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養老線

Yōrō Line

養老線(ようろうせん)は、三重県・岐阜県を走る営業キロ57.5キロメートルの鉄道路線で、養老山地の北東麓に沿って、三重県桑名市の桑名駅から岐阜県揖斐郡揖斐川町の揖斐駅までを、地域の拠点である大垣を経由して結んでいる。駅数は27駅、軌間は1,067ミリメートルの狭軌で、全線が直流1,500ボルトで電化されている。現在は養老鉄道が運営する唯一の路線であるが、その歴史は一世紀以上前にさかのぼり、近鉄ネットワークの一部であった四半世紀を含め、数多くの所有者の手を経たのち、現在の「公有民営」の形態に落ち着いた。

大垣市いなべ市一宮市菰野町稲沢市弥富市10 km
養老線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線は民間会社である初代・養老鉄道の手によるもので、その発起人は早くも1897年に仮免状の下付を受け、会社は1911年7月19日に初代社長・立川勇次郎のもとで正式に設立された。最初の区間である養老 - 大垣 - 池野間は1913年7月31日に蒸気運転で開業した。残る区間もこれに続き、1919年4月27日に桑名 - 養老間と池野 - 揖斐間が開業して、ほぼ現在の形での全通を見た。その数年後の1923年5月13日には全線が直流1,500ボルトで電化され、電車運転が始まった。

その後、所有者は戦間期から戦時にかけての鉄道統合の波のなかで幾度も移り変わった。1922年6月13日、養老鉄道は揖斐川電気に合併され、同社の鉄道部となった。1928年2月25日には新たな運営会社として養老電気鉄道株式会社が設立され、1929年10月1日には伊勢電気鉄道がこれを合併した。路線はさらに、1936年5月20日に本社を大阪に置いて設立された養老電鉄株式会社へと引き継がれた。

やがて私鉄各社の戦時統合が、養老線を後の近鉄となる流れのなかへと組み込んでいった。1940年8月1日、養老電鉄は参宮急行電鉄に合併された。1941年3月15日には大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併して関西急行鉄道に改称し、1944年6月1日には関西急行鉄道が南海鉄道と合併して近畿日本鉄道(近鉄)が発足、以後、養老線はその広大なネットワークの一部として運営された。

近鉄のもとでも、周囲のネットワークが変化していくなかで、この路線は1,067ミリメートルの軌間を保ち続けた。1959年の伊勢湾台風で名古屋線が大きな被害を受けると、近鉄は同線を復旧する際に1,435ミリメートルの標準軌へと改軌したが、養老線は狭軌のまま据え置かれた。軌間の上で名古屋地区の近鉄各線から切り離された養老線は、その後の数十年を独立した地方路線として歩み続けた。

2000年代に入ると路線は慢性的な赤字を抱えるようになり、近鉄はこれを本業から分離する方針をとった。そのために同社は完全子会社として(現在の)養老鉄道株式会社を本社を西大垣駅に置いて設立し、2007年10月1日に養老線の運営をこの新会社へ引き継ぎ、新たな事業形態での運営が始まった。沿線の自治体も、運行を維持するための財政支援を行うことで合意した。

最後の再編は、この路線を公有インフラの枠組みへと移した。上下分離(公有民営)の方式のもとで、一般社団法人である養老線管理機構が施設を引き継ぎ、2018年1月1日からは近鉄に代わって同機構が第三種鉄道事業者となり、養老鉄道が第二種鉄道事業者として引き続き列車の運行を担う体制となった。この所有と運営を分けた形態が、今日の養老線が走る基盤となっている。

年表

  • 18974月21日:(初代)養老鉄道の発起人に仮免状が下付される。
  • 19117月19日:(初代)養老鉄道が設立される(社長:立川勇次郎)。
  • 19137月31日:最初の区間である養老 - 大垣 - 池野間が蒸気運転で開業。
  • 19194月27日:桑名 - 養老間および池野 - 揖斐間が開業し、全通する。
  • 19226月13日:養老鉄道が揖斐川電気に合併され、同社の鉄道部となる。
  • 19235月13日:全線が直流1,500Vで電化され、電車運転が始まる。
  • 19282月25日:養老電気鉄道株式会社が設立される。
  • 192910月1日:伊勢電気鉄道が養老電気鉄道を合併する。
  • 19365月20日:養老電鉄株式会社が本社を大阪に置いて設立される。
  • 19408月1日:養老電鉄が参宮急行電鉄に合併される。
  • 19413月15日:大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併し、関西急行鉄道に改称する。
  • 19446月1日:関西急行鉄道が南海鉄道と合併して近畿日本鉄道(近鉄)となり、以後、養老線を運営する。
  • 1959伊勢湾台風後、近鉄は復旧した名古屋線を1,435mmの標準軌に改軌するが、養老線は1,067mmの狭軌のまま据え置かれる。
  • 200710月1日:近鉄が、完全子会社として新設した(現在の)養老鉄道(本社:西大垣駅)に養老線の運営を引き継ぎ、新たな事業形態での運営が始まる。
  • 20181月1日:上下分離(公有民営)方式により、近鉄に代わって養老線管理機構が第三種鉄道事業者となり、養老鉄道が第二種鉄道事業者として引き続き運行を担う体制に移行する。

出典