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陸羽東線

Rikuu East Line

陸羽東線(りくうとうせん)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が運営する営業キロ94.1キロメートルの鉄道路線で、東北地方の宮城県遠田郡美里町の小牛田駅を起点に、奥羽山脈を越えて山形県新庄市の新庄駅へと至る。全線が単線・非電化で、軌間は1,067ミリメートルの狭軌、駅数は27であり、小牛田で東北本線に、新庄で奥羽本線に接続し、山中の鳴子温泉をはじめとする温泉地を貫いている。1999年からは「奥の細道湯けむりライン」の愛称を用いており、芭蕉の紀行文と沿線の温泉の湯けむりの双方を想起させる名となっている。

陸羽東線の路線図 · 県境: 国土数値情報(国交省)

歴史

この路線は1910年代に両端から段階的に建設された。最初の区間である小牛田 - 岩出山間(24.8キロメートル)は、1913年4月20日に陸羽線として開業し、古川・中新田・岩出山の各駅が新設された。1914年4月19日には岩出山 - 川渡間(14.0キロメートル)が、1915年4月18日には川渡 - 鳴子間(6.1キロメートル)が延伸開業し、線路は温泉地へと近づいていった。

一方、新庄側からも建設が進められた。1915年11月1日に新庄 - 瀬見間(19.1キロメートル)が別の新庄線として開業し、1916年8月1日には羽前向町(9.4キロメートル)に達した。両者は1917年11月1日についに結ばれ、鳴子 - 羽前向町間が開業して全通すると、同日に新庄線が陸羽線に編入されて全体が陸羽東線と改称され、中山平・堺田・富沢の各駅が新設された。

山中を走るこの路線は、厳しい冬の気象に弱かった。1927年2月3日には瀬見駅付近で下り列車が雪崩に襲われて転覆し、3名が即死した。1929年2月13日には長沢 - 瀬見間で吹雪のため小牛田行き列車が立ち往生し、134人が12時間後にようやく救出された。1934年5月15日には小牛田 - 陸前古川間でガソリンカーの運転が始まった。第二次世界大戦中の1944年12月1日には鳥越信号場が新設され、鳥越信号場 - 新庄間(5.0キロメートル)が単線化されて奥羽本線と共用とされたが、この措置は1960年12月20日に信号場の廃止とともに解消され、別線に戻された。

戦後の数十年間には地方の駅が着実に増設され、運転の近代化も進んだ。蒸気機関車の運転は1974年3月23日に終了し、1983年3月7日にはCTC(列車集中制御装置)が導入された。1987年4月1日の国鉄分割民営化に際しては、古川 - 新庄間の貨物営業が廃止され、路線は全線にわたって東日本旅客鉄道が第一種事業者として継承し、日本貨物鉄道(JR貨物)が小牛田 - 古川間(9.3キロメートル)について第二種の権利を引き継いだ。JR貨物は2002年4月1日にこの権利を廃止した。

1990年代以降、この路線は温泉を軸に再ブランド化されていった。1998年12月8日には小牛田 - 鳴子温泉間にキハ110形気動車が投入され、ワンマン運転が始まった。あわせて温泉名を冠した駅名改称が相次ぎ、1997年には川渡が川渡温泉に、鳴子が鳴子温泉に、中山平が中山平温泉に改称されるなどした。1999年12月4日には公募で決まった愛称「奥の細道湯けむりライン」の使用が始まり、羽前向町・瀬見・羽前赤倉がそれぞれ最上・瀬見温泉・赤倉温泉に改称された。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震では全線が4月3日まで不通となり、4月7日の余震で再び4月16日まで運休した。2014年には路線が仙台近郊区間に編入され、古川・鳴子温泉でICカード「Suica」のサービスが始まった。

2024年7月26日には山形最上地域の大雨により鳴子温泉 - 新庄間が不通となり、線路脇の山からの大規模な土砂流入を含む同区間19箇所で被害が生じ、以後この区間は運休が続いている。鳴子温泉 - 新庄間の復旧工事は2025年9月に着手された。今日も陸羽東線はキハ110形による普通列車を奥羽の分水嶺を越えて走らせており、私鉄時代の段階的建設、戦時中の線路共用、国有化、そして1987年のJR東日本への移行を経てきた、風光明媚な非電化の温泉路線であり続けている。

年表

  • 19134月20日:小牛田 - 岩出山間(24.8 km)が陸羽線として開業し、古川・中新田・岩出山の各駅を新設。
  • 19144月19日:岩出山 - 川渡間(14.0 km)が延伸開業。
  • 19154月18日:川渡 - 鳴子間(6.1 km)が延伸開業。11月1日:新庄 - 瀬見間(19.1 km)が新庄線として新規開業。
  • 19168月1日:瀬見 - 羽前向町間(9.4 km)が延伸開業。
  • 191711月1日:鳴子 - 羽前向町間が延伸開業して全通。陸羽線に新庄線を編入して陸羽東線と線名改称し、中山平・堺田・富沢の各駅を新設。
  • 19272月3日:瀬見駅付近で下り701列車が大雪崩に襲われ転覆し、3名が即死。
  • 19345月15日:小牛田 - 陸前古川間でガソリンカーの運転を開始。
  • 194412月1日:鳥越信号場を新設し、鳥越信号場 - 新庄間(5.0 km)を撤去し奥羽本線と共用化(1960年に解消)。
  • 19743月23日:蒸気機関車の運転を終了。
  • 19833月7日:CTC(列車集中制御装置)を導入。
  • 19874月1日:国鉄分割民営化に伴い、古川 - 新庄間の貨物営業を廃止。東日本旅客鉄道が全線・第1種、日本貨物鉄道が小牛田 - 古川間(9.3 km)・第2種を承継。
  • 19973月22日:川渡を川渡温泉に、鳴子を鳴子温泉に、中山平を中山平温泉に改称するなど、温泉名を冠した駅名改称を実施。
  • 199812月8日:小牛田 - 鳴子温泉間にキハ110形気動車を投入し、ワンマン運転を開始。
  • 199912月4日:公募により決定した愛称「奥の細道湯けむりライン」の使用を開始。羽前向町を最上に、瀬見を瀬見温泉に、羽前赤倉を赤倉温泉に改称。
  • 20024月1日:日本貨物鉄道が小牛田 - 古川間の第二種鉄道事業を廃止。
  • 20247月26日:山形最上地域の大雨により鳴子温泉 - 新庄間が不通となり、大規模な土砂流入など19箇所で被害(運休継続)。2025年9月に復旧工事に着手。

出典