歴史
この路線は貨物鉄道として始まった。1929年2月13日、門司築港(1943年12月に門築土地鉄道へ改称)により、門司(現・門司港)駅 - 門築大久保駅間の1.5キロメートルが開業した。1930年4月1日には外浜駅が開業し、門司 - 外浜間は国鉄鹿児島本線の貨物支線となった。1960年には門築土地鉄道線が廃止され、田野浦までの側線とあわせて、市営の田野浦公共臨港鉄道として再編された。
1987年の国鉄分割民営化により、門司港 - 外浜間はJR貨物が継承した。その後、路線の管理は錯綜することとなる。鉄道事業法の施行に際し、北九州市は田野浦公共臨港鉄道について第三種鉄道事業免許を取得しなければならなかったが、これを失念しており、督促すべきJR貨物や九州運輸局もまた失念した結果、同鉄道は無免許で運行を続ける状態となっていた。この問題は1997年に発覚し、1999年5月27日に田野浦公共臨港鉄道が外浜駅の側線として認可されたことで、ようやく解消された。
その間、路線が横切る臨海部は大きく姿を変えていた。1988年、北九州市は門司港レトロ第一期整備事業に着手し、旧門司駅周辺の歴史ある港町を観光地区へと再生した。1991年からは、同地区が集める観光客を対象とする観光列車の運転を市が検討し始め、この検討が、商業輸送を終えた貨物用線路を再利用する素地となった。
路線における貨物列車の運行は2004年3月25日に終了し、2005年10月1日に全線が正式に営業休止となった。恒常的な運行が始まる前に、市は線路上でトロッコ列車のイベントを複数回開催した。最初のイベントは2006年春に数日間行われ、旧上山田線の熊ヶ畑駅跡付近で毎年秋に催される「トロッコフェスタ」の車両を借りて「しおかぜ号」と名付けた列車を走らせた。続いて2007年・2008年にもイベントが行われ、2008年には平成筑豊鉄道の車両も参加した。
復活は2008年に正式な手続きへと移った。平成筑豊鉄道と北九州市は2008年3月13日に国土交通省九州運輸局へ鉄道事業の許可を申請し、同年6月4日に許可書が交付された。門司港 - 外浜間のJR貨物の区間は、2008年9月5日に正式に廃止された。2009年1月30日には、山口銀行との命名権契約に基づき、路線の愛称が「やまぎんレトロライン」に決定し、あわせて4駅の正式駅名が定められた。
門司港レトロ観光線は、2009年4月26日に九州鉄道記念館駅 - 関門海峡めかり駅間で開業した。同年10月14日には第8回「日本鉄道賞」の特別表彰に選定されるなど早くから評価を受け、同年11月21日には利用客が20万人を突破した。2010年3月13日からは1日14往復に増発された。2011年11月3日、命名スポンサーの再編に伴い、路線の愛称は「やまぎんレトロライン」から「北九州銀行レトロライン」へ変更され、2013年3月16日からはダイヤが1日11往復に落ち着いた。
現在、この路線は季節・週末の観光路線として、主に土曜・休日におよそ40分間隔で運行されている。最大の混乱は2018年7月6日に起きた。平成30年7月豪雨の大雨により線路内に土砂が流入し運休を余儀なくされたもので、運行は2018年7月21日に再開された。潮風号は今なお、この孤立した小さな路線で唯一の列車として、門司港の博物館地区と海峡が最も狭まる地点の和布刈公園との間を、関門海峡沿いにゆっくりと走り続けている。
年表
- 19292月13日:門司築港により、門司(現・門司港)駅 - 門築大久保駅間 (1.5km) が開業。
- 19304月1日:外浜駅開業。門司(現・門司港)駅 - 外浜駅間が国鉄鹿児島本線の貨物支線となる。
- 19604月15日:門築土地鉄道線が廃止。門築大久保駅 - 田野浦駅間の側線を含めて市営田野浦公共臨港鉄道となる。
- 19874月1日:国鉄分割民営化により、門司港駅 - 外浜駅間をJR貨物が継承。
- 1988北九州市が門司港レトロ第一期整備事業を開始。
- 19995月27日:田野浦公共臨港鉄道が外浜駅の側線として認可され、1997年に発覚した無免許の問題が解決する。
- 20043月25日:貨物列車の運行が終了する。
- 200510月1日:全線正式に営業休止。
- 2006春:北九州市が線路上で最初のトロッコ列車イベントを開催。旧上山田線の「トロッコフェスタ」の車両を用い、「しおかぜ号」と名付けた列車を走らせた。
- 20083月13日:平成筑豊鉄道および北九州市が国土交通省九州運輸局に事業許可を申請する。
- 20086月4日:国土交通省九州運輸局が許可書を交付する。9月5日にJR貨物の門司港 - 外浜間が廃止となる。
- 20091月30日:山口銀行との命名権契約により線名愛称が「やまぎんレトロライン」に決定し、4駅の正式駅名が決定。
- 20094月26日:門司港レトロ観光線 九州鉄道記念館駅 - 関門海峡めかり駅間が開業。11月21日に利用客が20万人を突破。
- 201111月3日:線名愛称を「やまぎんレトロライン」から「北九州銀行レトロライン」に変更。
- 20187月6日:平成30年7月豪雨による線路内土砂流入のため運休(7月21日運行再開)。
出典
事実確認日:2026年6月14日