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境線

Sakai Line

境線(さかいせん)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が日本西部の山陰地方、鳥取県で運営する営業キロ17.9キロメートルの鉄道路線である。県内最大の都市である米子から弓ヶ浜半島に沿って北上し、港町である境港市の境港駅に至り、16の駅を擁する。軌間は1,067ミリメートルの狭軌で全線単線、そのほとんどが非電化であり、電化されているのは米子 - 後藤間の短い区間のみで、これは直流1,500ボルトながら電車運転のためではなく後藤車両所への出入りのために存在する。地方交通線でありながら、この路線は境港で育った漫画家・水木しげるにちなんだ「ゲゲゲの鬼太郎」の妖怪をテーマにした凝った装飾で全国的に知られている。

米子市2 km
境線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は山陰地方でも有数の古い鉄道である。1902年11月1日に、境・米子・御来屋を結ぶ区間が、開業当初の境・大篠津・後藤・米子の各駅とともに開業した。当初、距離は旧来のマイルとチェーンで表され、境 - 米子間は10マイル63チェーンとされていたが、数日後の1902年11月12日には単位がマイルのみに簡略化された。

この鉄道の役割は1908年に変化した。同年4月5日に米子 - 安来間が開業して東への直通経路が延びると、米子 - 境間は支線へと位置づけが変わった。翌1909年10月12日には国有鉄道の線路名称が制定され、この支線は正式に境線と命名された。その後の二十年ほどの間にさまざまな変化が続いた。1914年12月には境駅が移転し、1915年には蒸気動車の運転が始まり、1917年には弓ケ浜駅が開業し、1919年7月1日には終点の境駅が境港駅に改称された。1930年4月1日には距離の単位がマイルからキロメートルに改められて路線の長さが17.9キロメートルに定まり、1933年には気動車運転が始まった。

この路線は二十世紀半ばにかけて中間駅を整えていった。1932年に余子駅が、1951年に和田浜駅が開業し、1952年7月1日には博労町・河崎口・中浜・上道の四駅がまとめて開業した。1935年1月には境の町を大火が襲い、住民の避難を助けるために救援列車が運行された。これは、この路線が危機にあって地域に奉仕した早い例である。

現代の営業期には、路線のごく一部のみが電化された。1982年6月21日に米子 - 後藤間が直流1,500ボルトで電化されたが、これは車両が後藤車両所へ出入りできるようにするためだけのものであり、残りの区間は当時も現在も非電化のままである。貨物はこの路線の貨物輸送の衰退を映していた。隠岐諸島への航路と連絡するための船着場仮乗降場が1984年に境港に開設されたが1986年に廃止され、1986年11月1日には全線の貨物営業が廃止された。日本国有鉄道の分割民営化に伴い、境線の運営は1987年4月1日にJR西日本へと引き継がれ、同年11月にはJR西日本が独自に富士見町・三本松口・御崎口・高松町・馬場崎町の五つの新駅を開設した。

1990年代以降、この路線は今日その名を高めることになった図像を取り入れた。境港は妖怪漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげるの故郷であり、市内に水木しげるロードという観光道路が整備された後、JR西日本は1993年9月19日に装飾を施した「鬼太郎列車」の運行を開始した。同年には一部列車でワンマン運転も導入された。その後もテーマ列車が次々と登場し、2005年3月17日には路線の各駅にこの作品に登場する妖怪の愛称が付けられた。長年にわたり、鬼太郎・ねずみ男・ねこ娘・目玉おやじなどのキャラクター列車が何代にもわたって塗り替えられ、静かな田舎の支線をそれ自体が観光名所へと変えていった。

この路線は近年も近代化を続けている。2008年には空港の滑走路が延長されたことに伴って線路が付け替えられ、かつての大篠津駅が米子空港駅へと改められた。2015年には新しい電子閉塞装置の使用が始まり、2019年3月16日にはJR西日本初の車載型IC改札機によって全線でICOCAが利用可能となった。2022年3月のダイヤ改正からは、3両・4両編成の列車でもワンマン運転が始まった。今日の境線は、弓ヶ浜半島を経て境港や隠岐諸島へのフェリーへと至る鉄道連絡路として、また日本でも有数の個性的なテーマ路線として親しまれる、ささやかな単線の地方鉄道であり続けている。

年表

  • 190211月1日:境駅 - 米子駅 - 御来屋駅間が開業し、境・大篠津・後藤・米子の各駅が開業(境 - 米子間は10マイル63チェーン)。
  • 19084月5日:米子駅 - 安来駅間開業に伴い、米子駅 - 境駅間が支線となる。
  • 190910月12日:国有鉄道線路名称制定により、境線となる。
  • 19197月1日:境駅を境港駅に改称。
  • 19304月1日:営業距離の単位をマイルからメートルに変更(17.9 km)。
  • 19336月17日:気動車運転開始(蒸気動車は1915年に運転開始)。
  • 19351月12日:境町大火が発生し、救援列車が運行される。
  • 19527月1日:博労町・河崎口・中浜・上道の各駅が開業(和田浜駅は1951年に開業)。
  • 19826月21日:米子駅 - 後藤駅間が電化(後藤車両所への出入りのため)。
  • 198611月1日:全線の貨物営業が廃止(隠岐航路連絡の船着場仮乗降場は1984年開設・同年9月廃止)。
  • 19874月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が継承。11月1日には富士見町・三本松口・御崎口・高松町・馬場崎町の五駅が開業。
  • 19939月19日:境港の水木しげるロード整備を受けて「鬼太郎列車」の運行を開始。11月には一部列車でワンマン運転を開始。
  • 20053月17日:ゲゲゲの鬼太郎に登場する妖怪を駅名の愛称に採用。
  • 20086月15日:空港滑走路延長に伴い線路を付け替え、大篠津駅を米子空港駅に、御崎口駅を大篠津町駅に改称。
  • 20193月16日:JR西日本初の車載型IC改札機により、全線でICOCAが利用可能となる。
  • 20223月12日:ダイヤ改正により、3・4両編成列車のワンマン運転を開始。

出典