歴史
発足後の路線網は大きく再編された。1988年(昭和63年)3月13日に海峡線(青函トンネル)が開業し、青函連絡船の通常運航は同日限りで終了、暫定復活運航を経て同年9月19日に青函航路は正式に廃止された。一方で幌内線(1987年)、松前線・歌志内線(1988年)、標津線・名寄本線・天北線(1989年)などの廃止が相次ぎ、池北線は1989年(平成元年)6月に北海道ちほく高原鉄道へ転換された。発足後に開業した路線は在来線2線区(海峡線と、1992年開業の千歳線支線〈南千歳駅 - 新千歳空港駅間〉)および北海道新幹線にとどまる。1996年(平成8年)1月にはJR三島会社の運賃改定により、国鉄時代から続いてきた全国同一運賃体系が崩れた。バス事業は2000年(平成12年)4月1日に100%子会社のジェイ・アール北海道バスへ移管され、2008年(平成20年)10月25日には札幌圏にICカード乗車券「Kitaca」が導入された。
経営面では、本州以外で営業する「三島会社」の一つとして発足前から経営難が予想され、経営支援スキームとして経営安定基金(JR北海道分は元本6,822億円)が設けられたが、バブル崩壊後の金利低下により当初見込んだ運用益は大きく減少した。厳しい経営状況の下で車両や設備の保守費用の削減が続いた結果、2011年(平成23年)5月27日には石勝線の第1ニニウトンネル内で特急「スーパーおおぞら14号」が脱線・炎上して6両を全焼する石勝線特急列車脱線火災事故が発生し、同年6月に事業改善命令を受けた。2013年(平成25年)9月19日には函館本線大沼駅構内で貨物列車が脱線し、原因究明の過程でレール検査データの改ざんが発覚、2014年(平成26年)1月に国土交通大臣から「輸送の安全に関する事業改善命令及び事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」を受け、鉄道・運輸機構から600億円の設備投資支援が行われたほか、同年2月には検査妨害を理由に鉄道事業法違反の容疑で告発された。2021年(令和3年)3月には国鉄清算事業団債務等処理法の改正により2030年度まで国の財政支援が可能となり、3年間で1,302億円の支援が発表された。2025年(令和7年)5月には、度重なる安全管理上の不適切事象を受け、全国初となる「強化型保安監査体制」による立入監査を受けている。
2016年(平成28年)3月26日には北海道新幹線新青森駅 - 新函館北斗駅間が開業し、H5系電車がJR東日本の東北新幹線との相互直通運転を開始、同日に江差線五稜郭駅 - 木古内駅間は道南いさりび鉄道に移管された。同年11月16日には島田修社長らが、当時の営業路線2,500km余りの半分にあたる1,237kmについてJR北海道単独では維持が困難であると公表し、以後、留萌本線留萌駅 - 増毛駅間(2016年12月5日)、石勝線夕張支線(2019年4月1日)、札沼線北海道医療大学駅 - 新十津川駅間(2020年5月7日廃止、最終運行は新型コロナウイルス感染症の影響で同年4月17日に前倒し)、日高本線鵡川駅 - 様似駅間(2021年4月1日)、留萌本線石狩沼田駅 - 留萌駅間(2023年4月1日)、根室本線富良野駅 - 新得駅間(2024年4月1日)、留萌本線深川駅 - 石狩沼田駅間(2026年4月1日)が廃止され、2016年に廃止意向を示した5線区(赤・茶線区)は全廃となった。2026年(令和8年)4月15日には綿貫泰之社長が、残る8線区について線路などの設備を地方自治体でつくる法人が保有する上下分離方式の導入を提案した。2026年4月1日時点の総営業キロは、新幹線を含む幹線6路線1,378.9kmと地方交通線7路線861.6kmの13路線計2,240.5kmである。
年表
- 19874月1日:国鉄分割民営化に伴い北海道旅客鉄道(JR北海道)が発足。鉄道21路線3,176.6km、航路113.0kmおよびバス事業を承継した。
- 19883月13日:海峡線(青函トンネル)が開業し、青函連絡船の通常運航は同日限りで終了。暫定復活運航を経て同年9月19日に青函航路が正式に廃止された。
- 19896月4日:池北線が廃止され、北海道ちほく高原鉄道に転換された。
- 19961月10日:JR三島会社が運賃を改定し、国鉄時代より続いてきたJRグループの日本全国同一運賃体系が崩れた。
- 20004月1日:バス事業をジェイ・アール北海道バスに譲渡した。
- 200810月25日:札幌圏にICカード乗車券「Kitaca」を導入した。
- 20115月27日:石勝線第1ニニウトンネル内(占冠村)で特急「スーパーおおぞら14号」が脱線・炎上し、車両6両を全焼する事故が発生(石勝線特急列車脱線火災事故)。6月18日に国土交通省から事業改善命令を受けた。
- 20139月19日:函館本線大沼駅構内で貨物列車が脱線する事故が発生(函館本線大沼駅貨物列車脱線事故)。原因究明の過程でレール検査データの改ざんが発覚した。
- 20141月:国土交通大臣から「輸送の安全に関する事業改善命令及び事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」を受け、鉄道・運輸機構から600億円の設備投資支援が行われた。
- 20163月26日:北海道新幹線新青森駅 - 新函館北斗駅間が開業し、H5系電車が東北新幹線との相互直通運転を開始。同日、江差線五稜郭駅 - 木古内駅間を道南いさりび鉄道に移管した。
- 201611月16日:島田修社長らが会見し、当時の営業路線2,500km余りの半分にあたる1,237kmについて、JR北海道単独では維持が困難な路線・区間として公表した。
- 20205月7日:札沼線北海道医療大学駅 - 新十津川駅間(47.6km)が廃止。新型コロナウイルス感染症の影響により最終運行は同年4月17日に前倒しされた。
- 20244月1日:根室本線富良野駅 - 新得駅間(81.7km)が廃止された。
- 20264月1日:留萌本線深川駅 - 石狩沼田駅間が廃止され、2016年に廃止意向を示した維持困難路線5線区(赤・茶線区)が全廃となった。4月15日には綿貫泰之社長が、残る8線区について線路などの設備を地方自治体でつくる法人が保有する上下分離方式の導入を提案した。
出典
事実確認日:2026年6月12日