鉄道路線·約4分で読めます

西武有楽町線

Seibu Yūrakuchō Line

西武有楽町線(せいぶゆうらくちょうせん)は、東京都練馬区において西武鉄道が運営する営業キロ2.6キロメートルの地下鉄道路線である。練馬駅で西武池袋線と接続し、小竹向原駅で東京メトロ有楽町線・副都心線と連絡しており、駅は練馬・新桜台・小竹向原の3駅のみである。軌間1,067ミリメートルの狭軌で直流1,500ボルトの架空電車線方式により電化され、全線が複線で、池袋線系統の一員として駅ナンバリングの路線記号「SI」が与えられている。列車のほとんどが東京メトロの地下鉄へ直通するため、実際にはこの路線はそれ自体が目的地というよりも、西武の列車を東京都心やその先へ送り込む連絡線として機能している。

東京練馬区板橋区杉並区中野区新宿区豊島区2 km
西武有楽町線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は、接続先の地下鉄を生み出したのと同じ計画である旧都市交通審議会の答申第10号に定められた8号線の一部として建設された。路線名に「有楽町」とあるが、路線そのものは有楽町を経由しない。この名称は、同じく8号線として整備された接続先の帝都高速度交通営団(営団、現・東京メトロ)有楽町線に由来するものである。同線と区別するため、頭に「西武」を冠した名称が正式な路線名とされ、路線図や案内表記でも省略されることはなく、これは西武秩父線と同様の扱いである。営団と西武鉄道との間では1968年9月5日に相互直通運転に関する覚書が交わされ、西武は1970年5月25日に練馬 - 向原(仮称)間の地方鉄道敷設免許を取得して、1980年3月から建設工事を開始した。

練馬付近の工事が遅れたため、当初計画していた練馬 - 小竹向原間の同時開業は実現せず、まず短い区間が先行して開業した。1983年10月1日、新桜台 - 小竹向原間の1.2キロメートルが開業し、小竹向原で営団有楽町線との直通運転を開始した。この時点では他の西武の路線と接続していなかったため、ほぼ営団地下鉄の延伸区間のように扱われ、新たに開業した新桜台駅の駅構内のデザインや案内サインは営団仕様で統一され、西武は自社の車両を運行せず、営団に保守費用などを支払って営団7000系10両編成1本を借り受けて運行した。1983年の部分開業から1998年の池袋線直通までは、日中1時間4本のサイクルダイヤであった。

新桜台 - 練馬間の建設工事は1989年9月1日に着手された。1994年12月7日、練馬 - 新桜台間の1.4キロメートルが開業して全線が開通し、営団有楽町線新線との直通運転を開始したが、練馬駅の高架化工事が未完成であったため、暫定的に下り線のみの単線での開業であった。線路が池袋線と接続されたことで西武は自社の6000系の使用を開始したが、当面の営業列車は練馬駅で折り返しとされ、池袋線との直通は行われなかった。練馬駅の高架化工事が1998年3月26日に完成すると練馬 - 新桜台間が複線化されて全線が複線となり、ようやく池袋線との直通運転が始まった。

その後、直通運転の網は段階的に拡大した。2004年4月1日に営団が改組されて東京メトロとなると、直通運転先も東京メトロとなった。2008年6月14日には東京メトロ副都心線との相互直通運転が始まり、2013年3月16日にはこれが副都心線を介して東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線へと拡大された。この2013年の改正では、路線図で使用するラインカラーが紫色から池袋線と同じ柿色に変更され、新たに「快速急行」が新設された(西武有楽町線内は各駅に停車する)。なお女性専用車は、それに先立ち池袋線および東京メトロ有楽町線と歩調を合わせて、2005年10月31日から平日朝に導入されていた。

現在、西武有楽町線はもっぱら連絡線として機能しており、池袋線の飯能と東京メトロ有楽町線経由の新木場との間、ならびに飯能と副都心線・東横線・みなとみらい線経由の元町・中華街との間で直通運転が行われている。線内のみを運転する列車は設定されておらず、全列車が池袋線の石神井公園以西を始発・終着とし、小竹向原で折り返す列車は初電・終電のごく一部にとどまる。西武ドームでの野球開催時には、1998年と2008年の各開業以来それぞれ新木場・渋谷方面から、また2013年以降は元町・中華街から西武球場前行きの臨時列車が運転され、横浜方面からの球場アクセスが改善された。

この路線は西武の路線網の中でいくつかの点で異色である。練馬駅構内を除く全区間が地下にあり、西武で唯一の地下路線で、踏切が存在しない。また西武で唯一の全区間複線の路線であり、唯一車内信号方式(CS-ATC)を採用する路線でもある。線内に折り返し設備がないため、池袋線と東京メトロ各線との直通運転を止めるような輸送障害が発生すると、西武有楽町線は全線が運休となる傾向があり、運行回復のために一路線がまるごと運休することは日本の鉄道路線ではまれである。著名な事例として、2011年10月4日に小竹向原駅でコンクリートの落下により信号ケーブルが切断され、17時過ぎまで運休したことがある。

年表

  • 19689月5日:帝都高速度交通営団(営団)と西武鉄道との間で相互直通運転に関する覚書が交わされる。
  • 19705月25日:練馬 - 向原(仮称)間の地方鉄道敷設免許を取得。
  • 19803月26日:小竹向原 - 新桜台間の建設工事に着手。
  • 198310月1日:新桜台 - 小竹向原間(1.2km)が開業。小竹向原で営団有楽町線との直通運転を開始。他の西武の路線と接続せず、営団7000系を借り受けて運行。
  • 19899月1日:新桜台 - 練馬間の建設工事に着手。
  • 199412月7日:練馬 - 新桜台間(1.4km)が開業して全通。練馬駅の高架化工事未完成のため暫定的に下り線のみの単線。営団有楽町線新線との直通運転を開始し、自社6000系の使用を開始。
  • 19983月26日:練馬駅高架化工事の完成により練馬 - 新桜台間を複線化(全線複線化)し、池袋線との直通運転を開始。
  • 20044月1日:営団改組により、直通運転先が東京地下鉄(東京メトロ)となる。
  • 200510月31日:乗り入れ先の池袋線および東京メトロ有楽町線と合わせ、平日朝ラッシュ時間帯に女性専用車を導入。
  • 20086月14日:東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始。
  • 201110月4日:8時54分ごろ、小竹向原駅でコンクリート落下による信号ケーブル切断が発生し、17時過ぎまで運休。
  • 20133月16日:東京メトロ副都心線を介して東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線との相互直通運転を開始。路線図のラインカラーを紫色から池袋線と同じ柿色に変更し、「快速急行」を新設。
  • 20203月14日:快速急行(Fライナーを含む)の停車駅から新桜台駅が除外される。

出典