歴史
現在の路線は、複数の前身会社と県営鉄道が約30年かけてつなぎ合わされてできたものである。路線網のうち最も古い区間は1913年(大正2年)6月25日、立山軽便鉄道が滑川駅 - 五百石駅間を軌間762ミリメートルで開業したもので、この区間は立山線そのものではなく、現在の富山地方鉄道本線にあたる。同社は1917年に立山鉄道へと改称した。
立山線そのものは1921年(大正10年)3月19日、立山鉄道が五百石駅から、現在の岩峅寺駅付近にあった初代の「立山駅」(現在の立山駅とは別)までの区間を開業したことに始まる。これと並行して、富山県営鉄道が谷の奥へと路線を延ばし、岩峅寺駅 - 横江駅間が1921年10月11日に開業(横江は後の上横江駅で1997年に廃止)、1923年までに千垣まで延伸された。県営区間は1927年に直流600ボルトで電化された。
電化と改軌は1930年代に進められた。1931年4月6日、立山鉄道は富山電気鉄道に合併され、同社は1931年8月15日に寺田駅 - 五百石駅間を軌間1,067ミリメートル・直流1,500ボルト電化で開業した。古い五百石駅 - 岩峅寺駅間は1936年8月18日に1,067ミリメートルへ改軌され、直流1,500ボルトで電化された。県営区間は1937年に1,500ボルトへ昇圧され、同年には路線がさらに谷の奥の有峰口方面へと延伸された(千垣 - 粟巣野間が1937年10月1日に開業)。
現在の運営会社は、戦時下の富山県内鉄道の統合によって誕生した。1943年(昭和18年)1月1日、県営鉄道と日本発送電の鉄道路線が、新たに設立された富山地方鉄道に譲渡され、これらの区間が一つの会社のもとにまとめられた。谷の奥の区間は戦後に完成し、粟巣野駅 - (仮)立山駅間が1954年8月1日に、(仮)立山駅 - 千寿ヶ原駅(現在の立山駅)間が1955年7月1日に開業した。なお、小見駅 - 粟巣野駅間は1954年に立山開発鉄道へ譲渡されている。
路線が現在の名称と形になったのは、1969年4月1日の路線網全体の再編による。それまでの五百石線が立山線に編入される一方、稲荷町駅 - 南富山駅間が不二越線、南富山駅 - 岩峅寺駅間が上滝線として分離され、寺田駅 - 千寿ヶ原駅間が立山線となった。1970年7月1日には千寿ヶ原駅が立山駅に改称された(同時に旧立山町駅は五百石駅となった)。1976年7月8日にはCTC化(列車集中制御)が実施された。
立山線は今も地鉄が高山へと向かう玄関口であり続けているが、上部区間は厳しい状況に置かれている。粟巣野駅は1981年5月22日に廃止され、1997年には上横江駅の廃止とともにワンマン運転が始まった。2025年には、上部の岩峅寺 - 立山間について冬季の運行を朝夕のみに縮小する措置がとられ、同区間を存続させるため2027年度から再構築事業に着手することで合意がなされた。
年表
- 19136月25日:立山軽便鉄道が滑川駅 - 五百石駅間を軌間762mmで開業(路線網最古の区間で、現在の富山地方鉄道本線にあたる)。
- 1917立山軽便鉄道が立山鉄道に改称。
- 19213月19日:立山鉄道が五百石駅 - 立山駅(現在の岩峅寺駅付近。現在の立山駅とは別)間を開業(立山線の始まり)。
- 192110月11日:富山県営鉄道が岩峅寺駅 - 横江駅(後の上横江駅・1997年廃止)間を開業。
- 1927県営鉄道の岩峅寺駅 - 千垣駅間が直流600Vで電化。
- 19314月6日:立山鉄道が富山電気鉄道に合併。8月15日:富山電気鉄道が寺田駅 - 五百石駅間を軌間1,067mm・直流1,500V電化で開業。
- 19368月18日:五百石駅 - 岩峅寺駅間が1067mmに改軌、1500V電化。
- 1937県営区間が1,500Vに昇圧。路線がさらに谷の奥へ延伸され、千垣駅 - 粟巣野駅間が10月1日に開業(有峰口方面)。
- 19431月1日:県営鉄道・日本発送電の鉄道路線が、新設の富山地方鉄道に譲渡され、各区間が一社にまとめられる。
- 19548月1日:粟巣野駅 - (仮)立山駅間が開業。同年、小見駅 - 粟巣野駅間が立山開発鉄道に譲渡。
- 19557月1日:(仮)立山駅 - 千寿ヶ原駅(現在の立山駅)間が開業。
- 19694月1日:路線名変更。五百石線が立山線に編入され、稲荷町駅 - 南富山駅間を不二越線、南富山駅 - 岩峅寺駅間を上滝線として分離。寺田駅 - 千寿ヶ原駅間が立山線となる。
- 19707月1日:千寿ヶ原駅を立山駅に改称(同時に旧立山町駅を五百石駅に改称)。
- 19767月8日:CTC化(列車集中制御)が実施される。
- 19815月22日:粟巣野駅が廃止。
- 19974月1日:上横江駅が廃止され、ワンマン運転を開始。
- 2025冬季の岩峅寺 - 立山間の運行を朝夕のみに縮小。同区間を存続させるため、2027年度から再構築事業に着手することで合意。
出典
事実確認日:2026年6月14日