歴史
導入の経緯としては、1990年代前期に直流電化区間標準機のEF65形初期型が経年30年前後となっていたこと、また輸送力増強策として1時間定格出力6,000 kWのEF200形が1990年に登場したものの、当初計画された1,600 t牽引が変電所の電力供給能力問題により実現できなかったことがある。こうした情勢下で、本形式はEF65形・EF66形の後継機として、また東海道・山陽線系統の1,300 tコンテナ貨物列車運転拡大に充当する目的で開発された。
構造面では、GTO素子を用いたVVVFインバータでかご形三相誘導電動機を制御するシステムはEF200形と同一だが、コスト低減のため国内機関車では初となる、1基のインバータで2基のモーターを制御する1C2M方式を採用した。1時間定格出力565 kWの主電動機を吊り掛け式で6基搭載し、機関車全体で3,390 kWの出力を確保する一方、日本の電気機関車として初めて「30分定格」の概念を採用し、定格出力3,540 kW(30分)で設計された。これにより東海道本線関ヶ原付近の連続勾配10 ‰での運用とEF66形との共通運用が可能となっている。最高運転速度は110 km/h、設計最高速度は120 km/h、運転整備重量は100.8 tである。
試作機(901号機)は1996年3月に三菱電機・川崎重工業で製作され、新鶴見機関区に新製配置されて各種試験に供された後、1997年8月に岡山機関区へ転属し、同年12月5日より営業運転を開始した。2005年3月には量産化改造を実施し、主電動機FMT4形・歯車比とも量産機と同一になった。0番台(1 - 18号機)は1998年7月から同年11月にかけて製作された量産機で、主電動機を小型のFMT4形に改良し、台車軸距を2,500 mmに短縮、全車が岡山機関区に配置されている。
100番台(101 - 173号機)は2000年3月以降に製作された改良機で、同年4月10日から運用を開始し、整流素子をIGBTに変更して1C1M方式とし、109号機以降はシングルアーム式パンタグラフを採用した。300番台(301号機 - )は経年30年を超える瀬野八用補機EF67形(0番台)の置き換えを目的に2012年より導入され、9月3日納車の301号機が広島車両所に配置されて2013年3月16日より営業運転を開始した。後押し時の連結器衝撃を緩和する新型緩衝器の装備により車体長が片側200 mm(全体400 mm)長くなり、車体色は青地に2本の黄色のラインを入れたものとなる。
平成27年からは吹田機関区への配置を開始してEF66形基本番台やEF200形を置き換え、2020年3月改正からは東海道本線吹田以東への定期運用も設定された。運用面では、本形式は新製以来、東海道本線・山陽本線の高速貨物列車で重点的に使用されるほか、運用範囲は山口・四国から北関東・千葉まで及び、直流電化区間の貨物列車の大半が本系列によって運用されている。製造数は2026年4月1日時点で169両である。
年表
- 1996The pre-production prototype, EF210-901, is delivered to Shin-Tsurumi depot, having been built by Mitsubishi Electric and Kawasaki Heavy Industries in March 1996, and used for evaluation; the EF210 type is the first JR locomotive given a nickname, named "ECO-POWER Momotaro" by public competition.
- 1998The first full-production locomotive, EF210-1, is delivered to Okayama in July 1998 as the EF210-0 variant, with FMT4 traction motors, the "ECO-POWER Momo Taro" bodyside logo and a 2,500 mm bogie; full-production revenue service begins on 2 August 1998.
- 2000The EF210-100 sub-class enters production from March 2000, with revenue service beginning on 10 April 2000, adopting single-arm pantographs and IGBT devices in place of GTO with 1C1M control.
- 2013The EF210-300 subclass enters service from the 16 March 2013 timetable revision to replace Class EF67 banking locomotives on the steeply-graded "Senohachi" section of the Sanyo Main Line between Seno and Hachihonmatsu; first unit EF210-301 had been delivered from Kawasaki Heavy Industries in Hyogo on 3 September 2012, and the second locomotive entered service from 28 April 2013.
出典
事実確認日:2026年6月6日
ギャラリー 6枚
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