の1943年から1944年にかけて762ミリメートルから国鉄の1,067ミリメートル軌間へ改軌され、相浦付近の経路変更や北佐世保 - 左石間の1,067ミリメートル新線の建設などの改良が併せて行われた。二つの区間を最終的に結ぶ新線は1945年3月1日に開業し、同日、有田駅 - 伊万里駅 - 佐世保駅間が松浦線となり、残った支線は世知原線・臼ノ浦線・柚木線として分離された。これら3支線はのちに廃止され(柚木線は1967年、世知原線・臼ノ浦線は1971年)、蒸気機関車の運行は1972年3月15日に8620形・C11形がDE10形ディーゼル機関車に置き換えられて終了した。貨物営業は伊万里 - 佐世保間が1982年に、有田 - 伊万里間が1986年に廃止された。

松浦線は1984年6月22日に第2次特定地方交通線として廃止が承認され、1987年3月に第三セクター鉄道への転換が決定した。1987年4月1日の国鉄分割民営化で同線はJR九州に承継され、1988年4月1日に松浦鉄道西九州線として再出発し、いくつかの駅が改称された(うち平戸口駅は翌年たびら平戸口駅に改称)。松浦鉄道はその後、1980年代後半から1990年代にかけて多くの新駅を設置し、現在の駅数は57駅で、沿線の県内では最多となっている。佐世保中央駅と中佐世保駅の間の200メートルは、日本語版資料によれば、筑豊電気鉄道の一対と並んで日本の鉄道線で最も短い駅間距離である。現在の運行は単行のMR-400形・MR-500形・MR-600形気動車によるもので、大半はワンマン運転の普通列車だが、朝には佐々 - 佐世保間にわずかな快速列車が設定されている。ICカード(nimoca)は2020年3月1日から全線で利用可能となり、JR線への直通運転は2020年3月のダイヤ改正で終了した。

年表

  • 18988月7日、伊万里鉄道が有田駅 - 伊万里駅間(1,067ミリメートル軌間)を陶磁器運搬のため開業。同年12月、九州鉄道に合併。
  • 19077月1日、鉄道国有法により九州鉄道が買収・国有化され、官設鉄道となる。
  • 190910月12日、国有鉄道線路名称の制定にともない、有田駅 - 伊万里駅間が伊万里線となる。
  • 19203月27日、佐世保軽便鉄道が軌間762ミリメートルの軽便鉄道として相浦駅 - 大野駅(現・左石駅) - 柚木駅間を石炭運搬のため開業。
  • 1933伊万里線が志佐駅(現・松浦駅)まで延伸開業(6月25日)。
  • 1935伊万里線が平戸口駅(現・たびら平戸口駅)まで延伸(8月6日)。佐世保線の佐世保駅 - 北佐世保駅間が開業(11月9日)。
  • 193610月、佐世保鉄道(旧・佐世保軽便鉄道)が国有化され、その諸線が松浦線とされる。
  • 19391月25日、伊万里線が潜竜駅(現・潜竜ヶ滝駅)まで延伸開業。
  • 19444月13日、伊万里線が肥前吉井駅(現・吉井駅)まで延伸し松浦線と接続。南側区間の改軌は1943年から1944年にかけて実施。
  • 19453月1日、二区間を結ぶ新線が開業。有田 - 伊万里 - 佐世保間が松浦線となり、世知原線・臼ノ浦線・柚木線が分離される。
  • 19679月1日、左石駅から分岐する柚木線が廃止。
  • 197112月26日、吉井駅からの世知原線と佐々駅からの臼ノ浦線が廃止。
  • 19723月15日、8620形・C11形蒸気機関車をDE10形ディーゼル機関車に置き換え、蒸気機関車の運行を終了。
  • 198211月15日、伊万里駅 - 佐世保駅間の貨物営業を廃止。
  • 19846月22日、松浦線が第2次特定地方交通線として廃止承認される。
  • 19874月1日、国鉄分割民営化により本線はJR九州に承継。第三セクター転換は同年3月に決定済み。
  • 19884月1日、松浦鉄道西九州線として転換・開業し、いくつかの駅が改称(平戸口駅は翌年たびら平戸口駅に改称)。
  • 20203月1日、ICカード「nimoca」が全線で利用可能となる。JR線への直通運転は2020年3月のダイヤ改正で終了。

出典