JR線·約4分で読めます

大糸線

Ōito Line

大糸線(おおいとせん)は、北アルプス(飛騨山脈)の東側に沿って、長野県の松本から新潟県の日本海沿岸の糸魚川まで北上する、全長105.4キロメートルの鉄道路線である。軌間は1,067ミリメートルの狭軌で、全線が単線である。路線は南小谷駅を境に二つの事業者が分担しており、東日本旅客鉄道(JR東日本)が直流1,500ボルトで電化された松本 - 南小谷間70.1キロメートルを、西日本旅客鉄道(JR西日本)が非電化で気動車により運行される南小谷 - 糸魚川間35.3キロメートルを担当している。沿線には松本市・安曇野市などの通勤都市や、大町を中心とした仁科三湖の行楽地、白馬周辺のスキー・登山地があり、新宿から中央本線・篠ノ井線を経由して特急列車が乗り入れている。

大糸線の路線図 · 県境: 国土数値情報(国交省)

歴史

この路線は、もともと別々の三つの区間として建設された。南側の松本 - 信濃大町間は、現在のしなの鉄道とは無関係の私鉄である信濃鉄道によって建設され、最初の区間である松本市駅(現在の北松本駅) - 豊科間が1915年1月6日に開業した。その後数か月かけて段階的に延伸され、1915年11月2日には信濃大町に到達し、1916年には松本駅まで南へ延びて同駅での旅客営業を開始した。

残りの区間は国により建設された。信濃大町から北へ向かう大糸南線の建設は1929年9月25日に始まり、別線の大糸北線は1934年11月14日に糸魚川 - 根知間が開業し、翌年には小滝まで延伸された。路線名は、信濃大町(大町)と糸魚川(糸魚川)を結ぶというこの国の建設計画に由来し、それぞれの地名から一文字ずつを取ったものである。1937年6月1日には、信濃鉄道の松本 - 信濃大町間が国有化されて官設鉄道に編入された。

電化は南半分で段階的に進んだ。信濃鉄道は既に1926年1月8日に松本 - 信濃大町間を直流1,500ボルトで電化していた。国有化後、架線は段階的に北へと延ばされ、1959年7月17日に信濃四ツ谷(現在の白馬)まで、1960年7月20日に信濃森上まで、そして1967年12月20日に信濃森上 - 南小谷間が電化されたが、いずれの延伸も沿線の観光開発の進展を背景とするものであった。南小谷以北の北側、JR西日本区間は電化されなかった。

長く分断されていた北線と南線は、1957年8月15日に中土 - 小滝間が開業したことでついに結ばれた。この直通連絡により松本 - 糸魚川間の全区間が全通し、大糸北線と新規開業区間は大糸南線に編入されて、統合された路線は大糸線と改称された。南半分では1960年代初頭までに蒸気機関車が気動車に置き換えられ、その後の数十年で腕木式信号機が色灯式信号機に取って代わり、「あずさ」や「しなの」といった特急列車が乗り入れるようになった。

1983年3月25日には全線で列車集中制御装置(CTC)が導入された。1987年4月1日の国鉄分割民営化に伴い、路線は分割され、松本 - 南小谷間はJR東日本が、南小谷 - 糸魚川間はJR西日本が継承し、日本貨物鉄道が松本 - 信濃大町間の貨物事業者となる一方、信濃大町以北の貨物営業は廃止された。姫川沿いの山岳区間は自然災害に弱く、1995年7月11日の大規模な水害により信濃大町以北が不通となり、被災した南小谷 - 小滝間が全面復旧したのは1997年11月29日であった。2014年11月22日の神城断層を震源とする地震により再び路線は寸断され、12月7日に全線が復旧した。

2015年の北陸新幹線長野 - 金沢間の開業は、路線の北側の状況を一変させた。糸魚川を通る並行在来線の北陸本線がJR西日本から分離され、第三セクターのえちごトキめき鉄道へ移管されたため、大糸線のJR西日本区間はJR西日本の在来線網との接続を失い、JR東日本と第三セクター線を介してのみ到達できる孤立した区間となった。JR東日本は2016年12月12日に自社区間で駅ナンバーを導入し、南小谷の9から松本の42まで順番に駅に番号を付けた。非電化の北側区間の利用者が長期にわたり減少するなか、JR西日本は2022年2月3日、バス転換の可能性を含め、南小谷 - 糸魚川間の将来について沿線自治体との協議を開始すると発表した。

年表

  • 19151月6日:信濃鉄道が最初の区間である松本市駅(現・北松本駅) - 豊科間を開業。11月2日に信濃大町に到達。
  • 19169月18日:松本 - 北松本間の旅客営業を開始し、松本駅へ乗り入れる。
  • 19261月8日:信濃鉄道が松本 - 信濃大町間を直流1,500Vで電化。
  • 19299月25日:国が建設した大糸南線の最初の区間、信濃大町 - 簗場間が開業。
  • 193411月14日:別線の大糸北線、糸魚川 - 根知間が開業。
  • 19376月1日:信濃鉄道の松本 - 信濃大町間が国有化され、官設鉄道に編入される。
  • 19578月15日:中土 - 小滝間が開業して全通。大糸北線と新規開業区間が大糸南線に編入され、大糸線に改称。
  • 19597月17日:電化区間が信濃大町から信濃四ツ谷(現・白馬)まで延伸される。
  • 196712月20日:信濃森上 - 南小谷間が電化され、松本 - 南小谷間の電化が完成。
  • 19833月25日:全線に列車集中制御装置(CTC)が導入される。
  • 19874月1日:国鉄分割民営化により、松本 - 南小谷間をJR東日本が、南小谷 - 糸魚川間をJR西日本が継承。JR貨物が松本 - 信濃大町間の貨物事業者となり、信濃大町以北の貨物営業は廃止。
  • 19957月11日:集中豪雨(7.11水害)により信濃大町以北が不通となる。被災した南小谷 - 小滝間の全面復旧は1997年11月29日。
  • 199812月8日:JR東日本区間でE127系電車が運転を開始。
  • 201411月22日:長野県神城断層地震により信濃大町 - 糸魚川間が不通となる。12月7日に全線が復旧。
  • 201612月12日:JR東日本が自社区間に駅ナンバーを導入し、南小谷の9から松本の42まで順に番号を付ける。
  • 20222月3日:JR西日本が、バス転換などを含め南小谷 - 糸魚川間の将来について沿線自治体との協議を開始すると発表。

出典