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三国芦原線

Mikuni Awara Line

三国芦原線(みくにあわらせん)は、本州中央部の日本海側、福井県を走る営業距離25.2キロメートルの鉄道路線で、第三セクターのえちぜん鉄道が運営している。県都・福井市の北部に位置する福井口駅を起点に、福井平野の北部を横断して、古くからの港町・三国を経て坂井市の三国港駅に至る。駅数は23駅で、全線が単線・軌間1,067ミリメートルの狭軌、直流600ボルトで電化されており、沿線には芦原温泉や東尋坊といった観光名所への足となっている。名目上の起点は福井口駅だが、列車は勝山永平寺線へ乗り入れて福井駅まで直通する。姉妹路線と同じく、三国芦原線も2000年から2001年の衝突事故を経て休止された旧京福電気鉄道の路線であり、2003年にえちぜん鉄道によって復活した。

福井市5 km
三国芦原線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は、戦前の地方鉄道計画の数々から生まれた。福井と三国・大聖寺を結ぶ計画は1919年に加越電気鉄道が免許を取得したが、第一次世界大戦後の不況で難航し、会社は再編されて吉崎電気鉄道となり、1924年に正式に設立された。1925年頃から京都の電力会社・京都電燈が経営に参加し、1927年に三国芦原電鉄へ社名を改めて、ようやく着工した。

三国芦原電鉄は、1928年12月30日に最初の区間、福井口駅 - 芦原駅(現:あわら湯のまち駅)間を開業した。翌年には三国町駅(現:三国駅)まで延伸し、京都電燈の越前電気鉄道線(現在の勝山永平寺線)への直通運転を開始して福井へ乗り入れた。1932年には海岸線として電車三国駅から東尋坊口駅までの延長線が開業し、路線は戦前の最大規模に達した。

戦時下の電力・鉄道事業の統合により、三国芦原電鉄は1942年8月1日に京福電気鉄道へ合併し、同社の三国芦原線となった。これが現在まで続く路線名である。戦時の事情はその後路線の姿を変えた。1944年1月には海岸線の電車三国駅 - 東尋坊口駅間が不要不急線として休止され、同年10月には京福電気鉄道が並行する国有の三国線のうち三国駅 - 三国港駅間を引き継いで直流600ボルトで電化し、直通運転用に開業した。この区間が現在の終端の形を成すことになった。

その後の半世紀、三国芦原線は福井平野を横断する地方鉄道としての役割に落ち着き、モータリゼーションの進展とともに貨物営業を廃止し、ワンマン運転へと移行していった。そして惨事が姉妹路線を襲う。2000年と2001年に京福電気鉄道越前本線で起きた2件の衝突事故を受けて当局から事業改善命令が出され、京福電気鉄道は2001年6月24日に三国芦原線についても全線の運行を休止し、路線網全体から列車が消えた。

鉄道そのものを失うのを避けるため、福井県と沿線市町は新たな第三セクター事業者であるえちぜん鉄道を支援した。事業譲渡は2003年1月に国土交通省が認可し、えちぜん鉄道は2003年2月1日に京福電気鉄道から路線を引き継いだ。運行は同年中に二段階で再開され、7月20日に福井口駅 - 西長田駅間が、8月10日に西長田駅 - 三国港駅間が再開して、全線に列車が戻った。再開にあわせて、芦原湯町駅をあわら湯のまち駅に、西福井駅を福大前西福井駅に改称するなど、駅名の改称も行われた。

再開以降、この路線は近代化が進み、福井の地域ネットワークへとより緊密に組み込まれていった。2015年には、立ち上がる北陸新幹線の高架橋に沿った仮線へ切り替える中で、新駅のまつもと町屋駅が開業した。2016年3月には田原町駅 - 鷲塚針原駅間で福井鉄道福武線との相互直通運転が「フェニックス田原町ライン」として始まった。2017年には全線で駅ナンバリングが導入され、2018年には福井口駅が高架駅へと改築された。今日の三国芦原線は、日中はおおむね毎時2本が走り、福井への直通運転とアテンダントの乗務を備え、芦原で温泉地や日本海の海岸へとつながる、地域の通勤・観光路線である。

年表

  • 191912月26日:加越電気鉄道に対し、三国町 - 福井市間および三国町 - 石川県方面の鉄道免許状が下付される。これがこの路線の原型となった。
  • 192411月10日:第一次世界大戦後の不況で当初計画が難航する中、再編された吉崎電気鉄道株式会社が設立される。
  • 1927京都電燈が経営に参加し、社名を三国芦原電鉄に改めて着工する。
  • 192812月30日:三国芦原電鉄が最初の区間、福井口駅 - 芦原駅(現:あわら湯のまち駅)間を開業する。
  • 19291月31日:芦原駅 - 三国町駅(現:三国駅)間が開業。同年、京都電燈越前電気鉄道線の福井駅への直通運転を開始する。
  • 19325月28日:海岸線として電車三国駅 - 東尋坊口駅間が延伸開業し、路線が戦前の最大規模に達する。
  • 19428月1日:戦時下の事業統合により、三国芦原電鉄が京福電気鉄道に合併し、路線は同社の三国芦原線となる。
  • 19441月11日:海岸線の電車三国駅 - 東尋坊口駅間が不要不急線として休止される(後に廃止)。
  • 194410月11日:京福電気鉄道が国有の三国線の三国駅 - 三国港駅間を引き継ぎ、直流600ボルトで電化して開業。現在の営業区間となる。
  • 20016月24日:京福電気鉄道越前本線での2件の衝突事故(2000年・2001年)と、これを受けた事業改善命令により、京福電気鉄道は三国芦原線の全線運行を休止する。
  • 20032月1日:えちぜん鉄道が京福電気鉄道から路線を引き継ぐ(1月17日に国土交通省が事業譲渡譲受を認可)。
  • 20037月20日:福井口駅 - 西長田駅間が運行再開(芦原湯町駅をあわら湯のまち駅、西福井駅を福大前西福井駅に改称)。8月10日:西長田駅 - 三国港駅間が運行再開し、全線に列車が戻る。
  • 20159月27日:北陸新幹線高架橋に沿った仮線への切り替えに伴い、まつもと町屋駅が開業する。
  • 20163月27日:田原町駅 - 鷲塚針原駅間で福井鉄道福武線との相互直通運転が「フェニックス田原町ライン」として開始される。
  • 20173月25日:全駅で駅ナンバリングが実施される。
  • 20186月24日:福井口駅が地上駅から高架駅へと改築される。

出典