JR線·約3分で読めます

桜町支線

Nagasaki Electric Tramway Sakuramachi Line

桜町支線(さくらまちしせん)は、長崎県長崎市において長崎電気軌道が運営する営業距離0.9キロメートルの軌道路線で、九州に位置する。軌間1,435ミリメートルで、全線複線、直流600ボルト・架空電車線方式で電化されている。長崎駅前にある長崎駅前停留場と、蛍茶屋支線と接続する市役所停留場とを結ぶ。停留場は0.9キロメートルの区間に3つしかない。桜町を経由して本線と蛍茶屋支線を短絡する役割を担い、走行するのは3号系統のみで、約6分間隔で運行されている。

長崎市2 km
桜町支線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は長らく別の名で呼ばれていた。かつては古町支線(ふるまちしせん)と称し、小川町停留場(現・桜町停留場)付近からは急勾配を上って現在の桜町公園の北側を通り、勝山町と桶屋町・古町の境を経由して、古町停留場で蛍茶屋支線と合流するルートになっていた。1954年(昭和29年)に経路が変更されたが、その後も昭和58年度版までの『民鉄要覧』には「古町支線」の名で掲載されていた。

路線は大正時代に、長崎駅前方面から内陸へ向かう路線として開業した。1919年(大正8年)12月25日に最初の区間である長崎駅前 - 桜町(初代)間が開通し、恵美須町・豊後町・桜町の各停留場が開業した。支線は翌年に全通する。1920年(大正9年)7月9日に桜町から古町までの区間が開通し、蛍茶屋支線との合流点まで達した。1921年(大正10年)には豊後町停留場が小川町停留場に改称された。

戦争とその余波は路線を中断させた。1944年(昭和19年)1月、戦時下の急行運転に伴い恵美須町停留場が廃止された。1945年(昭和20年)8月9日、長崎市への原子爆弾投下により路線は不通となり、運行が再開されたのは1946年(昭和21年)1月11日のことであった。1950年(昭和25年)6月には、駅前広場の拡張に伴って長崎駅前停留場が東へ約36メートル移設された。

決定的な変化は1950年代に訪れた。1954年(昭和29年)3月1日、峠越えの区間が廃止されて経路が変更され、桜町停留場(初代)と古町停留場がともに廃止され、小川町停留場が移設されて、新たに桶屋町停留場が開業し、支線は現在の経路に定まった。桶屋町停留場は1963年(昭和38年)3月に公会堂前停留場へ改称され、1966年(昭和41年)9月には小川町停留場が桜町停留場へ改称された。長崎駅前停留場は1969年(昭和44年)4月に再び移設された。

その後の数十年で、支線は水害と度重なる脱線の問題に見舞われた。1982年(昭和57年)7月の長崎大水害により23日に運休し、2日後の25日に運行が再開された。蛍茶屋支線との合流部、公会堂前交差点付近では、その後の数年にわたり計5度の脱線事故が起きた——2007年(5月19日と24日の2度)、2015年10月、2016年6月、そして2019年4月の5回目である。4度目の事故の後に線路が改良され、2017年(平成29年)10月に3号系統が線路改良工事のため赤迫 - 公会堂前間へ短縮され、同年11月29日に全面再開されて、西浜町方面への渡り線が撤去された。

近年、この路線の終端の停留場は改称されている。2018年(平成30年)8月1日、システム全体で13停留場が改称される中で公会堂前停留場が市民会館停留場となり、2023年(令和5年)1月4日には再び市役所停留場へと改称された。今日も桜町支線は、長崎駅前・平和公園・浦上の各地区と、蛍茶屋方面へ向かう電車の系統とを結ぶ、短いながらも便利な連絡路であり続けており、3号系統のみが運行されている。

年表

  • 191912月25日:長崎駅前 - 桜町(初代)間開通。恵美須町・豊後町・桜町各停留場開業。
  • 19207月9日:桜町 - 古町間が開通(全通)。
  • 1921豊後町停留場が小川町停留場に改称。
  • 19441月:戦時下の急行運転に伴い、恵美須町停留場が廃止。
  • 19458月9日:長崎市への原子爆弾投下により不通。
  • 19461月11日:運行再開。
  • 19506月:駅前広場の拡張により、長崎駅前停留場を東へ36メートル移設。
  • 19543月1日:峠越えの区間を廃止。ルート変更により桜町停留場(初代)・古町停留場廃止、小川町停留場を移設、桶屋町停留場が開業(1963年3月に公会堂前停留場へ改称)。
  • 19669月20日:小川町停留場を桜町停留場に改称。
  • 19694月:長崎駅前停留場が再度移設。
  • 19827月23日:長崎大水害により運休。7月25日に運行再開。
  • 20075月19日・24日:公会堂前交差点で3号系統赤迫行き電車が脱線、5日後に同じ場所で再び脱線(合流部での5度の脱線事故のうち最初の2度)。
  • 201710月22日 - 11月29日:4度目の脱線を受けた線路改良工事のため3号系統を赤迫 - 公会堂前間へ短縮、その後全面再開。西浜町方面への渡り線を撤去。
  • 20188月1日:システム全体で13停留場を改称する中、公会堂前停留場を市民会館停留場へ改称。
  • 20194月21日:市民会館交差点で3号系統赤迫行き電車が脱線(合流部での5度目の脱線事故)。
  • 20231月4日:市民会館停留場を市役所停留場へ改称。

出典