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世田谷線

Setagaya Line

世田谷線(せたがやせん)は、東急電鉄が運営する営業キロ5.0キロメートルの軌道線で、全線が東京都南西部の世田谷区内に所在し、東の三軒茶屋と西の下高井戸を10駅で結ぶ。他の路線が重量鉄道の通勤路線である東急にあって珍しく、鉄道事業法ではなく軌道法に基づいて運営されており、都電荒川線とともに東京都内に残る軌道(路面電車)に法的に分類される2路線のうちの一つである。軌間は珍しい1,372ミリメートル、電化方式は直流600ボルトの架空電車線方式で、全線が複線、最高速度40キロメートル毎時で東急300系の2両編成が走り、全区間の所要時間はおよそ17 - 18分である。

東京世田谷区杉並区中野区目黒区渋谷区2 km
世田谷線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は、玉電の愛称で知られる玉川電気鉄道が築いた旧玉川線の路面電車網のうち、最後まで残った区間である。現在の世田谷線の区間は、同社の支線として始まった。1925年1月18日に三軒茶屋 - 世田谷間が下高井戸線(しもたかいどせん)として開業し、同年5月1日には残る世田谷 - 下高井戸間が開業して全通した。この支線は道路の中央ではなく独自の新設軌道を走っており、その特徴が後にこの路線の存続を左右することになる。

1938年3月10日、玉川電気鉄道は現在の東急の前身である東京横浜電鉄に合併され、各線は玉川線として再編された。「玉電」の呼称は通称として定着し、今日でも用いられることがある。その後の数年間で支線のいくつかの小駅が整理され、豪徳寺前駅と旧宮ノ坂駅が1945年7月15日に、六所神社前駅と七軒町駅が1949年9月1日に廃止されて、おおむね現在の10駅の配置となった。

決定的な転機は1969年5月11日に訪れた。東急は、路面を走る軌道が悪化する道路交通と絡み合っていた渋谷 - 二子玉川園間の玉川線本体を廃止したのである。ほとんど道路上を走らなかった下高井戸線は廃止を免れ、世田谷線と改称された。この廃止により支線は玉川線の大橋車庫を利用できなくなったため、上町駅のそばに新たな車庫が設けられ、「玉電」を冠していた各駅(若林・山下・松原)は現在の冠称のない駅名となった。玉川線でも使われていた路面電車タイプの車両は順次引退していった。

その後しばらく、世田谷線は東急の他路線と物理的に接続しない孤立路線であった。これが解消されたのは1977年で、渋谷 - 二子玉川園間の地下線であり今日の東急田園都市線の一部をなす新玉川線が開業し、三軒茶屋で軌道線と東急の重量鉄道網との乗換が復活した。また世田谷線は、東急の鉄軌道路線の歴史を通じて、国鉄(およびJR)線と接続も交差もしたことのない唯一の路線でもある。

近代化は段階的に進んだ。1992年11月11日には、駅前広場の再開発に伴って三軒茶屋の終端が下高井戸寄りの西方へ移設され、隣の西太子堂駅との間隔が0.3キロメートルと異例に短くなった。1999年7月11日からは低床の300系の導入が始まり、ホームを嵩上げして乗降時の段差が解消された。ホームの嵩上げ工事は2001年2月10日の終列車後に全駅で完了し、この時までに車両はすべて300系に統一された。10本の2両編成はそれぞれ異なる色に塗られており、そのうちの1本は玉電カラーの緑×クリームの旧塗装をまとう。

この路線は今も色濃い地域性を保っている。かつては世田谷線専用のICカード「せたまる」があり、2002年7月7日に導入されたが世田谷線でしか使えなかった。2007年3月18日にはPASMOが導入され、せたまるは2012年に発売を終了し、同年9月30日をもって利用を終えた。2013年には全駅の照明がLED化され、2019年3月25日からは運行に用いる電力を全面的に再生可能エネルギーへ切り替えた。これは日本初の、終日にわたり100パーセント再生可能エネルギーで運行する鉄道とされる。また、沿線にあり招き猫発祥の地の一つと伝わる豪徳寺にちなみ、2本の電車が「招き猫」をテーマに装飾されている。

年表

  • 19251月18日:三軒茶屋 - 世田谷間を、玉川電気鉄道の支線「下高井戸線」として開業。
  • 19255月1日:残る世田谷 - 下高井戸間が開業し、支線が全通。
  • 19383月10日:玉川電気鉄道が東京横浜電鉄(現在の東急の前身)に合併され、支線は玉川線の一部となる。
  • 19457月15日:豪徳寺前駅と旧宮ノ坂駅が廃止。
  • 19499月1日:六所神社前駅と七軒町駅が廃止。六所神社前駅は移設の上松原駅と改称。
  • 19695月11日:東急が渋谷 - 二子玉川園間の玉川線本体を廃止。残った下高井戸線が世田谷線と改称され、上町駅に車庫が新設され、「玉電」を冠した駅名が改められる。
  • 1977新玉川線(渋谷 - 二子玉川園間の地下線、現在の東急田園都市線の一部)が開業し、三軒茶屋での乗換が復活して孤立状態が解消される。
  • 199211月11日:駅前再開発に伴い三軒茶屋駅が下高井戸寄りに移設され、西太子堂駅との間が0.3kmとなる。
  • 19997月11日:低床の東急300系を導入し、ホームを嵩上げして乗降時の段差を解消。
  • 20012月10日:終列車後に全駅でホーム嵩上げが完了し、この頃までに車両はすべて300系に統一される。
  • 20027月7日:世田谷線専用 ICカード「せたまる」を導入。
  • 20073月18日:ICカード乗車券PASMOを導入。
  • 2012「せたまる」の発売が終了し、9月30日をもって利用を終了(PASMOに統合)。
  • 2013全駅の照明がLED照明となる。
  • 20193月25日:運行に用いる電力を100%再生可能エネルギーに切り替える。終日再生可能エネルギーで走らせる取り組みは日本初とされる。

出典