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泉北高速鉄道線

Semboku Rapid Railway Line

泉北高速鉄道線(せんぼくこうそくてつどうせん)は、大阪府堺市北区の中百舌鳥駅から大阪府和泉市の和泉中央駅までを結ぶ、営業キロ14.3キロメートルの通勤鉄道路線である。軌間1,067ミリメートルの狭軌・複線で、直流1,500ボルトで電化されており、南海高野線から分岐して、多くの列車が同線に乗り入れて大阪都心の難波まで直通運転を行っている。泉北ニュータウンと大阪都市圏とを結ぶ目的で建設され、半世紀以上にわたり第三セクターによって運営されてきたが、2025年4月1日の吸収合併以降は南海電気鉄道によって運営され、同社は路線名を単に泉北線と改称した。

大阪南区西区高石市2 km
泉北高速鉄道線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は戦後日本の高度経済成長の産物である。多くの若者が大都市へ移り住み、大阪府も北大阪の千里ニュータウンに代表される郊外開発を進めていた。そうした中、国鉄(現在のJR西日本)阪和線沿線と南海高野線沿線の間の地域に新しい街を創るという構想が持ち上がり、泉北ニュータウンが建設された。これを大阪都心と結ぶ鉄道としては、大阪市営地下鉄1号線(現在のOsaka Metro御堂筋線)の延伸案と、阪和線・南海高野線・近鉄南大阪線からの分岐案の4案が検討された。このうち、営業エリア上の問題がなく、輸送能力に余力があった高野線からの分岐案が採用された。

当初は南海電気鉄道がこの路線を建設し直接経営することも検討されたが、1960年代後半から1970年頃にかけて南海の路線で重大事故が相次ぎ、重い負債を抱えたため、多額の投資を要する新規路線を持つことを断念した。代わって運営を担ったのは、大阪府がトラックターミナル運営のために設立した第三セクター、大阪府都市開発株式会社であった。同社は1969年3月に中百舌鳥 - 光明池間の敷設免許を取得した。開業時は全業務を南海電気鉄道に委託していたが、段階的に直営化を進め、1993年4月1日に全業務の直営化を完了した。

建設と開業は中百舌鳥側から区間ごとに進められた。最初の区間である中百舌鳥 - 泉ケ丘間が1971年4月1日に開業した。1973年10月7日には、並行する南海高野線と同時に架線電圧が600ボルトから直流1,500ボルトへ昇圧され、同年12月7日に泉ケ丘 - 栂・美木多間が延伸開業した。さらに1977年8月20日には栂・美木多 - 光明池間が光明池車庫とともに開業し、1969年に免許を受けた区間がすべて開通した。

最後の延伸は和泉市の地方政治から生まれた。1975年11月30日に池田忠雄が和泉市長に就任すると、その市政の下で「和泉ニュータウン」構想が形づくられ、これに伴って光明池からさらに路線を延ばす話が持ち上がった。この構想は後にトリヴェール和泉の開発となり、それに伴う和泉市中南部の人口増加が、1995年4月1日の光明池 - 和泉中央間の開業につながった。これにより路線は現在の営業キロ14.3キロメートル・6駅の姿で全通した。

列車の運行は、線内折り返しの各駅停車に加え、中百舌鳥から高野線に乗り入れて難波まで直通する区間急行・準急行・特急を組み合わせている。区間急行は、大阪市営地下鉄御堂筋線の中百舌鳥延伸に合わせて1987年3月29日のダイヤ改正で新設された。非接触式の乗車媒体は関西のより広い鉄道網に歩調を合わせて導入され、1999年にスルッとKANSAI、2006年7月1日にPiTaPaとICOCA、2013年3月23日には全国のICカード相互利用が始まった。2015年12月5日には座席指定の有料特急「泉北ライナー」が運転を開始し、朝ラッシュ時の一部列車に女性専用車両が導入された。運営会社自体も合併よりかなり前から南海に接近しており、2014年7月1日に大阪府都市開発の株式が南海に譲渡されると、同社は泉北高速鉄道株式会社に商号変更して南海グループの一員となった。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を含む財政上の圧力を背景に、泉北高速鉄道は南海への合併を発表し、国土交通省は2024年11月1日にこの合併を認可した。吸収合併は2025年4月1日に発効し、同日以降この路線は南海電気鉄道によって泉北線として運営されている。路線記号はSBからNKへ変更され、深井駅から和泉中央駅までの各駅はNK88からNK92へと改番されたが、ダイヤに変更はなかった。路線シンボルマークは泉北高速鉄道から引き継いだ鳥をかたどった意匠が用いられ、ラインカラーは黄緑である。

年表

  • 19693月:大阪府都市開発が中百舌鳥 - 光明池間の敷設免許を取得。9月16日には中百舌鳥 - 泉ケ丘間が着工。
  • 19714月1日:最初の区間である中百舌鳥 - 泉ケ丘間が、軌間1,067mm・複線・直流600Vで泉北高速鉄道線として開業。
  • 197310月7日:架線電圧を600Vから直流1,500Vに昇圧(南海高野線と同時)。12月7日:泉ケ丘 - 栂・美木多間が開業。
  • 19778月20日:栂・美木多 - 光明池間が開業し、光明池車庫の使用を開始。1969年に免許を受けた区間が全通。
  • 198111月22日:朝ラッシュ時の準急行の一部が10両編成で運行を開始。
  • 19873月29日:ダイヤ改正により、平日朝夕ラッシュ時に区間急行を新設(御堂筋線の中百舌鳥延伸に合わせる)。
  • 19934月1日:大阪府都市開発が全業務の直営化を完了(南海への委託を解消)。
  • 19954月1日:光明池 - 和泉中央間が開業し全通。営業キロ14.3km・6駅となる。
  • 19994月1日:全線でスルッとKANSAIを導入。
  • 20067月1日:全線でPiTaPaを導入し、ICOCAとの相互利用を開始。
  • 20133月23日:交通系ICカードの全国相互利用が開始され、Kitaca・PASMO・Suica・manaca・TOICA・nimoca・はやかけん・SUGOCAが利用可能になる。
  • 20147月1日:大阪府都市開発の株式が南海電気鉄道に譲渡され、同社は泉北高速鉄道株式会社に商号変更して南海グループの一員となる。
  • 201512月5日:有料特急「泉北ライナー」の運転を開始。平日朝の一部列車に女性専用車両を導入。
  • 202411月1日:国土交通省が泉北高速鉄道の南海電気鉄道への合併を認可。
  • 20254月1日:南海電気鉄道への吸収合併に伴い、泉北高速鉄道線から泉北線に改称。路線記号はSBからNKに変わり、深井 - 和泉中央間がNK88〜NK92に改番。ダイヤに変更はなし。

出典