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大山鋼索線

Ōyama Cable Line

大山鋼索線(おおやまこうさくせん)は、「大山ケーブルカー」の愛称で知られる、神奈川県伊勢原市の大山東斜面を登る短い鋼索鉄道(ケーブルカー)である。路線距離はわずか0.8キロメートルで駅数は3、軌間は1,067ミリメートル、単線2両交走式で運行され、高低差278メートルを登って標高約678メートルの山上側の駅に達する。小田急グループに属する大山観光電鉄が運営する唯一の路線で、大山阿夫利神社へ向かう参詣者の登拝の便を図るために建設され、今日では登山者の足としても利用されている。

横浜伊勢原市秦野市2 km
大山鋼索線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

大山は江戸時代から「大山講」と呼ばれる庶民の信仰を集めて賑わっており、本路線は阿夫利神社への険しい参道の上り下りを楽にするために構想された。1927年9月22日、大山鋼索鉄道の発起人に対し、大山町地内のおよそ1マイル(約1.6キロメートル)の鉄道免許状が下付された。会社自体は1928年9月に設立され、その所在地は東京市麹町区丸ノ内に置かれた。

ケーブルカーは1931年8月1日に大山鋼索鉄道として開業し、追分 - 不動尊 - 下社間0.7キロメートルを結んだ。当初から会社は、下社から阿夫利神社本社のある大山山頂までの延伸を計画していたが、その計画は進展せず、下社 - 山頂間の免許は、指定された期限までに工事が竣工しなかったため1937年9月14日に取り消された。

第二次世界大戦中、本路線は戦時下の窮乏の犠牲となった。1944年2月5日に不要不急線として廃止され、その軌道は撤去されてレールは戦争遂行のために供出された。こうして追分 - 下社間は姿を消し、以後20年にわたって山にケーブルカーは存在しなかった。

復活は戦後になってようやく実現した。1950年7月21日に新会社の大山観光が設立され、1951年2月19日には運輸省の運輸審議会を経て、旧追分 - 下社間の経路に路線を敷設する免許を取得した。同社は1953年8月に大山観光電鉄へと社名を変更し、1965年7月11日に追分 - 下社間0.8キロメートルの経路でケーブルカーを再開業した。日本の資料は、この1965年の復活が、不要不急線として休止ないし廃止されたケーブルカーが運行を再開した最後の事例であると記している。

再開した路線は山への主要な登拝手段としての役割に落ち着いたが、無事故というわけではなかった。1977年3月13日には車両が急停車し、乗客と車掌ら12人が負傷した。2008年10月1日には、来訪者にとっての役割を反映して3駅すべてが改称され、追分は大山ケーブル、不動前は大山寺、下社は阿夫利神社となった。

2010年代には老朽化した設備が更新された。2012年1月18日には車両故障が発生し、初電から全線が運休となったが、2月2日に運行を再開した。さらに、戦後の再開業以来使用されてきた客車「たんざわ」号・「おおやま」号が2015年5月17日に運行を終えると、5月18日から車両・レール・枕木・電気設備を更新する長期運休に入り、新型車両は2015年10月1日に運行を開始した。本路線は大山観光電鉄唯一の路線として、今も大山へ参詣者や登山者を運び続けている。

年表

  • 19279月22日:大山鋼索鉄道の発起人に対し、大山町地内のおよそ1マイル(1.6km)の鉄道免許状が下付される。
  • 19289月:大山鋼索鉄道が設立される。所在地は東京市麹町区丸ノ内。
  • 19318月1日:大山鋼索鉄道 追分 - 不動尊 - 下社間0.7kmが開業。
  • 19379月14日:下社 - 山頂間が、指定期限までに工事が竣工しなかったため免許取消となる。
  • 19442月5日:不要不急線として追分 - 下社間が廃止・撤去される。
  • 19507月21日:大山観光が設立される。
  • 19512月19日:大山観光に対し追分 - 下社間の地方鉄道敷設免許が下付される(運輸審議会を経る)。
  • 19538月:大山観光電鉄に社名変更。
  • 19657月11日:大山観光電鉄が追分 - 下社間0.8kmを再開業。不要不急線として休止・廃止されたケーブルカー復活の最後の事例となる。
  • 19773月13日:ケーブルカーが急停車し、乗客や車掌ら12人が負傷。
  • 200810月1日:追分駅を大山ケーブル駅、不動前駅を大山寺駅、下社駅を阿夫利神社駅に改称。
  • 20121月18日:車両故障により初電から全線運休となり、2月2日に運行を再開。
  • 20155月17日 - 10月1日:客車「たんざわ」号・「おおやま」号が運行を終了(5月17日)。5月18日から車両・レール・枕木・電気設備の大規模更新工事のため長期運休し、10月1日に新型車両の運行を開始。

出典