JR線·約3分で読めます

鋼索線

Keihan Cable Line

鋼索線(こうさくせん)は、京都府八幡市のケーブル八幡宮口駅からケーブル八幡宮山上駅までを結ぶ、京阪電気鉄道のケーブルカーである。「石清水八幡宮参道ケーブル」と呼ばれ、かつては「男山ケーブル」と呼ばれていた。路線距離はわずか0.4キロメートル、駅数は2駅で、男山の山上にある石清水八幡宮への参拝者や観光客を、京阪本線が通る山麓から山上の社境へと運んでいる。軌間は1,067ミリメートルの単線で、2両交走式により運転され、高低差は約82メートル、最大勾配は206パーミル(20.6パーセント)である。正月に多くの人が山を登るため利用者は季節による偏りが大きく、1月の初詣で多いときの乗客が年間のおよそ半分を占めるとされる。

京都八幡市久御山町島本町長岡京市大山崎町2 km
鋼索線の路線図 · 境界: 国土数値情報(国交省)・GSI

歴史

この路線はもともと京阪の事業として始まったものではない。1922(大正11)年12月22日に鉄道の免許状が下付され、1923(大正12)年1月17日に男山索道会社が設立された。この会社の事業は投機的なもので、資本金は会社の規模に対して過大な150万円であり、有望な観光路線の免許を取得して鉄道を建設し、高値で転売することを狙っていた。1926(大正15)年6月22日、男山索道が八幡口-男山間を開業した。1928(昭和3)年5月28日には男山鉄道へと社名を変更し、1929(昭和4)年8月31日に京阪電気鉄道の子会社となった。この買収は、同社が未開業の大山崎-長尾間の免許を押さえており、競争線の出現を防ぐためでもあった。

路線は第二次世界大戦をそのまま乗り越えることはできなかった。1944(昭和19)年2月11日、資材を供出するため不要不急線として廃止され、男山鉄道は解散した。その後、10年以上にわたってケーブルカーは休止状態のままとなった。

再建は1950年代半ばに、京阪電気鉄道の直営として行われた。1955(昭和30)年4月8日に京阪に対して男山鋼索鉄道の敷設免許が下り、7月12日に工事が着工され、12月3日に男山(現・ケーブル八幡宮口)-八幡宮(現・ケーブル八幡宮山上)間が再開業した。1957(昭和32)年1月1日には、男山駅を八幡町駅に、八幡宮駅を男山山上駅に改称し、1977(昭和52)年11月1日には八幡町駅を八幡市駅に再び改称した。

近年は設備の近代化が進められてきた。2001(平成13)年7月11日には新車両が運転を開始し、「スルッとKANSAI」が導入された。2012(平成24)年には集中豪雨によるのり面崩壊のため8月14日から全面運休となり、代行バスを運転の上、9月1日に運転を再開した。2016(平成28)年4月29日には車内放送がリニューアルされ、向谷実作曲のBGMが流れるようになった。2019(令和元)年にはより本格的なリニューアルが行われ、設備や索条の交換のための休止を経て6月19日に運転を再開し、車両のデザインが変更されて赤い車両に「あかね」、黄色の車両に「こがね」の愛称が付けられた。

路線は2019年から2020年にかけて現在の姿となった。2019(令和元)年10月1日に、通称を「男山ケーブル」から「石清水八幡宮参道ケーブル」に変更し、あわせて2つの駅をケーブル八幡宮口駅とケーブル八幡宮山上駅に改称した。2020(令和2)年6月1日には運賃を200円から300円に値上げし、ICカード「PiTaPa」を導入した。これにより同線は、全国相互利用サービスの交通系ICカードに最後に対応した京阪の路線となった。今日も同線は、京都を代表する神社の一つである石清水八幡宮への短く急な参道として役割を果たしている。

年表

  • 192212月22日:鉄道免許状が下付される。
  • 19231月17日:男山索道会社が設立される。
  • 19266月22日:男山索道が八幡口-男山間を開業。
  • 19285月28日:運営会社が男山鉄道に社名変更。
  • 19298月31日:男山鉄道が京阪電気鉄道の子会社となる。
  • 19442月11日:資材供出のため不要不急線として廃止され、男山鉄道が解散。
  • 19554月8日に京阪が男山鋼索鉄道の敷設免許を受け、7月12日に着工、12月3日に男山(現・ケーブル八幡宮口)-八幡宮(現・ケーブル八幡宮山上)間を再開業。
  • 19571月1日:男山駅を八幡町駅に、八幡宮駅を男山山上駅に改称。
  • 197711月1日:八幡町駅を八幡市駅に改称。
  • 20017月11日:新車両が運転を開始し、「スルッとKANSAI」が導入される。
  • 20128月14日:集中豪雨によるのり面崩壊で全面運休となり代行バスを運転、9月1日に運転再開。
  • 20164月29日:車内放送がリニューアルされ、向谷実作曲のBGMが流れるようになる。
  • 20196月19日:リニューアルのための休止を経て運転を再開し、車両を「あかね」(赤)・「こがね」(黄)に一新。10月1日には通称を「石清水八幡宮参道ケーブル」に、両駅をケーブル八幡宮口駅・ケーブル八幡宮山上駅に改称。
  • 20206月1日:運賃を200円から300円に値上げし、ICカード「PiTaPa」を導入(交通系ICカードに最後に対応した京阪の路線)。

出典