機関車·約3分で読めます

JR貨物HD300形ハイブリッド機関車

Class HD300

HD300形ハイブリッド機関車は、日本貨物鉄道(JR貨物)が2010年(平成22年)より製造を開始したハイブリッド機関車である。JR貨物の公式名称は「HD300形式ハイブリッド機関車」。

JR Freight Class HD300 hybrid diesel shunter HD300-4 at Sumidagawa Freight Terminal in Tokyo.
JR Freight Class HD300 hybrid diesel shunter HD300-4 at Sumidagawa Freight Terminal in Tokyo. — Cheng-en Cheng from Taipei City, Taiwan · CC BY-SA 2.0 · Wikimedia Commons

歴史

貨物駅構内の入換作業には国鉄から継承されたDE10形ディーゼル機関車を主として使用していたが、経年は40年以上となり老朽化が著しく進行しており、これらを置き換えるために、近年の環境問題への取り組みとして排出ガスを削減する新しいシステムを採用して開発された。「環境に優しいクリーンな機関車」をコンセプトに、DE10形と比較して有害排出ガスを30〜40%以上削減、車外騒音レベルを10dB(A特性)以上低減、エンジンの効率的運転と回生ブレーキの活用によるCO2の大幅な削減を目標として設計・開発された。

ディーゼル発電機を動力源とする電気式ディーゼル機関車と、蓄電池(リチウムイオンバッテリー)を動力源とする蓄電池機関車の2つの要素を兼ね備えた、日本初のハイブリッド機関車であり、ディーゼル発電機からの電力と蓄電池からの電力を協調させてモーターを制御する「シリーズ・ハイブリッド」方式を採用している。搭載されたディーゼルエンジンは直接駆動力には使用されず、発電機を回転させる発電用として使用される。形式記号は、ハイブリッド方式の機関車であることを表す「H」を初採用し、動軸数4であることを表す「D」と組み合わせて「HD」とされた。車体はEF510形と同じフレート・レッドを身に纏い、前面の連結器周辺は警戒色の黄色と黒で塗られ、Hybridのロゴが描かれている。整備重量は60tとDE10形の65tより軽量化されたが、動軸数が1軸少ないため軸重は15tとDE10形より2t重くなっている。

2010年3月に試作機HD300-901が東芝府中事業所で落成し、3月25日に公開された。2011年1月下旬から札幌貨物ターミナル駅構内で寒冷地試験が行われ、その後も各地で試験走行を実施した。試作機901号機は、2011年7月11日から入換機として東京貨物ターミナル駅で運用を開始した。

The Class HD300 prototype (HD300-901) hybrid switcher at Tokyo Freight Terminal.
The Class HD300 prototype (HD300-901) hybrid switcher at Tokyo Freight Terminal.Rs1421 · CC BY-SA 3.0 · Wikimedia Commons

2012年1月には量産型1号機となるHD300-1が東芝府中事業所で落成・甲種輸送され、2012年2月8日より東京貨物ターミナル駅構内で使用を開始した。量産機では前面排障器の幅を拡幅し、前照灯・尾灯を一帯のケースに収め、運転室出入口扉の窓や側窓を拡大するなどの改良が施された。2014年度には寒冷地仕様である500番台が登場し、2014年11月に甲種輸送された501号機を皮切りに3両(501〜503号機)が苗穂車両所に配置されて札幌貨物ターミナル駅で使用されている。

試作機にあたる901号機は、2012年に鉄道友の会ローレル賞を受賞した。新製費用が本線用電気機関車と変わらないほど高価で初期投資が大きいため、本形式は入換作業の密度が高い貨物駅への重点配置に留まっている。2020年1月25日現在、35両(901、1〜34号機)が新鶴見機関区と岡山機関区に、3両(501〜503号機)が苗穂車両所に配置されている。

年表

  • 2010Prototype locomotive HD300-901 is delivered from the Toshiba factory in Fuchū, Tokyo, to Tokyo Freight Terminal on 30 March for about six months of trials; it is unveiled to the media on 25 March. June 2010 tests at Tokyo Freight Terminal show 36% fuel savings, 62% NOx reduction and 22 dB noise reduction versus a Class DE10.
  • 2011After cold-weather testing at Sapporo Freight Terminal from late January, the prototype HD300-901 enters revenue service from 11 July on shunting operations at Tokyo Freight Terminal.
  • 2012The first full-production locomotive, HD300-1, delivered from the Toshiba Fuchū factory in January, enters service at Tokyo Freight Terminal from 8 February. In May the HD300-900 prototype is awarded the 2012 Laurel Prize by the Japan Railfan Club, with a presentation ceremony at Tokyo Freight Terminal on 18 November.
  • 2014The first Class HD300-500 cold-climate sub-class locomotive, HD300-501, is delivered to Naebo Depot in Hokkaido in November for use at Sapporo Freight Terminal.

出典