歴史
この路線は、戦後の札幌の急速な発展を背景に生まれた。積雪寒冷地である札幌市では、モータリゼーションの進行によって冬季の交通渋滞が深刻化しており、加えて1972年冬季オリンピックの開催が決定し、選手や観客の輸送にも対応できる大量輸送交通機関の建設気運が高まったことが、計画の端緒となった。札幌市は1965年から札苗実験場でゴムタイヤ方式の試験車を使った各種試験に着手し、1967年に札幌市議会で建設が可決された。
計画は1960年代後半を通じて具体化していった。1966年6月には、1985年度までの高速交通機関計画の一環として、南北線の藤の沢 - 茨戸間25キロメートルの建設計画が策定され、同年12月には第一期建設計画の一環として北24条 - 真駒内間の計画が定められた。1968年1月には、建設省の指導を受けて、地下区間を北16条 - 中島公園間4.25キロメートルから北24条 - 平岸間7.3キロメートルへ延長する案が審議され、この地下区間の地方鉄道敷設免許は1968年6月24日に取得された。高架区間となる平岸 - 真駒内間の免許は、1969年10月に続いて取得された。
1969年2月7日には大通公園で起工式が行われ、翌月には北24条 - 平岸間の工事が始まり、高架の平岸 - 真駒内間の工事は1970年7月に着工した。試運転は順調ばかりではなく、1971年9月3日には真駒内駅を発車した試運転列車がポイント部分で脱線してシェルターに激突し、運転士2名と試乗客3名が負傷、車両の前頭部が大破した。それでも路線は予定どおり1971年12月16日に開業し、北24条 - 真駒内間の12.1キロメートルが、札幌オリンピックの約1か月半前に営業を開始した。開業当初から各駅には有人改札を置かず、すべて自動改札が用いられ、開業から数年間は自動券売機で五円硬貨を使うこともできた。
その後、路線は北側へ延伸された。札幌市議会は1972年12月に北24条 - 麻生間の延伸を可決し、1973年5月に免許を取得、同年6月に工事を始めた。延伸に先立って全車両が増結され、1974年8月に6両編成化、続いて1978年3月16日に北24条 - 麻生間2.2キロメートルが延伸開業した際に8両編成化されて、路線は現在の長さとなった。3000形は1978年10月に営業運転を開始し、1995年9月には北海道初の4扉車である5000形が走り始めた。当初の1000形・2000形は1999年に、3000形は2012年に運用を終了し、以後は5000形のみが運用されている。
後年、路線は段階的に近代化された。1994年10月には霊園前駅が南平岸駅に改称された。2008年には札幌市営地下鉄初の女性専用車両が南北線で試験導入され、同年12月には「女性と子どもの安心車両」が、2009年1月には非接触型ICカード「SAPICA」が導入された。2012年6月には5000形の自動列車運転(ATO)が始まり、2013年3月までに全駅へ可動式ホーム柵が設置され、翌4月にはワンマン運転が開始された。
現在、南北線は札幌市営地下鉄の背骨をなす路線であり、大通駅で東西線と、大通駅およびさっぽろ駅で東豊線と接続している。同地下鉄で最も利用が多く、最も中心的な路線であり続けており、運営側はサービスの更新を続け、2025年4月にはクレジットカードやデビットカード等のタッチ決済による乗車サービスの実証実験を地下鉄の各駅へ拡大している。
年表
- 19666月、1985年度までの高速交通機関計画の一環として南北線藤の沢 - 茨戸間25kmの建設計画を策定。12月、第一期建設計画の一環として北24条 - 真駒内間の計画を策定。
- 19686月24日、北24条駅 - 平岸駅間の地下区間7.3kmの地方鉄道敷設免許を取得。
- 19692月7日、大通公園で起工式を開催。3月に北24条 - 平岸間着工、10月に高架の平岸 - 真駒内間の免許を取得。
- 19707月28日、高架区間となる平岸駅 - 真駒内駅間が着工。
- 19719月3日、真駒内駅付近のポイントで試運転列車が脱線しシェルターに激突、5名が負傷。12月16日、北24条 - 真駒内間(12.1km)が、札幌オリンピックの約1か月半前に開業。開業当初から全駅自動改札。
- 19748月18日、全車両6両編成化。
- 19783月16日、北24条 - 麻生間(2.2km)が延伸開業し全線が現在の長さに、全車両8両編成化。10月1日、3000形が営業運転を開始。
- 199410月14日、霊園前駅が南平岸駅に改称。
- 19959月、北海道初の4扉車である5000形が営業運転を開始。
- 19996月27日、2000形(1000形)車両が全車運用終了。
- 20088月18日、札幌市営地下鉄初の女性専用車両を南北線で試験導入。12月15日、「女性と子どもの安心車両」を導入。
- 20091月30日、非接触型ICカード「SAPICA」を導入。
- 20123月25日、3000形が全車運用終了。6月4日、5000形のATOによる自動運転を開始。
- 20133月2日、全駅に可動式ホーム柵を設置完了。4月1日、ワンマン運転を開始。
- 20254月26日、クレジットカードやデビットカード等のタッチ決済による乗車サービスの実証実験を札幌市営地下鉄の各駅で開始。
出典
事実確認日:2026年6月15日