歴史
計画は神戸市によるポートアイランドの埋め立てから生まれた。1960年代後半以降、この沖合の新市街地内での交通手段を検討する委員会で新交通システム(AGT)の導入が決まり、1970年代半ばにかけて4つの側方案内方式のAGT機種が比較検討された。神戸市は地元企業を育成する立場から、川崎重工業・神戸製鋼所・三菱重工業による共同開発とし、KNT(Kobe New Transit)の名で開発を進めた。AGTへの国のインフラ補助は公営または公的出資率の高い事業者であることを条件としていたため、第三セクターの神戸新交通株式会社が建設・運営主体として設立され、ポートアイランドの造成と歩調を合わせて建設が進められた。
路線は竣工式の翌日にあたる1981年2月5日に、日本初の実用的な新交通システム(AGT)かつ世界初の自動無人運転方式として開業した。開業当初の経路は三宮から南公園を経て中公園に至る一方通行のループで、約6.4キロメートル・9駅で三宮とポートアイランドを結んでいたが、開業時にはなお添乗員が乗務していた。完全な無人運転は1982年8月1日に完了した。全駅には日本で初めてとなるフルスクリーンタイプのホームドアが設置され、最小曲線半径30メートル、最大50パーミルの急勾配といった線形は、高層ビルや高速道路を縫って走るAGTの性能を最大限に引き出すよう設計されていた。
開業は、1981年3月20日から9月15日まで開催された神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア'81)と重なり、会期中は観客輸送が中心となった。乗客数は当初の需要予測を大幅に上回り、開催間もないころは新技術への不慣れもあって自動停止や出発不能などのトラブルが多発し、批判も少なくなかった。しかしその後は安定し、博覧会輸送を無事に乗り切って、全国にAGTおよび無人運転システムが広まる先駆けとなった。博覧会終了後は、島民の足や島内施設へのアクセス路線として定着していった。
1995年1月17日、阪神・淡路大震災により全線が不通となった。車両自体は安全に急停車して大きな損傷はなかったものの、高架橋・橋脚・橋桁は大きな被害を受け、桁の落下や桁ずれ、島内の基礎の液状化などが生じた。路線が全線高架であり、ミリ単位の精度を要する小さな集電装置を用いること、またこの種のAGTの被災が世界的にも前例のないものであったことから、復旧には相当な日数を要するとされた。突貫工事により、中公園 - 北埠頭間のループ区間が1995年5月22日に、北埠頭 - 中公園間が6月5日に運転を再開し、7月31日には震災から195日ぶりに全線が開通した。
ポートアイランド沖に神戸空港を建設する構想が具体化すると、そのアクセス路線として延伸が行われた。1998年の当初計画では総延伸距離6.7キロメートルが想定されていたが、2000年9月に神戸市が発表した改定計画で工事が二分されて西側区間が先送りされ、現在の5.4キロメートルの延伸となった。2度の軌道切替工事による運休を経て、市民広場 - 神戸空港間の延伸区間は神戸空港の2月16日の開港に先立つ2006年2月2日に開業した。同時に中公園 - 市民広場間が複線化され、快速運転が始まり、運賃制度も単一距離制から区間距離制へと移行した。
その後、いくつかの駅が改称されている。2011年7月1日には、市の中央市民病院の移転と理化学研究所の次世代スーパーコンピュータ「京」の進出に伴い、市民病院前・先端医療センター前・ポートアイランド南の各駅が、それぞれみなとじま・医療センター・京コンピュータ前へと改称された。スーパーコンピュータ「京」の運用終了を受けて、京コンピュータ前駅は2021年6月19日に計算科学センター駅へ改称された。2006年に導入された快速運転は2016年3月28日のダイヤ改正で廃止され、利用者の増加を受けて持ち上がった、開業時からの6両編成を8両に増やす構想は実現していない。
年表
- 19812月4日の開業式の翌日、2月5日に三宮 - 南公園 - 中公園間(約6.4km・9駅)が、日本初の実用的なAGTかつ世界初の自動無人運転方式として開業。
- 19813月20日 - 9月15日:神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア'81)が開催され、会期中は観客輸送が中心となる。
- 19828月1日:列車の完全無人化が完了。開業当初は添乗員が乗務していた。
- 19951月17日:阪神・淡路大震災により全線が不通となり、高架橋・橋脚・橋桁が大きな被害を受ける。
- 19955月22日:中公園 - 北埠頭間が運転再開。6月5日:北埠頭 - 中公園間が運転再開。7月31日:震災から195日ぶりに全線が開通。
- 20062月2日:神戸空港の2月16日の開港に先立ち、市民広場 - 神戸空港間が延伸開業。中公園 - 市民広場間が複線化され、快速運転を開始、運賃制度も単一距離制から区間距離制へ移行。延伸距離は5.4km。
- 20117月1日:中央市民病院の移転とスーパーコンピュータ「京」の進出に伴い、市民病院前・先端医療センター前・ポートアイランド南の各駅を、みなとじま・医療センター・京コンピュータ前にそれぞれ改称。
- 20163月28日:ダイヤ改正で2006年導入の快速列車を廃止し、朝ラッシュ時に三宮 - 京コンピュータ前間の折り返し列車を設定。
- 20216月19日:スーパーコンピュータ「京」の運用終了を受け、京コンピュータ前駅を計算科学センター駅に改称。
出典
事実確認日:2026年6月14日