JR線·約4分で読めます

桜島線

Sakurajima Line

桜島線(さくらじません)は、大阪府大阪市此花区の西九条駅から桜島駅までを結ぶ、西日本旅客鉄道(JR西日本)が運営する営業キロ4.1キロメートルの鉄道路線である。全線が此花区内にあり、大阪環状線と接続する西九条駅を起点に桜島駅へと至り、駅数は全部で4駅である。軌間1,067ミリメートルの狭軌で直流1,500ボルトで電化されており、利用者には「JRゆめ咲線」(ジェイアールゆめさきせん)の愛称で知られ、旅客案内で正式名称の「桜島線」と案内されることはほとんどない。長く臨海部の工場を結ぶ短い貨物・通勤路線であったが、2001年のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)開業後はその主要なアクセス路線となり、現在は工場の通勤客と観光客が入り混じって利用するほか、西九条駅 - 安治川口駅間では貨物列車も運行されている。

大阪西淀川区港区大正区西成区西区浪速区2 km
桜島線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線はもともと独立した路線ではなく、私設の西成鉄道が建設した西成線の一部であった。1898年4月5日、同社は大阪駅 - 安治川口駅間(約5.87キロメートル)を開業し、大阪駅 - 福島駅間は貨物営業のみで、福島駅・野田駅・安治川口駅が新たに開業した。西九条駅は同年10月1日に開業している。大阪駅 - 福島駅間の旅客営業は1899年5月1日に始まった。1904年12月には政府の鉄道作業局が同線を借り上げ、1905年4月1日には安治川口駅から臨海部の新しい終着駅である天保山駅まで(約1.61キロメートル)が延伸された。

西成鉄道は1906年12月1日に国有化された。1909年10月12日に国有鉄道線路名称が制定されると、大阪駅 - 天保山駅間は正式に西成線と名付けられた。1910年4月15日には安治川口駅 - 天保山駅間の短い区間が廃止され、新たに安治川口駅 - 桜島駅間が開業した。天保山駅は廃止され桜島駅が開業したが、これは実態としては路線の延伸と、従来の終着駅の移転・改称にあたるものであった。福島駅 - 西九条駅 - 安治川口駅間は1912年7月に複線化された。

1934年3月25日にはキハ42000形を用いたガソリンカーの運行が始まった。1940年1月29日には安治川口駅構内でガソリンカーが脱線・炎上する西成線列車脱線火災事故が発生し、189人が死亡、69人が負傷する、戦前の日本でも有数の重大な鉄道事故となった。大阪駅 - 桜島駅間は1941年5月1日に直流1,500ボルトで電化され、1943年11月21日には安治川口駅から大阪北港駅までの貨物支線が開業した。

現在の桜島線は1961年4月25日に成立した。大阪環状線が全通すると、西九条駅 - 桜島駅間(当時4.5キロメートル)が、安治川口駅 - 大阪北港駅間の貨物支線とともに分離され、桜島線と改称された。桜島駅は1966年3月に約0.5キロメートル移転し、大阪環状線との直通運転は1968年3月25日に廃止された。安治川口駅 - 大阪北港駅間の貨物支線は1982年11月15日に廃止され、安治川口駅 - 桜島駅間の貨物営業は1986年11月に終了した。そして1987年4月1日、国鉄分割民営化により同線はJR西日本に承継され、日本貨物鉄道(JR貨物)が西九条駅 - 安治川口駅間の第二種鉄道事業者となった。

この路線を大きく変えたのがユニバーサル・スタジオ・ジャパンである。テーマパークの用地を確保するため、1999年4月1日に安治川口駅 - 桜島駅間が新たに建設された複線の経路へ切り替えられ、桜島駅は再び移転した。運河が埋め立てられて使われなくなっていた北港運河の可動橋(跳開橋)は、この際に残された。USJの最寄り駅であるユニバーサルシティ駅は2001年3月1日に開業し、同時にJR西日本は「JRゆめ咲線」の愛称を使用し始めた。この愛称は公募で選ばれたもので、柔らかな語感と、沿線のベイエリアが「大阪の夢」が咲きつつある地域であるという発想から採用された。工事のため中断していた大阪環状線との直通運転は、2001年3月3日に再開された。

パークへの大勢の利用客を確実に輸送するため、西九条駅 - ユニバーサルシティ駅間は2002年12月に双単線へと改良され、片方の線路が使えない場合でもそれぞれの線路で上下どちらの列車も運転できるようになった。車両も新しくなり、2005年に201系が運用を開始し、2016年12月25日からは線内の定期列車が323系の8両編成に置き換えられて、古い103系は2017年に、201系は2019年に運用を終えた。2018年3月17日には全線で駅ナンバーが導入された。2025年の大阪・関西万博開催時には、JR西日本は2025年3月15日から10月13日まで、梅田貨物線・桜島線を経由して新大阪駅 - 桜島駅間に臨時快速「エキスポライナー」を運行した。

年表

  • 18984月5日:私設の西成鉄道が大阪駅 - 安治川口駅間(約5.87km)を開業。大阪駅 - 福島駅間は貨物営業のみで、福島駅・野田駅・安治川口駅が開業。10月1日に西九条駅が開業。
  • 18995月1日:大阪駅 - 福島駅間で旅客営業を開始。
  • 190412月1日:鉄道作業局が借り上げ。
  • 19054月1日:安治川口駅 - 天保山駅間(約1.61km)が延伸開業し、天保山駅が開業。
  • 190612月1日:西成鉄道が国有化される。
  • 190910月12日:国有鉄道線路名称が制定され、大阪駅 - 天保山駅間が西成線となる。
  • 19104月15日:安治川口駅 - 天保山駅間が廃止され、安治川口駅 - 桜島駅間が開業。天保山駅が廃止、桜島駅が開業(実態は路線の延伸と終着駅の移転・改称)。
  • 19343月25日:キハ42000形によるガソリンカーの運行が始まる。
  • 19401月29日:安治川口駅構内でガソリンカーが脱線・炎上する西成線列車脱線火災事故が発生し、189人が死亡、69人が負傷。
  • 19415月1日:大阪駅 - 桜島駅間が電化される(直流1,500V)。
  • 194311月21日:安治川口駅 - 大阪北港駅間(3.4km)の貨物支線が開業。
  • 19614月25日:大阪環状線の全通に伴い、西九条駅 - 桜島駅間(当時4.5km)と安治川口駅 - 大阪北港駅間の貨物支線を分離し、桜島線となる。
  • 19683月25日:大阪環状線との直通運転が廃止される(桜島駅は1966年3月に約0.5km移転していた)。
  • 198211月15日:安治川口駅 - 大阪北港駅間の貨物支線が廃止され、大阪北港駅が廃止。
  • 19874月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継。日本貨物鉄道が西九条駅 - 安治川口駅間の第二種鉄道事業者となる。
  • 19994月1日:USJ建設予定地を避けるため、安治川口駅 - 桜島駅間を複線の新線に切り替え、桜島駅が移転(+0.1km)。
  • 20013月1日:ユニバーサルシティ駅が開業し、「JRゆめ咲線」の愛称使用を開始。3月3日に大阪環状線との直通運転を再開。
  • 200212月6日:西九条駅 - ユニバーサルシティ駅間を双単線に切り替え。
  • 201612月25日:323系(8両編成)が当路線で運用を開始(103系は2017年、201系は2019年に運用終了)。
  • 20183月17日:全線で駅ナンバーが導入される。
  • 20253月15日 - 10月13日:大阪・関西万博に伴い、梅田貨物線・桜島線経由で新大阪駅 - 桜島駅間に臨時快速「エキスポライナー」を運行。

出典