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留萌線

Rumoi Main Line

留萌本線(るもいほんせん)は、北海道旅客鉄道(JR北海道)が運営していた、全線非電化・単線の鉄道路線である。最も長かった時期には、函館本線と接続する深川駅から、日本海に面した漁港・増毛駅までの66.8キロメートルを、軌間1,067ミリメートルの狭軌で結んでおり、最高速度は95km/hであった。石炭・木材・海産物を留萌港へ輸送するために計画された路線であるが、利用者の激減に伴って2010年代から2020年代にかけて段階的に短縮され、2026年4月1日に最後まで残った区間が廃止されて全線が消滅した。

秩父別町2 km
留萌線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は、北海道鉄道敷設法に規定する予定線として建設されたもので、日本海北部に面する天塩地方随一の良港として栄えた留萌港への輸送を目的としていた。最初の区間は、官設鉄道の留萌線として、1910年(明治43年)11月23日に深川駅 - 留萌駅(31.1マイル≒約50.1キロ)間で開業し、筑紫駅(のちの秩父別駅)、沼田駅、恵比島駅、峠下駅、幌糠駅、藤山駅、大和田駅などの中間駅が設けられた。続いて1921年(大正10年)11月5日に留萌駅 - 増毛駅間(10.4マイル≒約16.7キロ)が延伸開業して全通し、港町へと続く沿岸の各駅が開業した。

1927年以降、鉄道は留萌より北の大椴方面へさらに延伸したが、1931年(昭和6年)10月10日、それらの沿岸区間(留萌 - 古丹別間、44.1キロ)は分離されて羽幌線に改称され、同じ日に深川 - 留萌 - 増毛間66.8キロが「本線」へと改称・類別された。1949年(昭和24年)6月1日には、日本国有鉄道(国鉄)の発足に伴い同社へ移管された。戦後の数十年間、この路線には普通列車に加え「るもい」「はぼろ」「ましけ」といった準急・急行列車が設定され、その一部は羽幌線へ直通していたが、これらの優等列車のうち最後まで残った急行「るもい」「はぼろ」は1986年(昭和61年)11月1日に廃止された。

この路線では、1946年(昭和21年)3月14日に重大な事故が発生している。礼受駅 - 舎熊駅間の信砂川橋梁で、下り列車最後尾の客車が雪害により脱線して河川中に転落し、死者17名・負傷者67名を出した。国鉄時代には鉄道貨物輸送が盛んで、多くの駅に交換設備が設けられていたが、貨物列車の削減に伴って順次撤去された。1978年(昭和53年)10月2日には留萌駅 - 増毛駅間の貨物営業が廃止され、鉄道貨物輸送全体の衰退が路線本来の存在意義を徐々に失わせていった。

1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化に伴い、JR北海道が第一種鉄道事業者として全線を承継し、日本貨物鉄道(JR貨物)が深川駅 - 留萌駅間の第二種鉄道事業者となった(同区間の第二種鉄道事業は1999年4月1日に廃止)。1997年(平成9年)4月1日には、線名や主要駅名に用いる漢字が改められ、旧来の「留萠」が「留萌」に変わって、現在の表記である留萌本線となった。自動車や並行する深川留萌自動車道に利用者を奪われ、留萌駅 - 増毛駅間の輸送密度は1987年の1日あたり約480人から2014年には39人にまで落ち込み、JR北海道は単独での路線維持が困難であるとの姿勢を示すようになった。

2015年(平成27年)8月10日、会社全体の経費削減が進むなか、JR北海道は特に利用者の少ない留萌駅 - 増毛駅間16.7キロを廃止する意向を留萌市長と増毛町長に正式に伝達した。沿線自治体がこれを受け入れると、JR北海道は鉄道事業廃止を届け出て廃止日を繰り上げ、最終運行日の2016年(平成28年)12月4日を経て翌5日に同区間が廃止され、8駅が姿を消した。同年11月の発表でJR北海道は、残る深川駅 - 留萌駅間を「当社単独では維持することが困難な線区」の一つに挙げ、沿線4市町との長い協議が始まった。

路線を維持する条件で折り合わず、関係者は2段階での廃止を選んだ。JR北海道は2022年7月に、石狩沼田駅 - 留萌駅間を2023年3月末に、深川駅 - 石狩沼田駅間をその後の2026年3月末に廃止する案を提案し、同年8月30日に沿線4市町がこれを受け入れた。これにより35.7キロの石狩沼田駅 - 留萌駅間は2023年(令和5年)4月1日に廃止され(最終運行は3月31日)、留萌振興局管内から鉄道路線が消滅した。残された14.4キロの深川駅 - 石狩沼田駅間は、一時、「本線」を名乗るJR線で最も距離の短い路線となった。

最後の局面は、この14.4キロの区間の廃止であった。2026年(令和8年)3月14日のダイヤ改正で函館本線との直通運転が終了し、以降は廃止までの臨時ダイヤで運行されたのち、深川駅 - 石狩沼田駅間は2026年4月1日に廃止された(最終運行は3月31日)。これにより留萌本線は全区間が廃止され、線路名称が消滅した。JR線全体としても三江線以来の全線廃止である。廃線跡の用地や駅舎は順次沿線の市町に譲渡されるか撤去され、旧・増毛駅は観光施設として保存されている。

年表

  • 191011月23日:官設鉄道の留萌線として、深川駅 - 留萌駅間(31.1マイル≒約50.1km)が開業。
  • 192111月5日:留萌駅 - 増毛駅間(10.4マイル≒約16.7km)が延伸開業し、全長66.8kmに達する。
  • 193110月10日:沿岸の留萌 - 古丹別間(44.1km)が分離されて羽幌線に改称され、深川 - 留萌 - 増毛間(66.8km)が「本線」に改称される。
  • 19463月14日:礼受駅 - 舎熊駅間の信砂川橋梁で下り列車最後尾の客車が雪害により脱線して河川中に転落し、死者17名・負傷者67名を出す。
  • 19496月1日:日本国有鉄道(国鉄)の発足に伴い、同社へ移管。
  • 197810月2日:留萌駅 - 増毛駅間の貨物営業が廃止。
  • 198611月1日:急行「るもい」「はぼろ」が廃止され、優等列車の設定がなくなる。
  • 19874月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR北海道が第一種鉄道事業者として全線を承継。JR貨物が深川駅 - 留萌駅間の第二種鉄道事業者となる。
  • 19974月1日:線名・主要駅名の漢字が旧来の「留萠」から「留萌」に改められ、現在の留萌本線となる。
  • 19994月1日:JR貨物が深川駅 - 留萌駅間の第二種鉄道事業を廃止。
  • 20158月10日:JR北海道が留萌駅 - 増毛駅間16.7kmを廃止する意向を留萌市長・増毛町長に正式に伝達。
  • 201612月5日:留萌駅 - 増毛駅間(16.7km、8駅)が廃止(最終運行は12月4日)。
  • 20228月30日:沿線4市町が2段階での廃止(石狩沼田 - 留萌を2023年春、残りを2026年春)に合意。
  • 20234月1日:石狩沼田駅 - 留萌駅間(35.7km)が廃止(最終運行は3月31日)。留萌振興局管内から鉄道が消滅し、残る14.4kmが「本線」を名乗る日本最短の路線となる。
  • 20263月14日:ダイヤ改正で函館本線との直通運転が終了。4月1日:深川駅 - 石狩沼田駅間(14.4km)が廃止(最終運行は3月31日)し、全線廃止となって線路名称が消滅。

出典